ベンジャミン・ウォン|unsplash
よゐこチャンネルやよゐこさんが出演した「やすとものいたって真剣です」を見ると、小さいお店やブランドの生き残り方について新しい発見がたくさんあります。
1.フィードバック
よゐこチャンネルの有野さんと菊地さんのトークはトーク作りを学びたい人は必見!菊池さんが話すトークをどうしたら面白くなるかを有野さんが自然にアドバイスしてる。「自分のセンスの言葉に置き換えて」とか「自信がない時こそカメラに近寄って自信ありげに見せる」とか。
有野さんがお笑いのアドバイスするのって珍しいと思うんだけど、「どこでそんなテクニック学ぶんですか?」という質問に対して、「帰りしなにこうやったらおもろかったかなーをずーっと考えてる」「一年たった今も、あの時の~という時がある」と。
つまり、常に「フィードバック」を続けているということ。『「ユーザーフレンドリー」全史』では「フィードバック」の重要性が書かれてたけど、有野さんはまさにそのフィードバックを活かしてる人なんだなぁと思う。
以前よゐこチャンネルでよゐこさんの後輩の芸人さんがトークをする場面があり、有野さんがさりげなくどのようにしたら面白くなるかをアドバイスしている場面がありました。
それは、面白くできたかもしれない場面を考え続けること。
それは一年たったあの時の場面もこうしたらよかったんじゃないかと考えたりすることもあるのだとか。
つまり、常にフィードバックを繰り返しているんですね。
ある種お笑いというのは、仮説→検証→フィードバックの繰り返し。
【仮説】こういう場面ではこういうことを言ったら面白いだろう
【検証】実際にコメントする
【評価】ウケたかウケないか
【フィードバック】次こういう場面があったらこう言おう
人前での話のおもしろさは、自分の考えを整理することと話を披露する回数の掛け算。
いつでも話せる準備をしておくことの重要性。https://t.co/W0Y6U1OURE
あと大事なことはフィードバック。ラジオのパーソナリティの方は雑談で話をいったんおろして反応を試してからラジオでしゃべってた。
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) February 2, 2021
話が上手い人は最初から上手いわけじゃなくて、話が面白くなる行動をとっているんだと思う。無意識にネタを探したり、面白いネタがあったら話してみてその反応をみてフィードバックするという一連の行動。その回数が多いからこそ面白くなっていくんだと思う。
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) February 2, 2021
#さまぁ~ず論 あれだけ面白いさまぁ~ずさんであってもライブでネタをするときは最初のお客さんの反応を見て「自分たちはわかるけどお客さんには○○のことはわからないみたいだから説明を足そう」というふうに調整をして二日目に臨むそう。
https://t.co/eGMRyJBTx3— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) February 2, 2021
いつも面白いと思う人たちも最初から面白いわけではなく、ちょっと話してみて、この部分は自分たちにはわかってもお客さんにはわからないから少し説明を足そうというような調整をしている、つまりフィードバックを行なっています。
スポーツ界もフィードバックの重要性が広まっています。
考えていたことを実践してくれる人がいて実際に結果が出ているのはうれしい。https://t.co/2wtMiq06s6
ダルビッシュ投手が!青学陸上部が! 能力伸ばす“オープン・シェア革命” | NHK クローズアップ現代+ https://t.co/xKW3rSoc42
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) April 20, 2021
ダルビッシュ投手のアプローチはアーバンスポーツ的。選手の動き(の動画)を見て真似することで、誰かが誰かのコーチにいつの間にかなっています。上手くなるには、単純に時間をかければ上手くなるというわけではなく、目的意識をもってフィードバックをすることが重要です。https://t.co/2wtMiq06s6 pic.twitter.com/9Cfohh7Occ
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) April 20, 2021
トレバー・バウアー投手「共有しなければ、他人からフィードバックがもらえない。『こうじゃないのか?』という指摘や、『こうやってみたら?』という提案も得られない。共有をやめたら学ぶスピードが落ちる。それは損だと思う」https://t.co/xKW3rSoc42 pic.twitter.com/Lue4qKdfwn
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) April 20, 2021
ビジネスでもフィードバックはもちろん重要です。
テンセントの開発には「10/100/1000」ルールがあるhttps://t.co/mGSefb6B97
⚡️本家のモデルを完全にコピーした上でサービスをブラッシュアップ
⚡️毎月10人のユーザーにアンケート調査、リリース後にWeiboでの反応を100人分チェック、1000人の利用データを収集してフィードバック
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) April 28, 2020
例えばキリンホームタップ(会員制生ビールサービス)。「お客様主語」を実現するなら、「自宅で本格的な生ビールを楽しみたい」「在宅時間を充実させたい」というデータをもとに仮説を立て、リサーチをして、フィードバックして、よいもの・サービスを作り上げるということ。https://t.co/gPiTcsIN63 pic.twitter.com/JWruMYMd2T
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) March 4, 2021
これを実際にやるのはすごく大変。「リサーチ→仮説→プロトタイプ→リサーチ→フィードバック→」を繰り返していくことが必要になる中で、企業都合が入り込まないというのはすごく大変。DXでも顧客満足につながるデータを収集し続けることは非常に大変なことだろうし、でもやらないと次にいけない。
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) March 4, 2021
✅「本質的な価値は何か」を突き止めるため、かなりの時間をかけて、すべての商品データをつぶさに洗い出し
✅『定量調査』(何が良くて何が失敗だった)
✅徹底的な『定性調査』(お客様に直接会って、インタビュー)https://t.co/oiDNfnIYGf— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) March 4, 2021
✅競合他社を見て売り方を考えていると、お客様が求めている価値とは離れてしまう
✅商品群を縦軸と横軸に分けてプロットする、四象限マトリクスのマーケティング手法も否定
この分野に競合商品がなく空いているといいというのは、社内の書類を書くには都合がいい論理https://t.co/ZBZlqGd62N pic.twitter.com/qaETgKL2Ay
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) March 4, 2021
”山形氏が腹をくくるとき、「お客様の24時間を想像し、商品を手に取って買う絵が浮かぶ」という。浮かばないときはスーパーの飲料売り場に何時間でも立ち、観察する。”https://t.co/tF9yoKkcYV
→お客様を明確に浮かべ、その人が買いたくなる商品づくりをするためには、お客さんと向き合う時間が必要
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) March 4, 2021
2.大人を巻き込む力
よゐこチャンネルは当初少ないスタッフで始まりましたが、現在ではスタッフも多くなり、今ではよゐこチャンネルくじを展開するなど「おとな」も多く参加するチャンネルに成長しています。
■よゐこチャンネルのグッズ販売
それまでYouTubeチャンネルでは、どこかのブランドのスポンサー商品を紹介するというものがありましたが、よゐこチャンネルではチャンネル内で生まれたオリジナルのキャラクターのグッズを販売する形ができています。また、そのキャラクターをくじにする展開も行われています。
「消費者の企業化」https://t.co/MPa6M5e7Rz
✅おもちゃのように見える、軽量で、アクセスしやすい基本的な消費者製品からスタートし、消費者のビジネスが成長して収益を上げ始め、新しいニーズを開拓し始めると(インフルエンサーブランド、ポッドキャスター、ストリーマー)、追加の製品機能を提供— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) May 28, 2021
■二人の面白さを理解する人との出会い
以前あちこちオードリーで東野さんが「RPG論(いいディレクターに巡り合えるかどうか」について語っていたのですが、面白いのは誰もがわかっていても、その面白さを理解するディレクターに巡り合えるかどうかは運の要素が大きいというもの。
よゐこさんは大阪時代のディレクターに「一緒にロケしてて一日オモロかったけどどこを使っていいかわからへん」といわれたことがあるそうです。
「ツッコミがないから締まらない」
「ひとボケ出るまでにえらい尺かかるから全部切られる」
「よゐこの面白さを理解するディレクターに出会えないと難しいよ」
でもその二人の面白さを理解するディレクターに出会えたということは「RPG論」でいう運があったということなんですよね。
つまり、いろんなことにチャレンジをするためには「おとな」を巻き込む力が重要だということです。
よく「個人の時代」とインフルエンサーがいうことがありますが、これは個人一人で生きていく時代ではなく、実は個人の力を最大限に引き出し、チームで支えていく時代なんです。
3.自分たちの面白さに自信をもつ
「やすとものいたって真剣です」のトークの端々に見えたのはよゐこお二人の自分たちのお笑いに対する自信、確信があることです。
例えば、よゐこチャンネルといえば、長時間生配信スタイルなのですが、当時のYouTubeの常識は2、3分の尺でした。しかし、以前「チョコボールの金のエンゼルを出し続けるまで自腹で購入」という企画をした際に、「二人の中で長くカメラを回した方が面白いかも?」という発想があり、自分たちの得意なスタイルでチャレンジしたことに成功しました。
これまでの常識にとらわれず、自分たちの得意とするスタイルのお笑いへの確信があることが分かる場面でした。
これは小さなお店・ブランドに置き換えても同様で、世の中の常識に捉われすぎず、自分たちの得意とする形は何なのかを考え、そのスタイルを追求し、確信に置き換わるまでやることは大事なのではないでしょうか?
また、「やすとものいたって真剣です」の中では、後輩にほとんどの人が一位になれないM-1だけが答えじゃなくて、今の時代で世の中に出ていくならYouTubeで面白いことやればいいんじゃないかとアドバイスしたら、これって自分たちに当てはまると思ってよゐこさんがYouTubeを始めた話があったのですが、これも小さなお店・ブランドの生き残り方に通ずるものがありますよね。
世界中にいくつものブランドがありますが、世間へ出ていくためには、一つの道しかないわけではなくて、そのブランドなりの世間へのアプローチの仕方はいくつもあるということではないでしょうか?
■最後に
ここでもう一度有野さんが後輩の芸人さんにアドバイスしたことを思い出してみましょう。
「自分のセンスの言葉に置き換えて」
「自信がない時こそカメラに近寄って自信ありげに見せる」
他の芸人さんが使った言葉じゃなくて、オリジナリティのある自分のセンスの言葉を使うことの重要性を語っていたのですが、例え同じような商品でも、オリジナリティのある表現があれば、それはお客さんにとっては全く違った商品になるということなのだと思います。
マーケティングをやりすぎると、なぜか同じようなクリエイティブが世間に溢れますが、それは「自分のセンスの言葉に置き換える」という努力が足りていない証拠なのかもしれません。
もっと自分なりのセンスを磨きたいですね。
そして「自信がない時こそカメラに近寄って自信ありげに見せる」ことも時には必要なテクニックかもよ。