アメリカの高校が行なった「コンドーム配布プログラム」は失敗だった!?


Condoms

by Robert Elyov(画像:Creative Commons)

米国の高校がおこなってきた「コンドーム配布プログラム」は失敗だった

(2016/6/21、クーリエ・ジャポン)

米オンラインメディア「ヴォックス」によれば、コンドームを配布した学校のほうが学生の妊娠件数が増え、地域によっては10%も妊娠率が上昇していることが最近の調査でわかったという。

また、性病の感染率が上がったところもある。

アメリカでは望まない妊娠を防ぐために、学校が学生にコンドームを配布プログラムを導入してきましたが、米オンラインメディア「ヴォックス」によれば、コンドームを配布した学校のほうが学生の妊娠件数が増えていて、また性病の感染率が上がったところもあるそうです。

なぜこのような結果になったのでしょうか?

この問題の背景にあるのは、コンドームを配布するだけで適切な指導をおこなっていない学校が多かったことにある。調査によれば、しっかり指導していた学区では当初の思惑どおり妊娠率が下がっていたからだ。

本来はコンドームを受け取る際にカウンセリングを受ける必要があるのですが、それが徹底されていなかったために、妊娠件数が増えたり、性病の感染率が上がってしまったようです。

しっかり指導していた学校では妊娠率が下がっていたようです。

■より効果的に性感染症を防ぐ方法

「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」には、より効果的に性感染症を防ぐためには、どうしたらよいかということが紹介されています。

セーフセックスのキャンペーンを展開する場合、コミュニティの全メンバーに平等にメッセージを送るよりも、性行動の活発なメンバー(ネットワークの中核部、すなわちハブ)に直接伝えれば最も効果があがるという結論も得られた。

人々がリスクにさらされるかどうかは、その人がどんな人であるかより、誰と知り合いであるかで決まるのだ。

ネットワークの全体図を描き、社会的ネットワークのハブを見つけ出し、そのハブであるメンバーに対して、メッセージを伝えるというのが最も効果的なのだそうです。

■まとめ

今回の問題点は、しっかりと指導が行われずに、コンドームを配ってしまったことです。

「性教育で興味がわき、子供の性環境が悪化」と保護者クレーム(2012/2/22)によれば、性教育を行うことによって、性への興味が湧くと考えている保護者からの批判により、性教育の自粛ムードが広がっているそうです。

中途半端に性教育を行なうと、性への興味が湧くだけで、望まない妊娠を防ぐことや性感染症を防ぐことはできないので、しっかりとした指導を行うようにして欲しいですね。