> 健康・美容チェック > 目の病気 > 緑内障 > 緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコン
【目次】
- 緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコン
- 【背景】緑内障治療における問題点
- 分類を行なう新手法とは?
- 篩状板(しじょうばん)の厚みが緑内障の新しい診断基準となる可能性がある
- まとめ
■緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコン
by Convergència Democràtica de Catalunya(画像:Creative Commons)
(2016/8/25、マイナビニュース)
今回、同研究グループが開発したソフトウェアは、スウェプトソース光断層計(OCT)で3次元眼底撮像した視神経乳頭形状の精密な計測値を用いて、自動で緑内障の危険因子の4分類を行うというもの。多様な病因や進行形態をとる緑内障診療において、全国で標準化された緑内障病態の細分化や治療の個別化につながることが期待される。
東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授はトプコンと共同で、緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発したそうです。
■【背景】緑内障治療における問題点
(2016/8/25、マイナビニュース)
緑内障においては眼圧が最も重要な危険因子となるが、眼血流や近視、血管の攣縮(スパスム)などが原因で緑内障が悪化することも知られている。眼圧以外の因子が緑内障に与える悪影響が大きいと、緑内障の主な治療法である眼圧下降治療だけでは緑内障の進行を食い止めることが困難になる。
緑内障の治療は、スパスム、近視、血流障害といった、眼圧以外の危険因子と眼圧を反映した4つのグループに緑内障を分類することで効率化が図れるが、その分類方法は検者の熟練を要し、また主観的な要素が大きく、一般の診療所では分類が難しいことが問題となっていた。
(2016/8/27、ニュースイッチ)
緑内障は、眼圧の上昇による視神経の障害が重要な病因の一つとされる。一方で血流障害や近視、血管のけいれんといった要因も、緑内障の悪化に関わることが知られている。眼圧上昇、血流障害、近視、血管のけいれんの4要因のうち、どの要因が強く影響しているかによって、視神経乳頭の拡大したへこみの形状に違いが現れる。
緑内障のリスク要因としては、眼圧の上昇による視神経の障害が主な要因ですが、その他にも、血流障害、近視、血管の痙攣(スパスム)なども緑内障の悪化に関わっており、どの要因が影響しているかによって治療法も異なってきます。
視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっていました。
今回、分類作業が自動化したことにより、経験の浅い医師でもできるようになり、また、標準化することによって、適切な治療を選択できるようになることが期待されます。
■分類を行なう新手法とは?
新手法は、眼球の網膜と脳をつなぐ視神経のうち、眼球側のつなぎ目部分「視神経乳頭」の形状を測定する。視神経乳頭は中心部がへこんでおり、視神経に障害が起きるとへこみが拡大する。
視神経乳頭は中心部がへこんでおり、視神経に障害が起きるとへこみが拡大するのですが、今回の新手法は、眼球の奥深くまで高精細に撮影できる3次元撮影装置を用いて、眼球側のつなぎ目部分「視神経乳頭」の形状を測定し、自動で緑内障の危険因子の4分類を行うというものです。
■篩状板の厚みが緑内障の新しい診断基準となる可能性がある
眼球内の篩状板(しじょうばん)の厚みを測定することに成功 緑内障の新しい診断基準の可能性
(2015/4/16、トプコン)
視神経が眼球に入る篩状板(しじょうばん)と呼ばれる部分の厚さの測定に成功し、緑内障の患者では健常者よりも篩状板が薄くなっていることを明らかにしました。
スウェプトソースOCTは、「篩状板(しじょうばん)」を眼球を傷つけることなしに観察することが可能になり、また、緑内障眼では篩状板が菲薄化(ひはくか、薄くなること)していることがわかったことにより、篩状板の厚みが緑内障の新しい診断基準となる可能性があるそうです。
参考画像:図1.眼球後方にある篩状板は視神経の支持的な役割をしている。視神経の障害により緑内障は視野障害を生じる。|トプコン
参考画像:図2.篩状板の描出と緑内障性変化|トプコン
■まとめ
緑内障の分類が標準化されることで、適切な治療・個別化治療ができるようになることが期待されます。
→ 緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら
【参考リンク】
- 世界初:緑内障分類の自動化方法の開発‐多様な緑内障病態の細分化、個別化医療への足がかりへ‐|PDF(2016/8/22、東北大学)
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