2026年11月5日放送のNHK「あしたが変わるトリセツショー」のテーマは「こんにゃくのトリセツ」。
こんにゃくというと、
・栄養がなさそう
・味がしみにくい
・レパートリーが少ない
・メイン料理になりにくい
といったイメージがあります。
ところが今回の番組を見てみると、こんにゃくは「栄養がない脇役」ではなく、食物繊維を含み、調理方法によって味のしみ方や食感まで大きく変わる面白い食材だということが見えてきました。
■家庭でこんにゃくを食べる量が減っている
番組では、家庭でのこんにゃくの消費量が減っていることが紹介されました。
一方、こんにゃく芋は収穫まで約3年かかり、栽培や加工にも手間がかかります。
「栄養がない」「味がない」「料理のレパートリーが少ない」と思われて、家庭では脇役になっているこんにゃく。
そこで番組では、こんにゃくの魅力を改めて見直していました。
■「こんにゃくには栄養がない」は本当?
番組で注目されたのが、こんにゃくの食物繊維です。
こんにゃくはそのほとんどが水分なので、「栄養がない食べ物」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、市販の板こんにゃくは100gあたり5~8kcal程度と非常に低エネルギーである一方、精粉こんにゃくで食物繊維約2.2g、生いもこんにゃくでは約3.0g含まれます。板こんにゃく1枚を250g程度とすると、約5.5~7.5gの食物繊維を摂れる計算になります。
■グルコマンナンについて少し補足
こんにゃく芋の代表的な成分として知られているのがグルコマンナンです。
グルコマンナンは、マンノースとグルコースからなる多糖類で、水を吸収してゲルを形成する特徴があります。
ここは少し注意したいところです。
原料段階のグルコマンナンは水溶性食物繊維ですが、一般的な板こんにゃくは水酸化カルシウムなどの凝固剤を加えて固めて作ります。そのため、「グルコマンナン=水溶性食物繊維だから、板こんにゃくもそのまま水溶性食物繊維」と考えるのは正確ではありません。 市販の板こんにゃくでは食物繊維の性質が変わり、主に不溶性として扱われています。
つまり、「こんにゃくには栄養がない」というより、低エネルギーで、食物繊維を摂ることのできる食品と考える方がよさそうです。
たんぱく質や脂質、ビタミンなどを豊富に摂る食品ではないので、こんにゃくだけで必要な栄養をまかなえるわけではありません。食事の中での役割が違うと考えるとわかりやすいですね。
■味がしみないこんにゃくには「からいり」
■
今回、家庭でもすぐ試せそうだったのが「からいり(空炒り)」です。
油を使わず、こんにゃくを数分炒ります。
こんにゃくから水分が出て、「キューッ」という音がしてくるのが目安。
その後で味付けすると、味がなじみやすくなります。
ポイントは、最初から油を使わないこと。
油で表面をコーティングする前に、まずこんにゃくだけをからいりします。
番組では山形の玉こんにゃくの調理法が紹介され、しらたきなどにも応用していました。
いつもの煮物でも、こんにゃくを切る → からいりする → 味付けするというひと手間を加えるだけなので試しやすいですね。
昔から料理をしている人にとっては当たり前のひと手間かもしれませんが、昔ながらの調理法にはちゃんと意味があったというのも面白いところです。
→ かみなりこんにゃくの作り方/こんにゃくの常備菜レシピ/ばあちゃんの料理教室
■こんにゃくが「もちもち」に? 番組開発の「こんもっち」
もう一つ面白かったのが、番組で紹介された「こんもっち」。
こんにゃくを細かくして片栗粉を加え、電子レンジで加熱すると、「もちもち・のびのび」とした食感に変身します。
基本は、
板こんにゃく 250g
片栗粉 大さじ2
こんにゃくをサイコロ状に切って細かくし、片栗粉と混ぜて電子レンジで加熱します。
番組では、
・もちもちこんにゃくドーナツ
・タピオカ風ミルクティー
・もちもちもなか
・蒸し春巻き
・「こんにョッキ」
などにも展開していました。
ここは今回の特集でも特に興味深いところでした。
「こんにゃくを何の料理に入れるか」ではなく、「こんにゃくの食感そのものを料理の素材として利用する」発想になっています。
こんにゃく由来のグルコマンナン自体、水を取り込んでゲルを形成する特徴を持つ多糖類です。こんにゃく独特の食感を生み出す性質については研究も行われています。
「こんにゃく=煮物」という固定観念を外すと、一気にレパートリーが広がります。
■こんにゃくは時代ごとに再発見されてきた
番組では、こんにゃくが昔からさまざまな形で見直されてきたことも紹介されました。
江戸時代には「砂おろし」とも呼ばれ、戦後には腹持ちのよい食品として注目され、平成にはこんにゃくゼリーがブームになりました。
そして令和では、「低カロリーだから食べる」だけではなく、「もちもち食感を楽しむ食材」へ。
そんな新しいこんにゃくの楽しみ方が出てきているのかもしれません。
「健康にいいから食べる」だけではない、こんにゃくの面白さ
こんにゃくというと、
・「低カロリー」
・「ダイエット」
・「食物繊維」
といった健康面が注目されがちです。
もちろん、それもこんにゃくの特徴です。
でも今回の「あしたが変わるトリセツショー」を見て、もっと面白いと思ったのは、「こんにゃくは調理方法によって性格が変わる食材だった」ということです。
からいりすれば、味がなじみやすくなる。
細かくして片栗粉と組み合わせれば、もちもち食感を楽しめる。
もちろん、昔ながらの煮物やかみなりこんにゃくにしてもおいしい。
つまり、「こんにゃく=脇役の煮物食材」と思い込んでいたけれど、実は使い方次第でかなり面白い食材だった。
これが今回の番組での「こんにゃく再発見」だったのではないでしょうか。
■こんにゃくを使ったHAKURAIDOUのレシピ
HAKURAIDOUでも、これまでいろいろなこんにゃく料理を紹介しています。
かみなりこんにゃくの作り方/こんにゃくの常備菜レシピ/ばあちゃんの料理教室
ばあちゃん直伝!舞茸とこんにゃくの煮物の作り方(材料・手順・コツ付き)・レシピ/10年後の体をつくる、ばあちゃんの整える煮物/ばあちゃんの料理教室こんにゃくでダイエット|低カロリーで満腹感を味わうことができ、食事を改善できたことから、体重・コレステロール値・血糖値が下がる|ためしてガッテン(NHK)さつま揚げとこんにゃくの煮物の作り方・レシピ/ばあちゃんの料理教室
昔ながらのこんにゃく料理と、今回紹介された新しい食べ方。
両方を試してみると、こんにゃくという食材をもう一度見直すきっかけになりそうですね。
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