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「アディポネクチン」の受容体たんぱく質の立体構造を解明|糖尿病新薬の手がかりに―理研・東大




立体構造解明、糖尿病新薬も=善玉ホルモンの受容体―理研・東大

(2015/4/9、時事通信)

脂肪細胞が分泌する善玉ホルモン「アディポネクチン」の受容体たんぱく質の立体構造を解明したと、理化学研究所の横山茂之上席研究員や東京大医学部付属病院の門脇孝教授らが9日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

アディポネクチンの受容体たんぱく質の立体構造を解明したことにより、糖尿病の予防薬・治療薬を開発する手掛かりになるそうです。

アディポネクチン』とは、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンで、糖尿病動脈硬化症などを予防する効果があるといわれており、近年注目されています。

糖尿病の新薬を待ち望んでいる人は多いと思いますので、今後も注目ですね。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら







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首から下がマヒした患者の頭部と脳死と判定された人の体に移植する手術が計画されている!?




人間の頭部移植、2年以内にも実施? イタリアの医師が計画

(2015/4/6、CNN)

首から下がまひした患者の頭部を切り離し、脳死と判定された他人の体に移植する――。

<中略>

イタリアのセルジオ・カナベーロ医師が検討しているのは、頭部を別の人体に付け替える「HEAVEN(Head Anastomosis Venture)」と呼ばれる手術。

首から下がマヒした患者の頭部と脳死と判定された人の体に移植するというまるでSFの世界のような手術を検討している医師がいるそうです。

1970年に米ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学校で行われたサルの頭部移植手術や71年にサル6匹の頭部を移植した別の実験では、成功していないそうですが、カナベーロ医師は医療や科学の進歩によって問題は克服できると主張しています。

しかし、もちろんこの主張に対して反対する医師もいます。

こんなことができるまで医療や科学は進歩したのかもしれないと驚きがある反面、はたして頭部を別の人の体に移植するということは許されることなのかと思う気持ちもあります。

医療や科学が進歩すればするほど、こうした問題に直面していくことになるでしょう。







NOTE(自然開口部経管腔的内視鏡手術)とは・メリット・デメリット

Medical Simulation

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




「神の手」のかわりにロボット。「外科医」ではなく内科医。変わる外科治療 – 世界をリード! 日本の超・先端医療全ガイド

(2015/3/29、プレジデントオンライン)

■NOTE(自然開口部経管腔的内視鏡手術)とは

口や肛門、膣など人体の「穴」を経由して特殊な内視鏡を差し入れて手術をする方法

NOTEは、体の表面を傷つけることない手術方法であるため、術後の合併症を最小限に抑えることができるそうです。

■NOTEのメリット

最大の利点は体表面に一つも傷ができないという点だ。手術跡が残らない術式が確立できれば、手術への心理的なハードルが下がるほか、がん患者の生活の質の向上が期待できる。

体の表面を傷つけずに手術することで術後の合併症を最小限に抑えることが出来るだけではありません。

体の表面を傷つけないということは、言い換えると、傷跡が残らないということであり、患者にとっては手術に対する心理的なハードルが下がることが期待できます。

■NOTEのデメリット

NOTESの欠点は、不潔な消化管経由で内視鏡を入れるため感染症のリスクが高くなること、それに他臓器にアプローチする際、胃や食道の壁の切開と縫合が必要になる点だ。手術時間も通常の腹腔鏡手術より長い。

デメリットをまとめます。

  • 不潔な消化管経由で内視鏡を入れるため感染症のリスクが高くなる
  • 他臓器にアプローチする際には、胃や食道の壁の切開と縫合が必要になる
  • 手術時間も通常の腹腔鏡手術より長い

■まとめ

これからの技術であることから、現段階では腹腔鏡手術との併用をした形で普及していくと思われます。

将来的には、患者のQOLに合わせて手術方法が選択できるようになっていきそうです。







体内で溶ける外科手術向けクリップ開発|神戸大

Medical/Surgical Operative Photography

by Phalinn Ooi(画像:Creative Commons)




神戸大、体内で溶ける外科手術向けクリップ開発-生体安全性高く、画像診断容易に

(2015/3/24、日刊工業新聞)

神戸大学大学院工学研究科の向井敏司教授は、体内で溶ける外科手術用金属製クリップを開発した。従来のチタン製が生涯体内に残るのに対し、体内の水分によって分解・消滅するため、クリップの胆管内迷入などの心配がなく、手術後のコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴断層撮影装置(MRI)による画像診断を容易にする。マウスの実験では、血中濃度や肝機能に異常なく生体安全性が高いことを確認した。

神戸大学大学院工学研究科の向井敏司教授は、体内で溶ける外科手術用金属製クリップを開発したそうです。

度々目にしてきた手術に関するものが体内に置き忘れていたといった問題も、そもそも生体に置き忘れたとしても健康に影響がないものが使われれば問題がないわけですから、こうした開発はますます重要になってきそうです。







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グーグル、手術支援外科手術ロボット開発でジョンソン・エンド・ジョンソン傘下のエチコンと提携

stethoscope

by Jasleen Kaur(画像:Creative Commons)




グーグル、外科手術ロボット開発でジョンソン・エンド・ジョンソンと提携

(2015/3/30、CNET)

GoogleはJohnson & Johnson傘下の医療機器会社Ethiconと提携し、手術室での支援を目的とした外科手術ロボットを共同開発する。

グーグルはジョンソン&ジョンソン傘下のエチコンと提携して、外科手術支援ロボットの共同開発を行うそうです。

それにしても、なぜ、Googleがこの分野に興味を持ったのでしょうか。

ヒントはこの記事に書かれている以下の箇所にありそうです。

Googleのライフサイエンスチームはその後のコメントで、「外科医の目視情報を向上させるリアルタイムの画像解析機能を開発できる可能性がある。ソフトウェアによって、裸眼では確認しにくい血管や神経、腫瘍境界を明確化できる可能性がある」ことを示唆した。

Googleのコンピュータサイエンスと画像処理に関する専門技術が医療技術の向上に役立ち、そのことが外科医と患者の負担を軽くすることにつながることが期待されます。

■手術支援ロボットについて

宇山一朗|ロボット手術「ダヴィンチ」の普及拡大に貢献|情熱大陸 9月28日で紹介されたロボット手術のメリットは、ロボットは関節が多く手ぶれも防止できるため、より安全な手術が実現でき、また、手術後の合併症発生率は5分の1ということで、今後は、胃がん、前立腺がん、がん、食道がん、肝臓がんすい臓がんにも使われていくようです。

ただ、ロボット手術にも問題点はあるようです。

「神戸医療イノベーションフォーラム2015 #KMIF」から学ぶ未来の医療・健康のヒントによれば、手術支援ロボットシステムのダヴィンチには触った感触がないという課題があり、それを空気圧駆動で感触を操作者の手に伝える技術が開発されているそうです。

触覚フィードバック技術によって、医療はますます進歩していくと思います。







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