アトピー患者さんに朗報!?牛脂石けんが黄色ブドウ球菌を優先的に減らす研究結果




牛乳石鹸共進社が発表した研究成果によれば、石けん素地(脂肪酸ナトリウム)の種類や組成によって、善玉菌(表皮ブドウ球菌)より悪玉菌(黄色ブドウ球菌)を優先的に減らす傾向があることがわかりました。特に牛脂由来の組成でその傾向が確認されました。

■背景

肌にはいろいろな細菌が住んでいます。

そのバランスが崩れると、肌トラブルにつながることがあります。

表皮ブドウ球菌:いわゆる「善玉菌」。肌を健やかに保つのに役立つとされる菌。
黄色ブドウ球菌:いわゆる「悪玉菌」。アトピー性皮膚炎などとの関連が指摘される菌。

石けんは汚れを落とすだけでなく、洗うときにこれらの菌と直接触れます。

そこで、石けんの主成分である「脂肪酸ナトリウム」(油脂をアルカリで処理してできる成分)が、肌に住む細菌(皮ふ常在菌)にどのような影響を与えるかを調べました。

■結果

●カプリン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどは、善玉菌(表皮ブドウ球菌)より悪玉菌(黄色ブドウ球菌)を優先的に減らす傾向がありました。

●ラウリン酸ナトリウムは両方の菌に殺菌作用を示しました。

●牛脂を原料にした石けんに多い脂肪酸の組み合わせ(特にオレイン酸ナトリウムが多い組成)では、善玉菌をあまり減らしにくく、悪玉菌を優先的に減らす傾向が確認されました。

●一般的な界面活性剤(合成洗剤の成分)との違い

比較した一般的な界面活性剤では、同じ条件で明確な殺菌作用はほとんど見られなかったことから、この「善玉菌を残しつつ悪玉菌を狙うような選択的な作用」は、石けん素地(脂肪酸ナトリウム)に特徴的な性質の可能性が高い。

■まとめ

牛脂ベースの石けんは、悪玉菌を優先的に抑えつつ善玉菌へのダメージを抑えやすい傾向があることがわかりました。

【アトピー患者の約70%に見られる黄色ブドウ球菌】肌が弱いから菌が増える?それとも菌が肌を悪くする?アトピーと黄色ブドウ球菌の本当の関係で紹介した「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024」によれば、アトピー性皮膚炎患者の病変部皮膚では、健常者の皮膚と比較して黄色ブドウ球菌が高頻度に分離されることが古くから知られています。

また「肌が弱いから菌がつく」がベースにあり、そこに「菌がついてさらに肌を悪くする」が重なっています。

そのため、対策のためには、「肌を守る(保湿+適切な清潔+炎症コントロール)」ことが大事なんですね。

アトピー性皮膚炎患者さんにとって、牛脂ベースの石けんで悪玉菌を優先的に抑えられる可能性が示されたのは、今後の選択肢として期待できる結果と言えそうです。

ただし、実際の肌での効果や使い方については、さらに検証が必要です。

→ アトピー性皮膚炎とは|アトピーの症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







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