【#デザイン思考】東大の駒場図書館では冷房の運転を止める恐れがある!?|ペットボトルとダンボール紙で作る電気不要のエコクーラーがある!?

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by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)




■東京大学の駒場図書館では冷房の運転を止める恐れがある!?

Twitterのタイムラインを見ていると、駒場Iキャンパス全体の電力使用が契約上限に迫る日が続いているため、東京大学の駒場図書館では、冷房の運転を止める恐れがあるとのツイートが流れてきました。

【参考リンク】

図書館の冷房を止めることによって、書籍にカビが生えたりしたらという心配があり、こういう時こそ、「電気を使わないエアコン(例:電力を別のもので供給する)ができないのかな」とか「涼しくできるボディースーツができないかな」という発想になるといいですよね。

■冷房を使わずに快適に過ごすアイデア

●体の熱と汗に反応して微生物細胞が開閉する換気フラップ付きトレーニングスーツ

MIT Media Lab、MIT(マサチューセッツ工科大学)、RCA、New Balanceによる共同プロジェクトで、「Second Skin」(バイオスキンが体の熱と汗に反応し、フラップが開き、体を冷やす)が開発されています。

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●体温調節リストバンド型装置

WRISTIFY|快適な体温に調節してくれる装置が発明された!?によれば、MITではWristifyというは、空気と肌表面温度をモニターして「暑い」や「寒い」という信号を手首に送ることで体温を快適な温度に保つ、という体温調節リストバンド型装置を発明しているというニュースを以前紹介しました。

人間の肌の特性(人間の肌はちょっとした刺激にも敏感に反応し、体温はすぐに変化し、その変化は体全体にまで及ぶ)を利用して、体の一部に負荷を与えることにより、体温を調節するのだそうです。

Make It Wearable Finalists | Meet Team Wristify

embr labs presents Wristify

●微生物によって駆動される光制御の3Dマイクロモーター

Light driven bacteria propel hybrid 3D printed micro-machines

※natureに微生物によって駆動される光制御の3Dマイクロモーターに関する論文が出ているようです。

【参考リンク】

●サーモスタットによる節電・省エネ

Meet the 3rd generation Nest Learning Thermostat

Nestはシンプルに言うとさまざまなセンサーと人工知能が搭載された温度を調節する装置で、Nestと電化製品との連携によって、室温を快適に保ちながら、節電&省エネもできるというものです。

日本では使うのが難しいそうですが、大学の図書館をいかに節電と省エネをしながら、快適な空間にするということを実験的に行なうというのは面白いのではないでしょうか。

【参考リンク】

●保冷剤を活用した簡易クーラー

夏休み工作 ダイソーのクーラーボックスで簡易クーラー 作ってみた

そもそも保冷剤を冷やす電力はどうするんだという疑問がありますが、こうしたアイデアの一つが何かのヒントになるかもしれません。

■【#デザイン思考】ペットボトルとダンボールで作る電気不要のエコクーラー

参考画像:Eco-Cooler | Grey Dhaka unveils world’s first zero-electricity air cooler made from plastic bottles|YouTubeスクリーンショット

Eco-Cooler | Grey Dhaka unveils world’s first zero-electricity air cooler made from plastic bottles

段ボール紙とペットボトルで作る電気がいらないクーラーの原理というのは、動画によれば、口をすぼめて息を吐くと冷たい空気が出てくるように、室外の暖かい空気がペットボトルの広い口から入って、細い口から出てくるときに涼しい空気となることによって、天然のクーラーになるというのが説明です。

動画の中では室内の温度が下がっていることが温度計で紹介されています。

ただ本当にこの原理で部屋の空気は下がるのでしょうか?

このことを実験したサイトもあるのでぜひご覧下さい。

【参考リンク】

Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)|Nintendo Switch×ダンボール工作で新しい遊び方の発明!では、任天堂の横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」という考え方を紹介しました。

枯れた技術の水平思考|ニコニコ大百科

「枯れた技術」とは”最先端ではないが、すでに広く使われて、ノウハウも固まり不具合も出し尽くして安定して使える技術”のこと。「水平思考」とは”今まで無かった使い道を考える”ことである。

「枯れた技術の水平思考」というのは、最先端ではないけれども、すでに広く使われ、コストも低く、安定して使える技術である「枯れた技術」を使って、アイデアで新しい使い道を考えることです。

段ボール紙とペットボトルで作る電気がいらないクーラーがフェイクニュースだったとしても、このことには人々に訴えかける何かがあると思うんですよね。

電気が届いていない地域で暑さで倒れそうになる人々がいたとして、それを救うために電気のいらないクーラーがあったとしたら素晴らしいなと感じてしまうと思うのです。(たとえそれが不可能な方法だったとしても)

フェイクニュースだったとしても、そこで考えをストップすることなく、例えば、その地域にあるものだけで、電気を使わずに風通しの良い家づくりを考えたりするのは重要なことだと思います。

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■まとめ

問題解決するためのアプローチには様々な方法があると思いますが、「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」(著:スティーブン・ジョンソン)で紹介された保育器のエピソードが印象的です。

イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則

Steven Johnson:スティーブン ジョンソン「良いアイデアはどこで生まれる?」

(Jul 2010、TED)

詳しい内容はTED TALKを見てもらったり、本を読んでいただくことにして、大まかな内容をまとめると、次の通りです。

未熟児を暖めるための近代的な新生児用の保育器を使い、途上国における幼児死亡率が高いという問題を解決しようと、保育器を送るのですが、これには実は問題が2つありました。

一つは、4万ドルと高価なこと。

そして、もう一つは、修理ができないこと。

4万ドルの保育器をアフリカのある村に送って、数年は役になっても、修理をする部品もなければ、技術者もいないため、お金を送って解決できる問題でもなく、壊れたらそのまま放置されてしまうのです。

そこで、ティモシー・プレステロが考えたのは、途上国にあるもので新生児用の保育器を作るというアイデアです。

途上国では、車が走っており、また車をメンテナンスする技術者もいます。

そのアイデアを基に作ったのが、車の部品だけで作った新生児用の保育器です。

ヘッドライトを熱源として、バッテリーで動かします。

壊れた時には車の部品を入手すれば、修理をすることができます。

このエピソードで大事だと感じたのは、最先端のものだから問題解決するための素晴らしいアイデアというわけではなく、その問題を解決したい人たちにとって、最も最適なアイデアこそ素晴らしいアイデアだということです。

電力供給が難しい発展途上国と東京大学の図書館とでは、冷房がつけられないという問題は同じでも、状況は全く異なるため、問題解決のためには全く違うアプローチをとらないといけないかもしれません。

ただこうしたことに取り組むことがヒントになって、困っている人の問題が少しでも解決していくといいですね。







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