■がん患者の心の悩みが減る一方、体の痛み(脱毛・しびれ・後遺症・体力の低下)に悩む人が増えている
by Amy Kellogg(画像:Creative Commons)
(2015/9/8、日本経済新聞)
山口建・静岡県立静岡がんセンター総長らの研究チームの調査によれば、10年前に比べて、再発の不安や残される子どもの心配などの「心の苦悩」の占める割合が53.0%から36.6%に減った一方、抗がん剤の副作用や手術の後遺症などの「身体の苦痛」は15.1%から22.8%に増加しているそうです。
「心の苦悩」が減っているのは、悩みを聴く体制が整備されているからなのだそうです。
しかし、経験者と交流したいという要望も多いようです。
「身体の苦痛」が増えているのは、薬物療法による副作用を経験している人が増えているからのようです。
■女性の抗がん剤の副作用の苦痛度1位は「頭髪の脱毛」|脱毛がん患者に自治体がウィッグの費用の一部助成支援
がんの治療によって、患者さんの身体には、脱毛や手術跡、皮膚の変色といった様々な外見の変化が現れます。
乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が「脱毛」を経験によれば、乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が脱毛を経験しているそうです。
がんを治療するためとはわかっていても、外見が変わってしまうのは、患者さんにとってショックなことだろうと思います。
特に、女性にとって外見の変化は大きなストレスとなっているそうです。
国立がん研究センターが実施した抗がん剤の副作用の苦痛度調査(09年)によれば、「頭髪の脱毛」は男性では18位だったが、女性では1位ということでした。
参考画像:治療に伴う身体症状の苦痛TOP20|国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター
乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が「脱毛」を経験によれば、抗がん剤投与を終えてから5年たった人の中にも、髪が十分に生えそろわずかつら(ウイッグ)を使用している人が約10%いるそうなのですが、通常のかつらより柔らかさや通気性に配慮した「医療用ウィッグ」は自然に見えるものほど高価格であるため、あきらめてしまう人もいるそうです。
■まとめ
こうした声を参考にがん治療に役立ててほしいと思いますし、がん患者の周囲の人たちが病気に対する理解をしていかないといけないと思います。
【関連ワード】
【関連記事】
- VRで痛みを軽減し、依存性のある鎮痛剤の使用を抑制しようという取り組み|シーダーズサイナイ医療センター
- 柴咲コウさんや水野美紀さんが行なった「ヘアドネーション(医療用ウィッグを作るため髪の毛を寄付する活動)」とは?
- #三吉彩花 さんが「#ヘアドネーション(医療用ウィッグを作るため髪の毛を寄付する活動)」のために人生で初めてのショートボブ!
- #乳がん 闘病中の #小林麻央 さんの心残りは抗がん剤治療の前にカットした髪を「#ヘアドネーション」しなかったこと
- #ベッキー さん、バッサリとカットした髪の毛を「#ヘアドネーション」に
- 大腸ポリープ手術を受けた患者さんにインタビュー|手術までの経緯・手術内容・術後の生活の注意事項・感じたこと
- がんにかかる人、今年の予測は98万人 大腸がんが1位|国立がん研究センター
- 小林麻央さんの病気は進行性の乳がん 1年8カ月前から抗がん剤治療