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■コレステロールを下げる医療を推進する他の学会に対して、ガイドラインを改めるように緊急提言-日本脂質栄養学会
by Doug Wheller(画像:Creative Commons)
コレステロール下げる医療推進のガイドライン改めるよう緊急提言
(2014/8/28、FNN)
日本脂質栄養学会は、コレステロールを下げる医療を推進するほかの学会に対して、ガイドラインを改めるように緊急提言をした。
提言では、「コレステロール値を上限未満に保とうとする医療には根拠がなく、コレステロールを下げるための投薬こそ、心不全など多くの副作用を引き起こす」と主張していて、コレステロールの上限値などを定めている、日本動脈硬化学会に対して、ガイドラインを改めるように緊急提言した。
以前日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康な人であっても、性別や年齢によっても基準値を超えてしまうことがあり、現在使われている基準値は厳しすぎるとの研究結果をまとめ、健康診断の新たな基準範囲を発表したことが話題になりました。
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今回、脂質栄養学会はコレステロールの上限値を決めることは良くなく、コレステロールを下げるための投薬こそが健康にとって良くないと、コレステロールの上限値を定めているその他の学会のガイドラインを改めるように提言を行いました。
以前紹介した高コレステロール=長寿、脂質栄養学会が指針(2010年)によれば、脂質栄養学会は、高コレステロールの方が長生き(コレステロールが高いほど死亡率が低かったとの大規模研究)であることやコレステロールを下げる薬を服用しても心臓病の予防効果は見られないとする海外の近年の研究から指針をまとめていました。
■コレステロールは体にとって必要な栄養
コレステロールに関しては、あまりにも悪者というイメージがつきすぎている印象がありますが、コレステロールは細胞膜を作る原料であったり、筋肉を作るホルモンの材料であり、体にとって欠かせないものです。
高コレステロールは健康にいい?悪い?でも書きましたが、若い女性の中には、ダイエットのために、動物性食品や油脂類を摂取することを過剰に避けたりする人もおり、また高齢者になると自然と動物性たんぱく質や油脂をとらない食事をしてしまい、低栄養になってしまう人がいるようです。
コレステロールは全く必要ないものではなく、体にとって必要な栄養です。
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3 お肉を食べよう
動物性食品や油脂類を摂ることにより、コレステロール値が上昇すると心配する人が多いようですが、血清コレステロール(血液中のコレステロールの濃度)は加齢に伴って自然と減少するため、高齢者が動物性たんぱく質や油脂をあまり摂らずにいると、栄養状態は悪くなってしまいます。
高齢者における総死亡(全死因)の危険率と血清コレステロールの関係をみると、75歳以上の女性では、コレステロール値の低い群ほど総死亡危険率が高く、男性ではコレステロール値と総死亡危険率は無関係でした。
高齢期でも、コレステロールを摂取することがとても大切です。
ですから、これからは、単独の数値だけをみるのではなく、悪玉コレステロールと善玉コレステロールの比率のLH比のようなバランスでみるような提案をしてみてはどうでしょうか。
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LH比が注目を集めるようになってきたのは、最近の研究で、LDLコレステロールが140未満の人でも心筋梗塞になるケースがあり、またHDLコレステロールが高い人でもまれに動脈硬化を起こすこともわかってきたからです。
つまり、これまで推奨されてきた基準値内でも動脈硬化になる可能性があり、新たな診断基準が必要になってきたということです。
そこで、注目されたのが、「LH比」です。
LH比は、「LDL(悪玉コレステロール)」÷「HDL(善玉コレステロール)」で求められます。
2・0以下が基準値で、それ以上は動脈硬化を起こしやすくなり、2.5以上になると、心筋梗塞などのリスクが急増します。
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