「唇」に遠赤外線を当てて、採血なしに血糖値を測定する方法を開発|東北大

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■「唇」に遠赤外線を当てて、採血なしに血糖値を測定する方法を開発|東北大

Lips.

by Haley Neal(画像:Creative Commons)

“唇”で採血なしに血糖値測定

(2016/2/2、日経デジタルヘルス)

東北大学大学院 医工学研究科・工学研究科 教授の松浦祐司氏らの研究グループは、遠赤外線を使って、採血なしで血糖値を測定できる手法を開発した(pdf形式のニュースリリース)。病院のベッドサイドで使える血糖値モニタリング装置や、小型で安価なヘルスケア機器としての実用化を目指す。

東北大学大学院の松浦教授らの研究グループは、遠赤外線を照射するプリズムを柔軟な中空光ファイバーの先端に取り付けた装置を開発し、皮膚のような厚い角質のない、唇の内側の粘膜にプリズムを触れさせて遠赤外線を当てることで、血液中のグルコース(ブドウ糖)を正確に検出することが可能になったそうです。

■背景

遠赤外線を用いた血糖値測定法の開発に成功 採血なしで血糖値モニタリングが可能に

(2016/2/2、東北大学)

糖尿病患者は自身の血糖値を日常的に測定しなければなりませんが、現行の血糖自己測定手法は、指先から少量の血液を採取する侵襲的な方法であり、身体的苦痛や感染症の危険性を伴うものでした。そこで、その負担の軽減を目的として、近赤外線を人体に照射した際に、一部のエネルギーの近赤外線が血液中のグルコースに選択的に吸収されることを利用した測定方法が数多く提案され、装置の開発も行われてきました。しかし、近赤外線に対するグルコースの吸収はきわめて小さく、水分やタンパク質の吸収に埋もれてしまい、正確な測定が困難でした。 一方、波長10ミクロン付近の遠赤外線はグルコースに非常に強く吸収されるため、原理的には高精度のグルコース測定が可能ですが、遠赤外線は皮膚のごく表面ですべて吸収されてしまうため、これまでは正確な血糖値測定は困難でした。

●従来の血糖値測定方法は侵襲的な方法(指先から血液を採取する)であるため、肉体的な負担や感染症のリスクがある。

●近赤外線による血糖値測定方法は、近赤外線に対するグルコースの吸収は極めて小さく、水分やタンパク質の吸収に埋もれてしまうため、正確な測定が難しい。

●遠赤外線による血糖値測定方法は、皮膚の表面で吸収されてしまうため、正確な測定が難しい。




■光を使った新しい血糖値測定方法

■スマホで血糖値測定

スマホのフラッシュやカメラ機能を使い、血糖値管理ができる技術が研究されている!?

スマートフォンのフラッシュ機能やカメラ機能を活用して、血糖値の検査を行ない、血糖値コントロールができないかという研究が行われているそうです。

■光の強さで血糖値測定

<糖尿病>光の強さで血糖値測定 粒を埋め込み、マウス実験

東京大生産技術研究所と技術研究組合「BEANS研究所」が行なったマウスによる実験結果によれば、血糖値を測定する方法として、ブドウ糖の濃度に応じて異なる強度の光が出る物質でごく小さな粒を作って体内に埋め込み、外から光を測定する方法が有効なのだそうです。

Implantable blood sugar sensor : DigInfo

■汗をモニターして血糖値測定

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスが開発されているそうです。

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■まとめ

血糖値を測るには、注射針のようなもので血をとる必要がありましたが、光を当てることでできるようになれば、体への負担がなくなります。

注射器嫌いの人に朗報!「針なし注射器」の開発に成功-芝浦工大で紹介したように痛みのない注射針などの発明も進んでいるようですが、注射針を刺して採血するというのは利用者によっては負担があるものですので、採血なしで血糖値測定ができるというアイデアは今後も注目を集めていくのではないでしょうか。

→ 血糖値とは|血糖値を下げる食品・正常値・空腹時血糖値・食後血糖値 について詳しくはこちら







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