ゲッターズ飯田 4回目の手術を報告…「また数年後にはできると」「毎日2リットル飲んでいたのに」(2026年7月2日、スポーツ報知)によれば、ゲッターズ飯田さんは尿路結石(1.3mmと2mmの2つの石)のために4回目の手術を受けたそうです。
この記事の中で気になったのが、
「4月の論文で尿路結石には水は関係ないと そんなに飲んでも飲まなくてもほぼ関係ないと 最近論文で出てみたい」
という部分です。
この論文について調べてみました。
【参考文献】
- Desai AC, Maalouf NM, Harper JD, Sivalingam S, Lieske JC, Lai HH, Reese PP, Wessells H, Yang H, Al-Khalidi HR, Kirkali Z, Tasian GE, Scales CD Jr; Urinary Stone Disease Network Investigators. Prevention of urinary stones with hydration: a randomised clinical trial of an adherence intervention. Lancet. 2026 Mar 21;407(10534):1171-1181. doi: 10.1016/S0140-6736(25)02637-6. PMID: 41864748; PMCID: PMC13043023.
■背景
これまでの常識では、腎結石などの尿路結石は尿が濃くなることできやすくなることから、長年1日2-2.5リットル以上の尿量を目指して水分をたくさん摂取することが再発予防の基本として広く推奨されてきました。
■結果
水分摂取を強く促す行動介入(目標設定+コーチング+テキスト通知+達成時の報酬など)しても再発予防効果は限定的。
■疑問
1)水分摂取自体が尿路結石に役立たないのか?
研究者たちは「水分摂取の重要性を否定するものではない」と強調しています。
理論的には尿を薄めて結晶形成を防ぐ効果は理にかなっており、過去の小規模研究でも支持されていました。
ただ、「十分な量(2.5L以上の尿量)」を長期間維持できなければ効果が出にくいという現実が浮き彫りになった形です。
2)行動介入しても行動変容が起きなかったのか?
行動介入をすることで一部は行動変容が起きています。それは尿量の増加で証明されています。しかし、十分ではなく、強力な支援(コーチング・報酬・通知・スマートボトルなど)を使っても、日常的に2.5L超の尿量を持続的に達成するのは極めて難しかったということです。
アドヒアランス(患者が自身の病気や治療方針について十分に理解し、納得した上で、自ら主体的に治療(服薬や生活習慣の改善など)に取り組むこと)の壁が大きいことがわかります。
3)水分摂取増加が尿量増加に直接つながらなかったのか?
水分摂取の増加が尿量の増加につながりましたが、十分ではなかったようです。
また飲む量が増えても、汗・気候・生活習慣などで尿量への反映が限定的だった可能性があります。
■まとめ
この研究のポイントは、1)尿路結石の再発防止には水分摂取をすることが大事だが、それを継続するのが難しいこと、2)行動介入をしても実際に行動変容するのは難しく、結果としても尿量の微増止まりで再発防止にならなかったこと、3)水分摂取だけでなく、食塩の制限、食事内容の見直し、薬物療法などの組み合わせも検討が必要なこと。
水分摂取 → 尿路結石の再発防止となれば、簡単なアドバイスになるのですが、水分摂取以外にも生活習慣の改善が必要であることから行動変容を促すことの難しさ、強力に介入しても効果は限定的であることから、ではどのようにしたら再発防止できるのかがわからないというのが一番の問題点ではないかなと思います。
ゲッターズ飯田さんの「毎日2リットル飲んでいたのに再発した」という経験は、今回の研究で示された課題を象徴しています。
水分摂取自体は尿路結石予防に間違いなく重要ですが、毎日2Lの水を飲んでいたからといって、必ずしも「十分な尿量(2.5L以上)」につながるとは限らず、個人差(汗の量、気候、生活習慣、代謝など)も大きいため、「水を飲んでいたのに再発した」というケースは少なくありません。
●行動変容を促しても、日常的に目標尿量を持続するのは困難。
●水だけに頼るのではなく、食塩制限・食事バランス(シュウ酸・カルシウムなど)・必要に応じた薬物療法との組み合わせが重要。
●何が「足りなかった」のかは個人によって異なるため、24時間尿検査などで自分に合った対策を専門医と相談するのが現実的です。
■補足
結石対策|尿路結石予防に抗酸化物質を摂取してオステオポンチンの働きを抑制しよう|#ためしてガッテン(#NHK)によれば、尿が酸性化していると結石ができやすいそうです。
肉食中心の食生活をしていると、尿が強い「酸性」に傾き、結晶の原因になるそうです。
リトマス試験紙で、phが5.5.以下が3日以上続く場合は、結石ができやすい生活習慣だと考えられるため、食生活など生活習慣の改善が必要。
●「結晶」を固めて「結石」へと成長させているのは、「オステオポンチン」。
オステオポンチンは、腎臓の細胞がシュウ酸の攻撃に反応して出す物質なのだそうで、シュウ酸は体にとって猛毒であるため、オステオポンチンがシュウ酸カルシウムとして固めていることで体を守っていると考えられるのですが、このオステオポンチンが働きすぎると、結石となってしまうそうです。
お茶や青魚、ブルーベリー、大豆、かぼちゃ、にんじんなどに含まれる「抗酸化物質」を摂取することで、オステオポンチンの働きを抑制できるそうです。
→ 抗酸化作用・抗酸化物質を含む食品 について詳しくはこちら
●また、肉や卵などの尿を酸性にする食品を多く摂取していると、尿中の結晶が増え結石のリスクが高まるので、野菜や海藻類、果物などを摂取して、バランスの良い食事に改善することによって結石のリスクは減るそうです。
●コレステロールを多く含む食品は結石の原因となるので気をつけましょう。
→ コレステロール について詳しくはこちら
●結晶の材料である「シュウ酸」を含む食品や「プリン体」を含む食品の過剰な摂取も避けた方がよいそうです。
→ 腎臓結石・シュウ酸を含む食品 について詳しくはこちら
→ プリン体を多く含む食品 について詳しくはこちら
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
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