■【肌の上のラボ】汗を分析するデバイスで病気診断|ノースウエスタン大学
参考画像:New sweat-monitoring device explained|YouTubeスクリーンショット
Researchers develop soft, microfluidic ‘lab on the skin’ for sweat analysis
(2016/11/23、ノースウエスタン大学)
During moderate or vigorous exercise, sweat winds through the tiny microscopic channels of the device and into four different small, circular compartments.In the compartments, reactions with chemical reagents result in visible color changes in ways that quantitatively relate to pH and concentrations of glucose, chloride and lactate.
ノースウエスタン大学の研究チームは、皮膚に簡単に貼りつけることができる、身体が運動にどのように反応しているかを着用者の汗を測定するマイクロ流体デバイスを開発しました。
参考画像:New sweat-monitoring device explained|YouTubeスクリーンショット
このデバイスを使えば、Glucose(ブドウ糖)、pH(酸性・アルカリ性の度合い)、Lactate(乳酸)、Chloride(塩化物イオン)を分析し、水を飲むタイミングや電解質を補給するタイミングを知らせることができます。
【参考リンク】
- サラサラ汗で夏を過ごそう|逓信病院
通常、汗のPHは5.7~6.5程度に保たれており、人間の肌に優しいとされる弱酸性です。
ところが、真夏にたくさん汗をかくと、汗のPHが上昇し、アルカリ性になってしまいます。
皮膚表面に吹き出た汗は、蒸発して水分が失われるため、より一層PHの高いものとなり、肌にとっては強い刺激となってしまいます。
「肌の上のラボ( ‘lab on the skin’)」ともいえる汗を分析するデバイスは、将来病気の診断に広く活用される可能性があるそうです。
Designed for one-time use of a few hours, the device, placed directly on the skin of the forearm or back, even detects the presence of a biomarker for cystic fibrosis.
嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう、Cystic Fibrosis;CF)のバイオマーカーを検出することができるとありますが、嚢胞性線維症|難病情報センターによれば、汗中の塩化物イオン濃度の高値は嚢胞性線維症の特徴的な所見であり、診断に用いられるとありますので、このデバイスが役立つことが期待されます。
【参考リンク】
- 汗の塩分濃度と膵臓の機能|名古屋大学
■まとめ
New sweat-monitoring device explained
“The sweat analysis platform we developed will allow people to monitor their health on the spot without the need for a blood sampling and with integrated electronics that do not require a battery but still enable wireless connection to a smartphone,” he said.
この汗を分析するプラットフォームは、採血がいらず、電池を必要とせず、スマホなどと接続する必要とせず、その場で健康状態をチェックすることができるというのが大事なポイントです。
脈拍数や血液中の酸素濃度などを表示し、肌に貼れる有機ELディスプレイを開発|東大では、センサーで検知した脈拍数や血液中の酸素濃度を表示できる有機ELディスプレイが開発されたニュースを紹介しましたが、今回の汗を分析するデバイスを組み合わせると、さらに病気の早期発見につながるのではないでしょうか?
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