by LASZLO ILYES(画像:Creative Commons)
■マッチで火をつけることができる小学生は20年前の約3分の1になっている!?
(2015/9/13、毎日新聞)
マッチで火を付けることができる小学生は、20年前の約3分の1−−。象印マホービン(大阪市北区)が実施した子どもの生活体験に関する調査で、マッチや缶切りを使えない小学生の割合が、20年前に比べて増えていることが分かった。
象印マホービンの調査によれば、マッチや缶切りを使えない小学生の割合が20年前の約20分の1になっているそうです。
現代の幼児は、泳ぐことや靴紐を締めることよりも早く、ITスキルを覚えるや1歳児の74%がスマホを使用-YOUTUBE動画やLINEゲームを楽しむを以前取り上げましたが、子どもに与える道具が変わってきているということでしょうね。
ただ、マッチや缶切り、包丁でリンゴの皮をむくといった危険だけど誰もができることに子供をチャレンジさせないということは成長を妨げているかもしれないと思うと、気になることでもあります。
■手先が不器用になってきている?
園児の紐を結べない、箸が使えないといった日常生活の技能が低下|手を動かすことが、いかに脳を使うことにつながっているかで紹介した全国国公立幼稚園・こども園長会が公表した調査によれば、幼稚園に通う子供たちに、紐(ひも)を結ぶ、箸(はし)を正しく持って使うといった日常生活の技能の低下が起きているそうです。
紐を結ばずに済む靴が普及したことや握る動作が必要なジャングルジムなどの遊具の減少によって、手足を使う遊びの機会が少なくなり、手先の器用な動かし方や力加減を学びにくくなっているようです。
つまり、マッチや缶切り、包丁でリンゴの皮をむくことが危険だからチャレンジさせないというのと、手先の器用な動かし方や力加減を学ぶことができなくなっているというのは別の問題です。
手先を使う動作が減ったことで、生活技能が低下していることが心配されていますが、もう一つ心配されるのは手や指を動かすことが脳の発達とも関係している点です。
こちらの画像は有名なホムンクルス人形です。
by Mike(画像:Creative Commons)
「海馬 脳は疲れない」(著:池谷裕二・糸井重里)によれば、ホムンクルス人形(体のそれぞれの部分を支配している「神経細胞の量」の割合を身体の面積で示した図)によれば、手や舌に関係した神経細胞が非常に多いそうです。
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また、「愛撫・人の心に触れる力」(著:山口創)でも同様の説明がなされています。
解剖学者のワイルダー・ペンフィールドによる有名なホムンクルスの図である。様々な身体部位を司る脳の部位は異なっており、その大きさも異なる。そこで、それぞれの身体部位に占める脳の割合の大きさから逆算して、体の大きさを描いたものである。これをみると、脳の中で背や腹よりもいかに手と口の周辺が占める割合が大きいかがよくわかるだろう。
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「海馬 脳は疲れない」(著:池谷裕二・糸井重里)によれば、指をたくさん使えば使うほど、指先の豊富な神経細胞と脳とが連動して、脳の神経細胞もたくさん働かせる結果になるそうです。
現代の幼児はスマホやタブレットなどを簡単に使いこなしているため、手先が器用なように見えるかもしれません。
しかし、同じような動作ばかりではなく、さまざまな手先を使う動作を繰り返し、器用な動かし方や力加減を覚えていくことが重要なのではないでしょうか?
「手を動かすことが、いかにたくさん脳を使うことにつながっているか」
大人が一度考える問題なのではないでしょうか。
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