by Mary Hutchison(画像:Creative Commons)
■ジュースに「砂糖税」を導入 ソフトドリンクメーカーに対して|英国
(2016/3/31、WIRED)
英国の財務相ジョージ・オズボーンは、砂糖を加えたソフトドリンクのメーカーに対し、「砂糖税」を課すと発表した。
財務相が3月16日(現地時間)に発表した予算案では、砂糖税導入最初の年に5億2,000万ポンド(約840億円)の税収を見込んでいる。
2011年に、炭酸飲料は肥満のもと? NYソーダ戦争、市長VS業界という記事でニューヨークのブルームバーグ市長が「肥満の原因とされる砂糖入り炭酸飲料などの消費量を抑えて、医療費を抑制しよう」という試みを打ち出しましたが、英国では砂糖を加えたソフトドリンクメーカーに対して「砂糖税」を課すそうです。
世界各国で健康問題の解決と税収アップのために、健康に関する税金をかける動きが広がっています。
今後もこの動きは広がりをみせていくのではないでしょうか。
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■砂糖と健康問題
WHOが体重の増加による肥満の数が増加傾向にあることや虫歯など健康上のリスクを防ぐため「一日の糖類25グラムまで」とする新指針を2015年に正式決定しました。
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世界全体で肥満の数は増加しており、また肥満は、糖尿病、脂肪肝、高血圧などの生活習慣病だけでなく、脳卒中、心疾患、そして腰痛などのケガの原因になっています。
そして、医療費もそれに合わせて増加しています。
砂糖入り飲料を習慣的に飲むと糖尿病リスクが上昇する!?によれば、英・ケンブリッジ大学の今村文昭氏らの大規模な調査によれば、砂糖入り飲料を習慣的に飲むことで糖尿病のリスクが高くなることがわかったそうです。
徳島県が糖尿病死亡率最下位脱出|徳島県はどんな糖尿病対策を行なったのか?で紹介した徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授によれば、徳島県が糖尿病死亡率が高い理由として、「肥満」と「糖質摂取」を挙げており、食習慣として、ご飯に砂糖をかけて食べたり、饅頭のあんこの量が全国的にも多いなど「甘党」であることが関係しているようです。
アメリカの炭酸飲料離れ 10年連続で販売量減|健康志向の高まり(2015/3/30)によれば、健康志向の高まりが影響しているのでしょうか、アメリカでの炭酸飲料の販売量が10年連続で減少しているそうです。
アメリカの2〜5歳の子供の肥満率が低下によれば、子供の肥満率が減少した理由として、CDCは、理由は明確ではないとしながらも、食生活の改善や運動、糖分の多い飲料を控える傾向などが寄与しているとの見方を示しています。
■まとめ
アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?で紹介した英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、アメリカ人は砂糖の9割を「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。
ソフトドリンクメーカーに対して「砂糖税」をかけることで、砂糖を使う量を減らすように促すことができれば、自然と消費者の砂糖の量が減少することにつながることが期待できるということでしょう。
一度どのくらいの砂糖を摂取しているかチェックしてみてもいいかもしれませんね。
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P.S.
TWITTER創業者が毎日チェックする「する/しない」リストを健康的な視点から見てみるによれば、Twitter創業者のジャック・ドーシーさんは、砂糖を摂らないように気をつけているそうです。
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