「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる血糖値の変化を検知して自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発|名古屋大学

「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる血糖値の変化を検知して自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発|#名古屋大学

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【目次】

■「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる血糖値の変化を検知して自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発|#名古屋大学

「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる血糖値の変化を検知して自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発|名古屋大学
「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる血糖値の変化を検知して自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発|名古屋大学

参考画像:「”エレクトロニクスフリー”な人工膵臓を開発」~血糖値の変化を検知して、自律的にインスリンを放出~(2017/11/24、名古屋大学ニュースリリース)|スクリーンショット

「”エレクトロニクスフリー”な人工膵臓を開発」~血糖値の変化を検知して、自律的にインスリンを放出~

(2017/11/24、名古屋大学ニュースリリース)

グルコースと可逆的に結合するボロン酸を高分子ゲルに科学的に組み込み、さらに、これを一本のカテーテルに搭載することで、皮下挿入が容易で、かつ「人工膵臓」機能を発揮する自律型のインスリン供給デバイスの開発に成功しました。

<中略>

連続的な血糖値検知と血糖値変動に応答した拡散制御(スマートゲル表面で形成される「スキン層」と呼ばれる含水率変化)からなるフィードバック機構によりインスリン供給が調整されます。

名古屋大医学環境医学研究所の菅波孝祥教授と田中都助教および東京医科歯科大学生体材料工学研究所の松元亮淳教授らを中心とする研究グループは、「エレクトロニクス(機械)フリー」かつ「タンパク質フリー」な仕組みによる人工膵臓デバイスを開発し、糖尿病モデルマウスでの安全性、治療効果、3週間以上の耐久性等を実証しました。

糖尿病におけるアンメットメディカルニーズ(低血糖の回避、血糖値スパイクの改善、患者負担の軽減)の解決に加え、「機械型」のものと比べて極めて安価かつ使用負担が軽減されることになるため、今後、臨床応用へ向けた開発的研究が期待されます。

このアプローチが実現すれば、これまで普及が困難だった発展途上国、高齢者、要介護者などにも新しい治療法が提供できる可能性がありそうです。

【補足】アンメットメディカルニーズとは?

アンメットメディカルニーズへの取り組み|日本製薬工業協会

アンメット・メディカル・ニーズとは、いまだ満たされていない医療ニーズ、つまり、いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズのことです。

アンメットメディカルニーズ(Unmet Medical Needs)とは、現時点では有効な治療法がない病気に対する医療ニーズのことだそうです。

【参考リンク】




■背景

近年、糖尿病に対するインスリン治療においてインスリンポンプの普及が進んでいますが、患者に及ぼす身体的・心理的負担や機械特有の補正・メンテナンスの必要性、医療経済上の問題など多くの課題があります。このため、エレクトロニクス(機械や電気)駆動を必要としない、自立型のインスリンポンプである「人工膵臓」の創出が強く求められています。従来、グルコースオキシダーゼやレクチン等のタンパク質を機材とする試みがなされてきましたが、生体由来材料の限界として、タンパク質変性に伴う不安定性や毒性が不可避であり、未だ実用化には至っていません。

「ウェアラブル人工すい臓」、機能ごとにモジュール化|インスリン治療を低コストにするアイデアとは?では、(1)血糖値モニタリング、(2)血糖値を下げるためのインスリン投与、(3)血糖値を上げるためのグルカゴン投与、の役割をそれぞれ持つ3つのモジュールを接続して使うことで「人工膵臓」になるというアイデアがありました。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学では、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しています。

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■まとめ

「Beyond Human 超人類の時代へ」(著:イブ・ヘロルド)では、人工心臓をはじめとする人工臓器(人工肝臓・人工肺・人工腎臓・人工膵臓)の研究について紹介されていて、最先端の医療テクノロジーにより、寿命が大幅に長くなる未来が描かれています。

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糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、治療に伴う経済的な負担や治療継続へのストレスから治療を続けていくことができないようですが、インスリン治療を手軽で、低コストにするこのデバイスによって、糖尿病治療が変わるかもしれません。







【参考リンク】

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