by Ben Grey (画像:Creative Commons)
内田篤人の孤独な戦い。歩くのも辛い現状、日本屈指の右SBが挑むサッカー人生を懸けたリハビリ
(2016/5/30、フットボールチャンネル)
内田篤人選手は2014年2月9日のハノーファー戦で右大腿部を負傷後満足のいくプレーができておらず、2015年3月10日のチャンピオンズリーグ(CL)レアル・マドリー戦を最後に公式戦を遠ざかっています。
2015年7月の右ひざ手術後も長いリハビリを続けていますが、現時点でも復帰できていません。
その理由は、右ひざ手術が失敗したからではなく、手術した部分の周りに痛みがあるからなのだそうです。
「今はひざの手術したところが痛いんじゃなくて、その周りなんです。日常生活の痛みもまだしっかり足を踏み込んだりっていうのがないとあります。筋力をつけるのも、刺激が入ってないと難しいかなと。ずっと試合やってきたのが蓄積されて姿勢やひざに負荷が来たんで。
このケガで苦労してるスポーツ選手はすごく多いんだけど、僕の場合は(患部が)骨化した。そういうケースはなかなかないんです。
これまでの負担が蓄積されたものが今出ているというのが現状のようですね。
そこで、現在内田篤人選手は、サッカーの動作に必要な「歩く」「走る」という動作を見直すところから始めているそうです。
ゆっくりと走った姿を前から動画撮影し、それを何度も本人と確認しながら修正を図る場面が見受けられた。体のバランスが崩れ、右ひざに負担が集中するようになってしまったからこそ、こうした矯正が必要なのだろう。
身体の動かし方、身体のバランスを整えるという基礎の部分から始めるという話は、フィギュアスケート金メダリスト羽生結弦選手が自分の上限を伸ばすために、基礎を鍛え直していることにつながるように感じます。
——オーサーコーチの方針で基礎からやり直していますね。
まだ全部やり切れていないです。でも今までと違って、毎日スケーティングしたいな、と自分から思うようになりました。ターンとかストローク(前に滑る)だけでも、受けている風の感触とか、氷を押している感じが心地良いんです。あとグッと伸びる瞬間とかも出てきました。それにジャンプに余裕が出てきたのも、基礎の影響です。重心がしっかりしていれば助走が安定して、ジャンプの安定につながっている。それは自分にとって大きなメリットです。だからしっかり練習して感覚を身に付けたいです。
選手寿命が短いサッカー選手にとって1年、2年というのは、普通の人にとっての10年以上の価値があるものでしょう。
ただ、ここで焦ってしまっては、またケガを繰り返すだけだと内田篤人選手も理解しています。
羽生結弦選手のように基礎から始めることでこれまでできていなかったことができたり、見えなかった世界が見えてくるということもあるのではないでしょうか。
内田選手ほどのキャリアがあれば、やろうと思えば無理に復帰はできるのでしょうが、これまで以上の活躍をするという「復活」はできないでしょう。
今はしっかり治療して、基礎をしっかりと見直す時間にしてもらい、私たちは、内田篤人選手の「完全復活」を期待して待ちたいと思います。
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【追記(2016/10/5)】
内田、引退は回避か。検査で症状の改善確認され、ボールを使った練習も実施
(2016/10/5、フットボールチャンネル)
内田は今後の治療方針や復帰へのプロセスを決めるため、4日にMRI検査で右ひざの状態を確認した。その結果、先月の検査に比べ「満足な結果」が得られ、症状に改善が見られたという。
シャルケがクラブ公式サイト上で行なった検査結果によれば、右ひざの状態は症状に改善が見られたそうで、今後は徐々に強度を上げながらボールを使ったトレーニングを続けていくそうです。
内田篤人がついに復帰! 途中出場で約1年9カ月の負傷離脱に終止符
(2016/12/9、SOCCER KING)
ベンチスタートとなった内田だが、84分に途中出場し、2015年3月以来となる約1年9カ月ぶりの復帰を果たした。
1年9か月ぶりの復帰というのは本人にとってどんな思いがあったのでしょうか?
ぜひ本人のインタビューを聞いてみたいです。
【追記(2017/10/26)】
【LINE NEWS 独占インタビュー】
「一番太いじん帯、そこが骨化していく」内田篤人が語った苦闘の2年https://t.co/S8Xkx0r1q7 pic.twitter.com/qVdNGwa8O6— LINE NEWS (@news_line_me) 2017年10月26日
【参考リンク】
- 「一番太いじん帯、そこが骨化していく」内田篤人が語った苦闘の2年(2017/10/26、LINE NEWS)