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■におい物質「オクタン酸」でインスリン分泌が促進され高血糖改善!新しい糖尿病治療薬となる可能性も|東北大
参考画像:におい物質で高血糖を改善‐新しい糖尿病治療薬の開発へ‐(2018/1/25、東北大学)|スクリーンショット
(2018/1/25、東北大学)
●鼻の神経でにおいを感じるために必要なタンパク質(嗅覚受容体)が、膵臓でインスリンを分泌する細胞(β細胞)にも存在していることを発見した。
●におい物質の一つであるオクタン酸をマウスに経口で投与すると、インスリンの分泌が促進され、高血糖が改善した。
●このマウスの嗅覚受容体に相当する嗅覚受容体がヒトの膵臓β細胞にも発現していることも確認され、この嗅覚受容体に作用する物質が、糖尿病の新しい治療薬となる可能性がある。
東北大学大学院 医学系研究科 糖尿病代謝内科学分野の山田哲也准教授、宗像 佑一郎医員、片桐秀樹教授らのグループは、同 医工学研究科 病態ナノシステム医工学分野の神崎 展准教授、大阪大学大学院医学系研究科 幹細胞制御学分野の宮崎純一教授らとの共同研究により、鼻の嗅覚神経で「におい」を感知することに役立っている「嗅覚受容体」が、ヒトやマウスなどで、膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)にも存在していることを発見しました。
さらに、「オクタン酸」というにおい物質が、この膵臓β細胞にある嗅覚受容体の一つ(Olfr15)によって感知されると、血糖値が高いときにだけインスリン分泌が促進し、血糖値が改善することがわかったそうです。
■まとめ
鼻の神経細胞移植でインスリン 糖尿病治療に可能性|産総研(2011/10/7)で紹介した産業技術総合研究所などの研究チームが行なったラットの実験によれば、鼻の奥にある神経幹細胞を採取してすい臓に移植すると、インスリンが生成し、血糖値が下がったという研究を紹介したことがあり、この時の研究のポイントは、自家細胞の移植であるので、他人の組織を移植した際に起きるような拒絶反応が起こることはなく、また、ドナー(臓器提供者)が不足するという問題もないことが期待されるというものだったのですが、実は鼻と膵臓には何らかの関係があったのかもしれませんね。
⇒ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら。
⇒ すい臓 について詳しくはこちら。
⇒ インスリン について詳しくはこちら。
【参考リンク】
- Yuichiro Munakata, Tetsuya Yamada, Junta Imai, Kei Takahashi, Sohei Tsukita, Yuta Shirai, Shinjiro Kodama, Yoichiro Asai, Takashi Sugisawa, Yumiko Chiba, Keizo Kaneko, Kenji Uno, Shojiro Sawada, Hiroyasu Hatakeyama, Makoto Kanzaki, Jun-ichi Miyazaki, Yoshitomo Oka and Hideki Katagiri Olfactory receptors are expressed in pancreatic β-cells and promote glucose-stimulated insulin secretion Scientific Reportsvolume 8, Article number: 1499 (2018) doi:10.1038/s41598-018-19765-5
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