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Deepmind、アメリカ退役軍人省(VA)との提携|約70万人分のデータをディープラーニング用学習データとして活用し、急性腎障害(AKI)のアルゴリズムの改善・開発を目指す

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【目次】




■Deepmind、アメリカ退役軍人省(VA)との提携|約70万人分のデータをディープラーニング用学習データとして活用し、急性腎障害(AKI)のアルゴリズムの改善・開発を目指す

Researching patient deterioration with the US Department of Veterans Affairs
Researching patient deterioration with the US Department of Veterans Affairs

参考画像:Researching patient deterioration with the US Department of Veterans Affairs(2018/2/22、Deepmind)

Researching patient deterioration with the US Department of Veterans Affairs

(2018/2/22、Deepmind)

Studies estimate that 11% of all in-hospital deaths are due to patient deterioration not being recognised early enough or acted on in the right way.

Deepmindのプレスリリースによれば、Deepmindはアメリカ退役軍人省(VA)との医療研究パートナーシップを結んだそうです。

ある研究によれば、病院内での死亡の11%は早期に発見しているか、適切な処置を行なっていれば避けられるものであったそうで、今回の提携で手に入れた約70万人分の退役軍人の匿名化した診療記録をディープラーニング用学習データとして活用することにより、患者の悪化の危険因子の特定や発症を正確に予測できるかどうかの判断をするための分析を行うそうです。

We’re focusing on Acute Kidney Injury (AKI), one of the most common conditions associated with patient deterioration, and an area where DeepMind and the VA both have expertise. This is a complex challenge, because predicting AKI is far from easy. Not only is the onset of AKI sudden and often asymptomatic, but the risk factors associated with it are commonplace throughout hospitals. AKI can also strike people of any age, and frequently occurs following routine procedures and operations like a hip replacement.

Our goal is to find ways to improve the algorithms currently used to detect AKI and allow doctors and nurses to intervene sooner.

Deepmindの目標は、現在予測することが難しい急性腎障害(AKI)のアルゴリズムを改善し、医療関係者が早期発見できるようにすることなのだそうです。

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■まとめ

腎臓の機能には、老廃物のろ過と排出、血圧の調節、ホルモンの分泌という機能があるだけでなく、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

アメリカ腎臓学会の調査チームによる分析によれば、入院患者のうち5人に1人が急性腎障害(AKI)を発症していたそうです。

人工透析技術の進歩によって、腎臓が悪化したという直接的な原因が死因になることは少ないのですが、腎臓は様々な臓器と関係があり、最近では、急性腎障害(AKI)になると、さまざまな臓器に炎症が出たり、障害が出ることがわかってきているそうで、それが多臓器不全につながっていたり、多臓器不全から急性腎障害(AKI)が起きるということがあるそうです。

危険因子を特定でき、急性腎障害を早期発見することができればその他の病気を防ぐことにもつながるのではないでしょうか?







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高齢者医薬品適正使用ガイドライン検討会で指針の骨子案をまとめる|厚生労働省




【目次】

■高齢者医薬品適正使用ガイドライン検討会で指針の骨子案をまとめる|厚生労働省

Pills 3

by e-Magine Art (画像:Creative Commons)

高齢者「薬漬け」適正指針 国が初 副作用の有害性明記

(2017/12/22、産経新聞)

このため指針案では「医療の質を向上させ、患者の健康に資すること」という目的を記載。高齢者が薬を服用することで生じる物忘れや目まい、失神など「有害事象」を列挙した。

 安全性確保の観点から、単に薬の数を減らすのではなく、適正な処方内容への見直しが重要であることを明記。複数の医師にかかっている場合は「お薬手帳」を活用してかかりつけ薬剤師にチェックしてもらうことも念頭に、「医師、薬剤師、看護師などが一元的に情報を集約し、連携すること」とした。

厚生労働省は、高齢者への薬物療法の適正化を図るための高齢者医薬品適正使用ガイドラインの検討会にて、指針の骨子案をまとめました。

薬の数を減らすことを目的とするのではなく、適切な処方内容への見直しが重要であるとして、「お薬手帳」の活用によるかかりつけ薬剤師からのチェックや一元的に情報の集約を行ない、医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が連携していくことを目指すようです。

厚労省WG 高齢者の医薬品適正使用の指針を了承 安全性からも減薬の流れ強まる

(2018/2/22、ミクスオンライン)

指針では、高齢者のふらつき・転倒や記憶障害などの原因に薬剤が存在する可能性を指摘し、医師や薬剤師に不適切な医薬品の中止や減量を考慮することを求めた。2018年度診療報酬改定では、保険薬局への評価として、医療機関と連携して6剤以上の内服薬を2種類以上減薬した場合に算定できる服用薬剤調整支援料を新設するなど、医療保険剤財政の観点からポリファーマシーにメスを入れた。

服用薬剤の多い75歳以上の高齢者の患者に、ふらつきや転倒、記憶障害など、薬剤が原因であるという疑わしい症状があれば、医薬品の中止や減量を考慮することを求めたそうです。

また、医療機関と連携して6剤以上の内服薬を2種類以上減薬した場合に算定できる服用薬剤調整支援料を新設するなどして、保険薬局へのインセンティブがあることによって、積極的に取り組んでもらえるような仕組みにしようとしていることがうかがえます。

【補足】ポリファーマシーとは

ポリファーマシー|日本ジェネリック製薬協会

多剤併用により、診療科が異なる場合などの複数の処方、アドヒアランスの低下などのさまざまな要因により、予測不可能な有害事象が起こる可能性が高くなります。

このようなポリファーマシーを防ぐため、病院などでは老年科担当薬剤師の設置、処方カスケードを減らすなどの対処をしています。また、外来患者が多い昨今では薬局での薬剤師の役割が重要となってきます。

多剤併用が必ずしも悪いわけではありませんが、高齢者になると多くの薬を併用することが多くなり、多剤併用により副作用など予測不可能な有害事象が起こる可能性が高いそうです。




■高齢者の薬のもらい過ぎ問題

年齢階級別にみた薬剤種類数別件数の構成割合・1件当たり薬剤種類数|平成27年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省
年齢階級別にみた薬剤種類数別件数の構成割合・1件当たり薬剤種類数|平成27年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省

参考画像:平成27年(2015)社会医療診療行為別統計の概況(2016/6/15、厚生労働省)|スクリーンショット

高齢者「薬漬け」適正指針 国が初 副作用の有害性明記

(2017/12/22、産経新聞)

 厚労省によると、60歳を超えると高血圧や骨粗鬆(こつそしょう)症など複数の疾患を抱えることから、服用する薬の種類が増加し、75歳以上でさらに多くなる傾向にある。レセプト(診療報酬明細書)調査によると、70歳以上の患者で平均6種類以上服用している。

 東京大などの患者調査では、薬を6種類以上服用している場合に副作用が出やすくなったりするケースが急増。転倒の発生頻度が2倍近くに増え、認知障害のリスクが増加するというデータもある。

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、高齢者の薬のもらい過ぎが問題になっているそうです。

なぜ薬のもらいすぎという問題が起きるのでしょうか。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

例えば、認知症の人への薬の提供方法の問題について考える|認知機能が低下すると、たくさんの薬が出ると、飲まない、飲めないことが起こるによれば、認知症になると、飲む必要がある薬も認知機能の低下によって、飲まない・飲めないということが起こり、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

それではどのようにして高齢者の薬の適正使用を促す仕組みを作ることができるのでしょうか?




■高齢者の薬の適正使用を促す仕組みとは?

●お薬手帳

「お薬手帳」を避難時に持ち出すことの有効性が熊本地震で再確認によれば、手帳を見て病名や薬の種類が分かり、適切な処置につながった反面、手帳がないために、どの薬を出すか判断が難しいケースがあったそうです。

●かかりつけの薬剤師

厚労省・武田審議官「高齢者の薬を“減らす”かかりつけ薬剤師、かかりつけ医の役割が論点に」

(2015/5/7、ミクスONLINE)

高齢化が進む中で、複数の疾患を合併し、多剤服用(ポリファーマシー)する患者が増加している。武田審議官は、ひとつの市の国保データから65歳以上の患者では10剤以上服用している患者が10%以上いるとのデータを提示。75歳を超えた後期高齢者ではさらにこの割合が増加すると説明した。

高齢者への不要な薬を減らすためには、かかりつけ薬剤師・薬局の役割が重要になるによれば、この問題を解決するためにも、薬の情報を一元管理するかかりつけの薬局・薬剤師を作ることが求められます。

●医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が情報を共有し連携するシステム

健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

厚生労働省、個人の医療データの一元管理で医療の効率化目指す 2020年度からによれば、厚生労働省は、過去の病院での治療歴や薬の使用状況、健診結果など様々な情報を一元化したデータベース「PeOPLe(ピープル)」(仮称)を2020年度からの運用を目指すそうです。

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、2020年度には本格稼働させていくことが必要と提案されています。

●飲み残しを減らす

●IoTを活用した服薬忘れ防止システム

服薬忘れ問題を解決する方法の一つとして注目されているのが、いま注目のIoT(モノのインターネット)を利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知する飲み忘れ防止システムです。

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●PillPackのアイデア

PillPackは人の習慣を活用して薬の飲み忘れを防ぐリマインダーアプリを開発中によれば、患者の中には、積極的に治療方針の決定に参加し、治療を受ける人がいる一方で、そうではない人がいて、薬にお金を使いたくないという人や薬が効くと信じていないという人、また、物忘れではなくて習慣が影響している場合もあるそうです。

人の習慣を利用して「ちゃんと薬を飲む」ようにしてくれるアプリ

(2015/8/8、WIRED)

パーカーはもともとアドヒアランスをある程度理解していた。薬剤師である父親が、処方箋を患者にわたすのを少年時代に見ていたからである。薬を飲み忘れる理由は単なる物忘れだけでなく、習慣も関係する。

「薬を受け取る余裕がない、薬にお金を使いたくない、さらに、あるいは薬が効くと信じていないという人もいる」と、アーカンソー大学薬学部の准教授セス・ヘルデンブランドは言う。これは意図的な「ノンアドヒアランス(nonadherence、患者が治療に対して積極的でないこと)」と呼ばれる。

このアプリは、意図的でないノンアドヒアランスの人を対象に設計されている。「アプリを使うために多くの入力を患者に強いることで、アドヒアランスを更に高める必要はない」とヘルデンブランドは言う。

パーカーはコンテクスト・アウェアネスをアプリでより実現し、より直感的なものにしている。

Pillpackでは、薬局や保険給付のデータを集めて、誰にどのような処方箋が出ているかがわかる「データベース」をつくることで、基本情報を入力すれば、患者の処方箋を自動で設定できるようになっているそうです。

こうした仕組みをバックグラウンドで動かすことによって、アプリユーザーの入力の手間を省き、薬の飲み忘れを防ぐためのお知らせをするシンプルなシステムになっています。

また、コンピュータが状況や変化を認識!『コンテキスト・アウェア・コンピューティング』|コベルコシステムによれば、

今までのように、個人が必要な情報を検索したり、スケジュールを確認したりするのではなく、過去の行動履歴、現在の時刻・スケジュール・位置情報などに基づいて、次の行動に必要な情報がシステムの側から積極的に提供されます。

ということで、Pillpackでは、ユーザーの位置情報に基づいてアラートを設定できるそうです。

つまり、習慣の強力な力を活用して、薬の飲み忘れを防ごうというアイデアですね。

●自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学によれば、東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

「複数の薬を異なる速度で自在に放出できる」というアイデアが実現することになれば、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。

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今回取り上げたように、現状の方法では治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考える必要があるのは間違いなく、すでに世界的にも自動で数値を検知して、適量の薬を投与するという方向に進んでおり、今後はこうした研究がどんどん出てくるのではないでしょうか。

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●デジタルメディスン

世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウスによれば、「デジタルメディスン」は錠剤に胃液に接するとシグナルを発すセンサーを組み込み、患者さんの体に張り付けたシグナル検出器で服薬の日時や活動量などのデータを記録します。

そのデータをもとに、患者さん自身がアプリで服薬状況や活動量を確認したり、医師や看護師などの医療従事者と情報共有することにより、アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を向上し、治療効果を高めることが期待されます。

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●プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?では、抗がん剤は高価で、かつ副作用の生じることから、薬が効かない患者に副作用のリスクを負わせ、高額な医療を施す必要があるのかという問題があり、ゲノム情報を活用して、どの薬が効果を発揮できるのか、ということを事前に調べて投与する「プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)」に注目が集まっているという話題を取り上げました。

薬の飲み忘れ問題も大事ですが、そもそもその薬の効果があるかどうかがわからない場合もあり、今後は、遺伝子を調べて、その薬で対応できるのかを判断してから投与するということが常識となっていくのではないでしょうか?

■まとめ

高齢者の薬の適正使用を促す仕組みを作るためには、お薬手帳、かかりつけの薬剤師(薬局)、医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が情報を共有し連携するシステム・飲み残しを減らす・プレシジョンメディシンについて考えていくことが必要なのだと思います。







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#オムロン、隠れ高血圧の発見に役立つ腕時計型のウェアラブル心電付血圧計を開発|#CES2018

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【目次】

■オムロン、隠れ高血圧の発見に役立つ腕時計型のウェアラブル心電付血圧計を開発|#CES2018

Omron HeartGuide watch brings blood-pressure measurements to CES 2018
Omron HeartGuide watch brings blood-pressure measurements to CES 2018

参考画像:Omron HeartGuide watch brings blood-pressure measurements to CES 2018|YouTubeスクリーンショット

CES 2018:“隠れ高血圧”の発見に役立つ腕時計型の血圧計、オムロンが開発

(2018/1/12、ITmediaニュース)

一般的な血圧計と同様、「カフ」と呼ばれる空気袋を内蔵し、腕を圧迫して高精度の血圧計測を可能にした。計測時には腕を心臓の高さに上げ、ボタンを押すだけ。「会社にも持って行ける他、就寝中にタイマーで血圧を測定できる」という。活動量計としての機能も備え、歩数や歩いた距離、消費カロリー、心拍数、睡眠時間の計測が可能だ。

オムロンヘルスケアは、ラスベガスで行われた家電見本市「CES 2018」で、隠れ高血圧の発見に役立つ腕時計型のウェアラブル血圧計を開発し、参考展示をおこないました。

Omron HeartGuide watch brings blood-pressure measurements to CES 2018

ヘルスケア(HEALTH CARE)⾎圧計はウェアラブルで⾝近に。パーソナライズ医療の実現に向けてAIで進化するデータサービス。|オムロン

血圧データと密接にかかわる心電データを統合し、管理、分析を可能にすることで、脳・心血管管疾患の発症リスク評価の精度を向上させるために、AliveCor(アライブコア)社と資本・業務提携しました。今後、新たな心疾患予防アルゴリズムやサービスを共同開発していきます。
また、AliveCor(アライブコア)社が持つ、ウェアラブル型の心電計と医師による患者の遠隔モニタリングプラットフォームを通じて、データを使った医療システムの進化を加速させます。

AliveCor(アライブコア)の心電計技術とオムロンヘルスケアの血圧計技術を合わせた心電付血圧計によって、脳・心血管疾患の発症リスク評価の精度を高めることを目指すそうです。

ウェアラブル端末がいつも⼈のバイタルデータをチェック。
患者一人ひとりの血圧データに加え、心電、睡眠、活動量などのバイタルデータ、さらには遺伝要因、生活習慣、性格や行動パターンなど、生活習慣や生活リズム、性格、既往歴や家族歴などの個人データを組み合わせ、IoTによってデータを蓄積からAIが傾向を解析。その人に最適な治療をサポートする、パーソナライズ医療への取り組みにチャレンジしています。

オムロンヘルスケアは、ウェアラブルデバイス(IoT)で血圧や心電、睡眠などのバイタルデータ(生体情報)をモニタリングすることで体の状態・活動の見える化を行ない、遺伝要因や既往歴、生活習慣、行動パターンなどのデータを組み合わせて、蓄積し、AIを用いて解析を行い、その人に最も最適な治療をサポートするパーソナライズ医療に取り組んでいくそうです。




■一拍ごとの血圧値を測定する技術

健康状態をいつも見守り、病気の心配のない未来へ「手首だけで1拍ごとの血圧を連続測定」

手首の手の平側にある橈骨動脈(とうこつどうみゃく:手の平側の人差し指の延長線上にある)上に2枚の圧力センサを平らに押し当てて、血圧を測定します。

二枚の圧力センサ(それぞれ46個のセンサが取り付けられている)から得た圧力情報を基に、その人にあった最適なセンサの角度へ自動調整し、血管に適切な圧力をかけ、血圧を測定します。

これにより、手首に取り付ける機器のみで、心臓の拍動の一拍ごとの血圧を連続して測ることが可能になります。

→ 脈拍の簡単な測り方|脈はどの位置でどのようにして測ればいいの? について詳しくはこちら

→ 血圧の測り方|高血圧や動脈硬化を発見するためにも血圧測定方法のポイントをマスターしよう! について詳しくはこちら

■ウェアラブルデバイス(IoT)で常に血圧を測る時代になる!

性別にみた通院者率の上位5傷病|平成28年国民生活基礎調査の概況
性別にみた通院者率の上位5傷病|平成28年国民生活基礎調査の概況

参考画像:平成28年国民生活基礎調査の概況|スクリーンショット

CES 2018:“隠れ高血圧”の発見に役立つ腕時計型の血圧計、オムロンが開発

(2018/1/12、ITmediaニュース)

厚生労働省が発表した平成28年(2017年)の「国民健康・栄養調査結果」によると、収縮期血圧(最高)が140mmHg以上の人は男性の34.6%、女性で24.8%。過去10年間で男女とも減少しているものの、日本人の3人に1人は高血圧。高血圧は、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などのリスクを高めるとされている。

男性・女性ともに「高血圧症」による通院者率が最も高い!|性別にみた通院者率の上位5傷病の第一位は男女とも「高血圧症」|平成28年国民生活基礎調査によれば、男性・女性ともに「高血圧症」による通院者率が最も高いという結果になっています。

血圧計の世界累計販売台数が2億台を突破|血圧計の販売台数が急増した背景にあるのは何か?|オムロンによれば、オムロン社においては、1973年の発売から1億台まで36年かかった血圧計が、2億台まではわずか7年で達成した背景として、健康意識の高まり、世界的な生活習慣病患者の増加、家庭血圧の重要性の浸透、新興国での需要の高まりを挙げられています。

「家庭血圧」による診断を優先する|高血圧治療ガイドライン2014で紹介した2014年4月に5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン」(日本高血圧学会)での大きな変更点は、「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」という「家庭血圧」を重視している点です。

家庭血圧とは、病院ではなく家庭で血圧を測ることです。

家庭血圧が重視される一つの理由は、診察室血圧・白衣高血圧という現象があります。

白衣高血圧(白衣現象)とは|病院で緊張して血圧が上がるによれば、白衣高血圧とは、通常は血圧が正常なのに、病院で血圧を測定すると血圧の値が高くなってしまうことです。

そうしたことから、平常の血圧を測定する方法として、病院ではなく家庭で血圧を測ることが重視されるようになったようです。

また、家庭血圧を測定することによって見えてきたものもあります。

それは、「仮面高血圧」という新しい病態(病気のぐあい)です。

仮面高血圧とは?健診では正常、職場では高血圧によれば、健診や病院では正常血圧なのに、職場や家庭で血圧を測ると135/85mmHg以上になる状態を「仮面高血圧」といいます。

仮面高血圧は、正常血圧とされる一般成人の10~15%が相当するといわれており、脳卒中や心筋梗塞を併発する危険性は、正常血圧の2~3倍あり、心臓の肥大や動脈硬化の進行が非常に早いこともわかってきています。

そのため、現在では、家庭血圧(病院ではなく家庭で血圧を測ること)のほうが正しい血圧の数値がわかり、また病気の発見にもつながるため、家庭血圧が重要だと考えられているようです。

【関連記事】

この考え方をさらに発展させると、オムロンヘルスケアが提案するように、ウェアラブルデバイス(IoT)で常に血圧を測るという方向が望ましいと考えられます。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら







【参考リンク】
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オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の値が高いと長生きする!?|米ハーバード公衆衛生大学院とワシントン大学

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■オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の値が高いと長生きする!?|米ハーバード公衆衛生大学院とワシントン大学

Marinated King Salmon

by Arnold Gatilao(画像:Creative Commons)

週に2回以上サーモンを食べると、寿命が2年延びるとの調査結果

(2013/4/2、IRORIO)

米ハーバード公衆衛生大学院とワシントン大学が約2700人のアメリカ人を対象におこなった調査によると、65歳以上の高齢者で、血中のオメガ3脂肪酸値が高い人は、そうでない人よりも平均で2.2年長生きすることがわかったそう。

米ハーバード公衆衛生大学院とワシントン大学の調査によれば、血中のオメガ3脂肪酸値が高い人は、そうでない人に比べて約2年長生きすることがわかったそうです。

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら




■どういった生活をすればオメガ3脂肪酸値が高くなるの?

どういった生活をすればオメガ3脂肪酸値が高くなるのでしょうか?

被験者の中でオメガ3脂肪酸値が高いとされた人々は、週に2回以上こういった魚類を食べていたそうだ。

オメガ3脂肪酸値が高いとされた人は、週に2回以上、サーモンやマグロ、サバ、イワシ、ニシンなどの魚を食べていたそうです。

また、EPAやDHAの値が高いと若年死するリスクが低くなることもわかったそうです。

また同調査では、オメガ3脂肪酸だけでなく、同じくサーモンなどの魚に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサペンタエン酸の値が高いと、心臓病や脳卒中などが原因で若年死するリスクが27%も低いことも判明したという。

オメガ3脂肪酸DHA・EPAを含む食事を取り入れて行きたいですね。

→ DHA・EPAとは|DHA・EPAの効果・効能・食品 について詳しくはこちら







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服薬支援ロボ+介護健診ネットワークの連携で高齢者の服薬管理の改善が期待される




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■服薬支援ロボ+介護健診ネットワークの連携で高齢者の服薬管理の改善が期待される

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by tr0tt3r(画像:Creative Commons)

服薬支援ロボを活用した「服薬支援クラウドサービス」日立システムズとクラリオン、笠間市と共同実証

(2016/6/27、日経デジタルヘルス)

服薬支援クラウドサービスは、クラリオン開発の服薬支援装置「服薬支援ロボ」を活用し、誤飲防止などの服薬管理と、患者を中心とした包括ケアに関わる関係者の業務効率化を支援するクラウドサービスとなる。

日立システムズとクラリオンは、2016年4月から茨城県笠間市が運用する「介護健診ネットワーク」に「服薬支援クラウドサービス」の試験導入と、その連携に関する実証実験を実施しました。

今回の実証実験の結果どのような結果が得られたのでしょうか。

その結果、自分で薬が飲めなかった患者が、服薬支援ロボの支援により自分で自発的に薬を服用できるようになったとする。予定時間に服薬されなかった場合も、ロボットが再度服薬をアナウンスすることで飲み忘れを防げたという。

また薬剤師は、介護健診ネットワークを通じて要介護者の服薬状況が確認可能になった。

服薬支援ロボにより自発的に薬を服用できるようになったり、飲み忘れを防ぐことができたり、薬剤師は要介護者の服薬状況が確認できるようになったそうです。

【関連記事】

■高齢者の薬のもらい過ぎが問題になっている!

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、次のような理由で高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きています。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

例えば、緑内障 患者判断で治療中断18.7%によれば、「大した症状がない」、「継続受診が面倒」、「治療効果が実感できない」など病気自体への理解度が低いことや治療効果についての理解が低いという理由で、患者判断で緑内障の点眼治療を中断してしまっているそうです。

処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

■まとめ

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法では、服薬忘れ防止システムなどの提案を行ないましたが、今回の実証実験の結果によれば、服薬忘れ防止システムは効果的であることがわかりました。

【関連記事】

また、薬剤師は、介護健診ネットワークを通じて要介護者の服薬状況が確認可能できるようになっていますが、このことも高齢者の服薬状況をチェックすることにより、不要な薬を減らすことであったり、治療にもつながることが期待できます。

今後服薬支援ロボ+介護健診ネットワークとの連携によって、高齢者の服薬管理のあり方が変わっていきそうです。

→ 高齢者への不要な薬を減らすためには、かかりつけ薬剤師・薬局の役割が重要になる について詳しくはこちら







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