10キロダイエットに成功した有名人から学ぶ!10キロ痩せる方法とは?

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【目次】

■体重増加の健康へのリスク

「10キロダイエット成功」「10キロ痩せる方法」といったワードで検索されているのですが、体重増加の健康へのリスクについてや元々の体重がどれくらいなのか、どれくらいの期間でダイエットをする予定なのかによってもダイエットプランは違ってきます。

そこでまずは体重増加の健康へのリスクについて紹介したいと思います。

ハーバード公衆衛生大学院の研究によれば、20歳の頃と比べて中年期に体重が5キロ以上増えた人は糖尿病、高血圧、心血管疾患の発症リスクが高いことが明らかにされました。

また、多目的コホート研究によれば、20歳から体重が5kg以上増加した群で糖尿病発症のリスクが上昇すること、女性では中年期の5年間に体重が5kg以上増加した場合でも糖尿病のリスクが上昇することがわかっています。

つまり、成人を迎えてから体重が5キロ以上増えている人は糖尿病などの生活習慣病リスクが高まっている恐れがあるため、ダイエットをした方がよいということになります。

※ただ、【ガッテン】100キロカロリーカードを活用した1日50gダイエットでメタボ改善!肝臓の脂肪から分泌される「ヘパトカイン」がメタボの原因になる!|8月29日によれば、メタボを改善するためには標準体重にする必要があると思われていましたが、体重の3%を減らすだけで、脂質代謝異常や高血圧、高血糖の改善が期待されます。

■10キロダイエットに成功した有名人から学ぶ!10キロ痩せる方法とは?

10キロダイエットに成功した有名人から学ぶ!10キロ痩せる方法とは?
10キロダイエットに成功した有名人から学ぶ!10キロ痩せる方法とは?

先ほど、元々の体重がどれくらいなのか、どれくらいの期間でダイエットをする予定なのかによってもダイエットプランは違って来ると紹介しました。

芸能人の方は役づくりのために短期間でダイエットをしています。

短期間でダイエットというよりも減量が必要なために、食べない系のダイエットを含めた極端な食事制限と運動をおこなっています。

あまりにも極端な食事制限を行なうことは健康のために体重を落とすダイエットとは目的が違うので参考にするのは難しいですね。

【関連記事】

つまり、私たちが参考にしたいのは、役作りでの減量以外でダイエットをした人のダイエット方法です。

67キロから43キロへダイエット!#ダレノガレ明美 さんのダイエット方法(やり方)|運動(ウォーキング・ヨガ・お尻のトレーニング)・食事・美容・マッサージ

■運動

●プールで、100mずつ「泳ぐ」・「歩く」を繰り返し行なう。(1時間30分)

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●一日1時間ウォーキング

※最高6時間歩いたこともあるそうです。音楽を聞きながら歩いていたそうです。

【音楽とエクササイズ 関連記事】

●ヨガ

ヨガでトレーニングを行なっている姿をインスタグラムにアップしており、引き締まった腹筋やくびれを絶賛するコメントが多数寄せられています。

ウエスト・おしり・脚を引き締めるヨガのポーズである「三角のポーズ」の後ろ姿が写真におさめられていますが、その背中も引き締まっているのがわかります。

→ ダレノガレ明美さんがインスタグラムにアップしたヨガの「三角のポーズ」のやり方とは? について詳しくはこちら

●お尻のトレーニング

■食事

●朝

黒ごま豆乳バナナジュースを飲む

●昼

和食、焼き魚を中心に食べたいものを食べる

●夜

炭水化物抜きで、野菜やおかずだけを食べる。

※食べない系のダイエットはストレスになり、リバウンドする可能性が高くなるので、注意するようにアドバイスしていました。

●間食

週2回ご褒美として、チョコやクッキーを食べてもいい。

ジムに行く前や朝食べる。(夜は避ける)

■マッサージ

お風呂あがりにボディークリームでリンパを刺激するようにして脚をマッサージしたら、脚が細くなったそうです。

#AKB48 #大家志津香 さんが-13キロ減量のダイエットに成功した方法とは?

大家志津香さんは、食事面ではササミやしらすを混ぜた納豆などのタンパク質をとるようにして、運動面ではスクワットや腹筋、ジョギングなどのトレーニングで鍛えて、マイナス13キロのダイエットに成功したそうです。

健康的にやせるには「たんぱく質」が欠かせない!では、ダイエットだからといって食事量を減らすことや「○○だけダイエット」ではタンパク質が不足してしまうと筋肉量が減少し、基礎代謝量も落ちてしまうということを紹介しました。

  • 筋肉のもととなるたんぱく質が不足することで、筋肉量が減少し、代謝が落ち、太りやすい体になる。
  • たんぱく質が不足することで、体の熱のもととなる筋肉量が減少すると、冷えやすい体になる。(低体温冷え性
  • アミノ酸が多い良質のタンパク質は肝臓などの内臓の再生・修復に役立っているのですが、そうした体を作るもととなるたんぱく質が不足すると、肌荒れなどを起こす原因となる。

ミス・ユニバース・ジャパン候補者のスタイルキープ法&美肌の秘訣でも紹介しましたが、健康的でメリハリのある美しいボディーラインと代謝の良い体を作るためには筋肉が欠かせないのですが、筋肉を作るために、タンパク質の多い食事を増やすことを心がけているそうです。




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肥満女性が-57KG減のダイエットに成功した方法は「#INSTAGRAM(インスタグラム)」!?

■健康的な食事

  • 一日の摂取カロリーを教えてくれるアプリを参考に、健康的な食事を選ぶようになった

■モチベーション維持

  • インスタグラムに食事の写真を投稿することでモチベーション維持
  • フォロワーがいることでやる気が保たれる

「自分が後悔するような食事を摂れば、自分だけでなくフォロワーもがっかりさせてしまうから」

  • ダイエットへの意識が高くなったからか、苦手だった運動にも挑戦し、それもインスタグラムへ投稿

ダイエットのモチベーションを維持する方法自撮り(SELFIE)を活用してダイエットの成功率を上げる!?では、自撮り写真を交換しあうことがダイエットのモチベーション維持に役立つと紹介しましたが、ダイエットのモチベーションを維持するのは難しいことですよね。

ダイエットは仲間と一緒に取り組むと成功しやすい!?によれば、ダイエットのモチベーションを保つのは一人では難しいようで、女性の場合には、一緒にダイエットをしてくれる仲間を探すことがダイエット成功の近道なのだそうです。

■社会的絆をダイエットに活用

自撮り(SELFIE)を活用してダイエットの成功率を上げる!?によれば、近くに住んでいる人よりも社会的な絆が強い人の影響を人は受けやすいそうです。

インスタグラムでダイエットをした彼女はフォロワーを悲しませたくない、認められたいという気持ちをダイエットに活用したといえるのではないでしょうか。

女性の脳の特徴として、友達と一緒に運動をしたり、ダイエット情報(体重グラフ分析)の交換をすると、楽しくダイエットが出来るそうです。(女性の脳の特徴を活かしてダイエット|ためしてガッテン(NHK)

また、女同士のウラの顔|ホンマでっかTV 4月25日によれば、女子にはグループで目標を立てて皆で協力した方が成績が伸びやすいそうです。

●100キロ以上の人がダイエットしたケース

14歳で105キロあったロシアの少女が2年で50キロのダイエットに成功し、現在19歳で体重51キロの美少女にによれば、食事制限と運動(ジム・水泳など)を行い、2年で50キロ減のダイエットに成功したそうです。

18カ月で115キロのダイエットに成功した男性はヤセるとイケメンに変身した!?によれば、アルコールを断ってトレーニングに打ち込むことで、18カ月で115キロの減量に成功したそうです。

減量をしたいという気持ちがあっても、ジムに行って嘲笑されるのが怖かったため、ダイエットが出来ずにいたそうですが、「すべてを無駄にし、すべてを失い、そのすべてをやってきた人物は、自分だった」ということに気づいたことで、前向きに取り組むことができるようになったそうです。

新年(2018年)の目標を達成するにはどうしたらいいの?|新しい習慣作りには「きっかけ」と「報酬」が重要!|毎日の人の行動の40%がその場の決定ではなく習慣!では、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるということを書きました。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

習慣の力 The Power of Habit

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

では、どのようにすれば習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?

どのような目標を立てるのかも大変重要です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、

「いかに小さな成功であってもそれを積み上げることで自信につながる」

NFLコーチ ビル・パーセルズの言葉を紹介しています。

手の届く範囲の目標を掲げて、それを達成することにより、小さな成功を感じることは、その人にとっての自信になるはずです。

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■食事を抜くダイエットをするとリバウンドしてしまう理由

カロリーゼロ食品(食べ物)を1週間食べる0キロカロリーダイエットをしたら体はどうなるのか?によれば、カロリーのない食べ物、つまりゼロキロカロリーの食品だけで1週間過ごした女性は体重が約5キロやせたものの、胸のサイズも4センチ小さくなったそうです。

食べない系ダイエットをするとどうなるかというのがわかりやすいですよね。

【ダイエット実験】人は胸からやせるのか!?|食事と運動でバストはどんな変化をするのか?によれば、食事だけでダイエットをするとバストが減ってしまうということがわかりましたが、今回の実験も同様の結果が出ています。

香取慎吾さん1週間で10キロダイエット!2日後5キロリバウンドによれば、香取慎吾さんは1週間で10キロのダイエットに成功したものの、2日後には5キロリバウンドしていました。

短期間で急激にダイエット(食事抜きダイエット・単品ダイエット)すると、リバウンドするといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。

森崎友紀さん(管理栄養士)が教えるダイエットの秘訣によれば、食事抜きダイエットや単品ダイエットが行けない理由としては、食事を抜く(極端な低カロリーダイエット)と、飢餓状態になり、太る原因となったり、身体に不調が現れてくるからです。

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0キロカロリーのゼリーやドリンクなどのカロリーを全く摂らない食事をすると、体重は減るものの、スタイルが悪くなってしまうということですので、正しいダイエットをしてくださいね。

ちなみに、映画「ブラックスミス」のために減量したミラ・クニスさんは、体重を戻しても胸は戻らなかったそうです。(「ブラック・スワン」で激ヤセしたミラ・クニス、体重を戻しても胸は戻らず







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「完全栄養食(パーフェクトフード・完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!




2019年5月13日放送の「あさチャン」でパーフェクトフードの特集がありました。

■「完全栄養食(完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!

以前のブログで日清食品のAll-in PASTA(完全栄養食のパスタ)について取り上げましたが、「完全栄養食(完全食)」の成長性はあるのかどうか考えてみたいと思います。

完全栄養食(完全食)として注目しているのは、日清食品(All-in PASTA)、BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)、COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)です。

日清食品(All-in PASTA)のページを見ると、アレンジレシピの提案だけでなく、麺とソースがカップにセットされお湯をかけるだけで簡単に調理ができるカップパスタセットもあることから、忙しい現代人でランチ難民だけど、栄養はしっかりと摂りたい人をターゲットにしていると考えられます。

BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)は、パスタ・ラーメン・パンと完全栄養食の横展開していることから、一つの食品の用途ではなく、バリエーションを持つことで完全栄養食の幅を広げようとしていると考えられます。

COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)は、ビジネスマンやエンジニア、クリエイター、ゲーマーなど仕事で忙しい、趣味に没頭したいけど、栄養バランスの悪さも気になる(食の楽しみを求めるタイプではない)方をターゲットにしていることが考えられます。

■完全栄養食、4つのターゲットへのアプローチ

完全栄養食については4つのターゲットへのアプローチが考えられます。

1)偏食や子供の肥満、ヤセの問題などを栄養バランスを整えることを完全栄養食によって解決する

【クローズアップ現代(NHK)】女性の痩せすぎ問題|痩せ過ぎと低体重児・モデルのヤセ過ぎ問題20代女性の5人に一人が「やせ」|摂取カロリーは終戦直後よりも少なくなっている!?によれば、20代女性の5人に一人が「やせ(BMI18.5未満)」という状態であるそうです。

また、2013年の20代女性の平均エネルギー摂取量は、終戦直後よりも少ないそうです。

2)忙しい現代人のための栄養補給

アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分に減っている!?によれば、アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分までに減っているそうで、これは、昼食や夕食に費やす時間の約半分なのだそうです。

これは、母親が仕事を持つようになるといった変化によるもので、それだけではなく、子供を預けたり学校に送るといったことでさらに忙しくなっていることが関係しているようです。

アメリカ人の食生活が1日3食からスナック(軽食)を頻繁に食べる食習慣に移行している!?という記事を紹介しましたが、あまりにもみんなが忙しすぎて軽食を頻繁に食べる食習慣に移るというのもわかる気がします。

完全栄養食がその軽食(スナック)の中に入ることで栄養バランスを整えるということも考えられます。

3)どうしても食事の量が減ってしまって栄養のバランスがとりづらくなってしまった高齢者を助ける

要介護者の4割が低栄養傾向|家族の7割は「低栄養」の意味知らないで紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の4割が低栄養傾向にあることがわかったそうです。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

食品3Dプリンタで見た目も食感も楽しい介護食の開発|山形大学で紹介した山形大学工学部は食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなった人にも、食べ物の形や食感を楽しんでもらおうと3Dプリンタで作った介護食の開発に取り組んでいるそうです。

従来の高齢者向けの食べ物を小さく刻んだ「きざみ食」、ミキサーにかけてドロドロにした「ミキサー食」は見た目が悪く、またまとまりが悪いために帰って誤嚥を引き起こしやすいものであるという問題があります。

現在山形大学で開発されている3Dプリンタで作った介護食が完全栄養食であれば、栄養不足の高齢者を助けることができるでしょう。

4)食糧問題を解決する手段(爆発的に増加している人口を支えていけるだけの食料を作り出すことは不可能だと考えられている)

食料問題を解決する2つのアプローチ|「90億人の食」をどう生み出すか?|Farmbotが農業の問題を解決する!?によれば、日本だけを見れば高齢化社会であり人口が減少していっている国なのですが、世界的に見れば、世界人口は増え続けています。

記事によれば、2050年までに世界の人口は70億人から90億人に拡大すると予想されています。

そこで、将来必ず起こりうる問題が「食糧問題」です。

その問題をいろんな食品で解決しようとアプローチがなされているようです。

その解決策の一つして考えられているのが「完全栄養食」です。

■完全栄養食で考えておくこと

●暇になる時代に忙しい現代人の栄養補給を助ける完全栄養食の存在価値とは?

僕はインスタやFacebookがそろそろ終わると思っている|国光宏尚 gumi (Hiro Kunimitsu)|note(ノート)によれば、AI時代になると、モノを作る作業は人間がやる必要がなくなり、暇になるという仮説が立てられています。

つまり、完全栄養食のアプローチの中には、忙しい現代人の栄養補給を助ける一面がありますが、この仮説が正しければ、この分野での成長率はAI時代の浸透に伴って低くなることが考えられます。

時間が豊かになることで食事をより豊かな方向に求める人が増える可能性があるでしょう。(食糧問題を抜きにしておきます)

●食事には栄養を摂る以外の機能があること

もう一つ考えておくことは、食事には栄養を摂るという機能しかないのかという点です。

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(SOYLENT)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】

Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days

この動画では「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

しかし、本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

●そもそも美味しいのか?

そもそも美味しくないと、食を入れ替えるという判断にはなりづらいですね。

BASE FOODがBASE PASTAをリニューアルした理由も一つはおいしくなかったからなのでしょうし、代替肉のBEYOND MEATが注目されているのも「美味しいから」という前提条件があるからです。

■まとめ

完全栄養食市場は、高齢者の低栄養の問題を解決する手段として、健康寿命を延ばす対策の解決手段として、そして、食糧問題を救う一つのアイデアとして魅力的な市場です!

食事の持つエンターテインメントの一面やコミュニケーションを円滑にするためのツールとしての一面を大事にしたところが完全栄養食のトップになるのではないでしょうか?

【追記(2019/7/10)】

「フードテック領域に料理人がほとんどいない」と書かれているnoteがありましたが、やはり前提条件として「そもそも美味しい」がなければ、新しい食・サービスに移行していかないはずです。

完全栄養食を含めたフードテック領域に料理人が活躍することが市場を広げるために欠かせないのではないでしょうか?







【たけしの家庭の医学】AIM増加が期待できる食品はさんま(DHA)+レモン(ビタミンC)!

2018年10月2日放送の「たけしの家庭の医学」ではスーパー健康長寿物質「AIM」を取り上げました。

→ 【たけしの家庭の医学】スーパー健康長寿物質「AIM」の効果|メタボのブレーキ「AIM」に肝臓がんを抑制する働きを発見|AIMで急性腎不全(AKI)を治療|中性脂肪を溶かす|10月2日 についてくわしくはこちら




【目次】

■AIM増加が期待できる食品はさんま(DHA)+レモン(ビタミンC)!

秋刀魚(さんま・Pacific saury)
秋刀魚(さんま・Pacific saury)

AIM(Apoptosis Inhibitor Macrophage:マクロファージから分泌され、細胞のアポトーシス(細胞死)を抑制する分子)とは、メタボリックシンドロームのブレーキとして働くことが知られているタンパク質です。

AIM増加が期待できる栄養素は「DHA」(魚油に含まれる成分)!

東京大の宮崎徹教授によれば、はっきりとした研究は行われていないものの、DHAはAIMの産生を促す効果が期待できるそうです。

DHAを含むのはサンマなどの青魚で、宮崎徹教授の最新研究によれば、レモンや梅干しなどのビタミンCを含む食材を一緒に食べるとさらに効果が上がる可能性があるそうです。

→ DHA・EPAとは|DHA・EPAの効果・効能・食品・摂取量 について詳しくはこちら

→ 【たけしの家庭の医学】スーパー健康長寿物質「AIM」の効果|メタボのブレーキ「AIM」に肝臓がんを抑制する働きを発見|AIMで急性腎不全(AKI)を治療|中性脂肪を溶かす|10月2日 についてくわしくはこちら







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【たけしの家庭の医学】スーパー健康長寿物質「AIM(エーアイエム)」の効果|メタボのブレーキ「AIM」に肝臓がんを抑制する働きを発見|AIMで急性腎不全(AKI)を治療|中性脂肪を溶かす【論文・エビデンス】

2018年10月2日放送の「たけしの家庭の医学」ではスーパー健康長寿物質「AIM」を取り上げます。

そこで、番組の放送前に予習をしてみました。

→ 【たけしの家庭の医学】AIM増加が期待できる食品はさんま(DHA)+レモン(ビタミンC)!|10月2日 についてくわしくはこちら




【目次】

■メタボのブレーキ「AIM」に肝臓がんを抑制する働きを発見

AIMによる肝疾患の制御
AIMによる肝疾患の制御

参考画像:メタボのブレーキに肝臓癌を抑制する働きを発見~新しい肝臓癌治療法の可能性~(2014/10/3、IST)|スクリーンショット

メタボのブレーキに肝臓癌を抑制する働きを発見~新しい肝臓癌治療法の可能性~

(2014/10/3、IST)

タンパク質AIM注1)は細胞中での中性脂肪の蓄積を阻害するメタボリックシンドロームのブレーキとして働く。

このタンパク質は肝臓の細胞が癌化すると、細胞の表面に蓄積して癌細胞が除去されやすくする作用があることを今回明らかにした。

肝臓癌は有効な抗癌剤がなく治療が困難であるが、今回の発見により、AIMを利用した新規かつ安全な肝臓癌の治療法を開発できるようになることが期待される。

東京大学 大学院医学系研究科の宮崎徹教授らの研究グループは、通常は脂肪細胞や肝臓の細胞(肝細胞)に取り込まれ、細胞中での中性脂肪の蓄積を阻害することによって肥満や脂肪肝の進行を抑制する、いわばメタボリックシンドロームのブレーキとして働くことが知られているタンパク質AIM(Apoptosis Inhibitor Macrophage:アポトーシス・インヒビター・マクロファージ・タンパク;マクロファージから分泌され、細胞のアポトーシス(細胞死)を抑制する分子)が、肝臓に生じた癌細胞を選択的に除去せしめる働きがあることを明らかにしました。

→ 肝臓がんの症状 についてくわしくはこちら

【参考リンク(論文・エビデンス)】

■AIMで急性腎不全(AKI)を治療

AIMによる急性腎不全(AKI)治癒メカニズムとその臨床応用
AKI発症時、血中にAIMが十分ある場合(上)、IgMから解離したフリーAIMが尿中に移行し、近位尿細管に詰まったdebrisに付着し、それを目印としてKIM-1を発現した尿細管上皮細胞が速やかにdebrisを除去し、AKIは回復に向かう。一方、AIMが不足している状況、すなわち血中AIM値が低値であったり、通常のAIMの量では十分治癒できないような重症のAKIを発症した場合(下)、debrisの除去が十分に行われず、二次的に炎症や線維化、さらには糸球体の機能低下を惹起し、腎不全のために患者は死亡あるいは慢性化する。このような場合、AIMを投与しdebrisの十分な除去を誘導することによって、AKIを治療することが可能である。また、尿中のAIM値を測定することにより、AKIの重症度や予後を診断することも可能である。

参考画像:AIM投与による急性腎不全治療につながる革新的成果(2016/1/5、日本医療研究開発機構)|スクリーンショット

AIM投与による急性腎不全治療につながる革新的成果

(2016/1/5、日本医療研究開発機構)

急性腎不全が生じると、腎臓の中の尿の通り道(尿細管という)に “ゴミ”(細胞の死骸)が詰まり、そのことが腎機能の低下を招く引き金となることが知られている。AIMは通常血液中に存在するが、腎臓の機能が低下すると尿中に移行しゴミに付着する。そして付着したAIMが目印となって、周囲の細胞が一斉にゴミを掃除し、迅速に詰まりが解消され、その結果、腎機能は速やかに改善することが明らかとなった。さらに本研究グループは、AIMを持たないマウスが急性腎不全になると、詰まったゴミは掃除されることなく、腎臓の機能は著しく悪化し続け多くが死んでしまい、またAIMを正常に持っているマウスでも、重症の急性腎不全を起こすと、体内に持っているAIMの量では十分にゴミが掃除されず、腎臓内の詰まりが解消されないまま、やはり多くが死んでしまうことを明らかにした。そしていずれの場合でも、AIMを静脈注射することで、尿細管の詰まりは劇的に解消され、腎機能が速やかに改善し致死率は著しく低下することを見出した(注:致死率は60~100%であったものが、AIM投与により0%となった)。

すなわち、血中のAIM量が不十分である場合(もともと血中濃度が低い場合や、重度の腎不全が生じた場合)には、AIMを投与することで急性腎不全を速やかに改善させ、慢性化する危険を回避することが可能であると考えられる。腎機能低下時の血中AIMの尿中への移行およびゴミへの付着は、ヒト急性腎不全患者でも同様に観察されるため、マウスだけでなくヒト急性腎不全患者においても、AIMによる治療は有効であると考えられる。

東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授らの研究グループは、タンパク質AIMが、直接腎臓に働きかけ急性腎不全を治癒させることを明らかにしました。

また、急性腎不全が治った後に、定期的にAIMを投与し、腎臓のゴミをきれいにすることにより、急性腎不全の再発や慢性化のリスクを低くする可能性があるそうです。

【参考リンク(論文・エビデンス)】

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中性脂肪の塊を溶かすたんぱく質「AIM」、肥満治療薬の候補に

東京大の宮崎徹教授らの共同研究グループによれば、脂肪細胞内で中性脂肪を溶かしたり減らしたりする作用を持つたんぱく質「AIM」を発見したそうです。

→ 中性脂肪を下げる食事・運動・サプリメント について詳しくはこちら

【参考リンク(論文・エビデンス)】

■ネコではAIMが急性腎不全治癒に機能していない

ネコに腎不全が多発する原因を究明―ネコでは AIM が急性腎不全治癒に機能していない―

(2016/10/12、東京大学)

血液中のタンパク質 AIM(apoptosis inhibitor of macrophage;CD5L とも呼ばれる)は急性腎不全を治癒させる機能を持つ(注 1:過去の主な文献 1-6)が、ネコAIM は急性腎不全時に機能せず、そのためにネコでは正常な治癒・回復が障害されていることを見出した。

ネコ型 AIM に起因する急性腎不全の治癒障害は、AIM タンパク質の投与によって治療できた。

ネコは血液中にAIMをじゅうぶん持っているにもかかわらず、急性腎障害が生じても腎臓の機能は回復せず、そのまま慢性腎不全へと進行してしまう可能性が高いことが明らかになったそうです。

ネコにAIMを投与することで急性腎不全を速やかに改善させ、慢性化する危険を回避することが可能であると考えられます。

【参考リンク(論文・エビデンス)】

→ 【たけしの家庭の医学】AIM増加が期待できる食品はさんま(DHA)+レモン(ビタミンC)!|10月2日 についてくわしくはこちら







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柴田理恵さんの88歳のお母さんは要介護4の状態から要介護1まで「奇跡の回復」!柴田理恵さんと駒村多恵さんのそれぞれの介護への取り組み方の違いから見えてくるものとは?




■柴田理恵さんのお母さんは要介護4の状態から要介護1まで「奇跡の回復」

【追記(2024年11月18日)】

柴田理恵「88歳の母は要介4の状態から1まで回復。健康に必要なのは生きる目的だと実感」抗加齢医学研究の第一人者・米井嘉一に聞く、健康な体を維持する秘訣(2024年11月18日、婦人公論)によれば、柴田さんのお母さんは88歳の時に腎盂炎で入院して、意識が朦朧とし、要介護4に認定されるほど体調が悪くなってしまったそうですが、リハビリ治療を行った結果、要介護4の状態から要介護1まで「奇跡の回復」をされたそうです。

88歳の時に腎盂炎で入院して、意識が朦朧とし、要介護4に認定されるほど体調が悪くなってしまった

治療のおかげで柴田さんのことがわかるくらい回復

お正月に自宅でおせちを食べてお酒を飲むのを目標に、リハビリを頑張る

リハビリ中、トイレに行こうとして腰椎を圧迫骨折

「家に帰って酒が飲みたい」という目標をもとにリハビリを頑張って、年末年始には、自宅で富山のお酒を一緒に飲めるまでに

要介護4から要介護1まで奇跡の回復

よく「病は気から」といいますが、この「気」とは生きる目的があることが大事なのかもしれませんね。

■柴田理恵さんと駒村多恵さんのそれぞれの介護への取り組み方の違いから見えてくるものとは?

柴田理恵「人生のしまい方を見せてもらっている」遠距離介護で感じた親との向き合い方(2022/7/12、Voice)

タレント駒村多恵さん 要介護5の母との2人暮らしを報告「仕事も介護もなんとかならないかな」(2022/7/6、なかまぁる)

2つの記事を読むと、親の介護の考え方や取り組み方も様々だと思い、考えさせられます。

柴田理恵さんの場合は、介護認定が要支援がいきなり要介護4になったタイミングで「東京に来る?」と尋ねたところ、「私の人生は私のもので、あんたの人生はあんたのもの。あんたが仕事を辞めて私の介護をするのは賛成しない」とお母さんに言われたことで、一緒に暮らして介護をする以外の選択肢を考える必要がありました。

駒村多恵さんの場合は、在宅介護はお母さんの希望であり、「母を支えたい一方、好きな仕事も辞めたくない。」ということで、介護と仕事を両立することを目指しました。

どちらが正しいというわけではなくて、介護に対する親の考え方と子の考え方によってこのパターンは様々に変化します。

ただ大事なことは親は自分の子供の幸せを望んでいるからこそ、親の犠牲になってほしいわけではないということ。

柴田さんのケースでは、親子だと本音で話してケンカをすることもあるので、介護のプロの方に間に立ってもらった方が物事がスムーズに進んでよかったようですし、駒村さんのケースでは介護について学びトライ&エラーを繰り返しながら、時には専門家からアドバイスをもらったりして、やりがいを感じているようです。

【参考リンク】

■まとめ

先ほどの2人のケースでは、介護の仕方として上手くいっているケースと言えます。

しかし、アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、女性の36%が介護を理由に仕事に就けていないそうです。

これは個人の幸せを考えると難しい問題であり、全てを個人の責任とするのは大変です。

問題となるのは、介護サービスを受けるための経済的な仕組みが不足していること、介護を必要とする高齢者の増加と介護期間の長期化です。

この問題を根本から解決するためには、若いうちから老後生活に対する準備をしていくこと、介護期間を短くすることに取り組まなければなりません。

■若いうちから老後生活に対する準備をしよう

老後保障と介護保障の十分な準備ができておらず老後生活の不安を抱えている|平成28年度生活保障に関する調査によれば、老後生活(老後保障)と介護(介護保障)となると、十分な準備ができておらず、不安を抱えているようです。

老後を夫婦2人で暮らしていく上で、「ゆとりある老後生活費」は月額34.9万円となっているのですが、老後保障・介護保障に関しては「充足感なし」と答えた人が7割を超えており、準備手段である個人年金保険の加入率や介護保険・介護特約の加入率をみても低水準であり、十分な準備ができていないことがうかがえます。

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることで紹介した厚生労働省の平成13年 国民生活基礎調査の概況にある「性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因」によれば、男性は25歳~34歳のころから「将来・老後の収入」(第4位)についての悩みを抱えているようです。

老後に対する不安を少しでも軽くするためにも、若いうちから金融に関する知識を身につけていくことが介護に必要な時が来たとしても余裕を思って対応できると思います。

■介護を必要とする期間を短くしよう

根本的な解決をするためには、介護を必要とする期間をいかに短くするかという対策を行なう必要があると思います。

●食事(栄養管理)

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

それでは、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省

地域在住の 70 歳代の高齢者を 3 年間観察したところ、3 年間の除脂肪体重の減少が、登録時の総エネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量に依存し、五分位で最もエネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量が多い群(平均91.0 g/日、1.2 g/kg体重/日)では、最も低い群(平均56.0 g/日、0.8 g/kg 体重/日)に比較し、交絡因子で調整後においても除脂肪体重の減少が 40% 抑制されていた 39)。

また、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは 3 年後の筋力の低下と関連し 40)、さらに高齢女性の 3 年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されている 41)。

日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされている 42)。

39)Houston DK, Nicklas BJ, Ding J, et al. Health ABC Study. Dietary protein intake is associated with lean mass change in older, community-dwelling adults : the Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study. Am J Clin Nutr 2008; 87 : 150─5.
40)Bartali B, Frongillo EA, Stipanuk MH, et al. Protein intake and muscle strength in older persons : does inflammation matter? J Am Geriatr Soc 2012 ; 60: 480─4.
41)Beasley JM, LaCroix AZ, Neuhouser ML, et al. Protein intake and incident frailty in the Women’s Health Initiative observational study. J Am Geriatr Soc 2010 ; 58: 1063─71.
42)Kobayashi S, Asakura K, Suga H, et al. High protein intake is associated with low prevalence of frailty among old Japanese women: a multicenter cross-sectional study. Nutr J 2013; 12: 164

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっていると考えられます。

低栄養はタンパク質が不足したことで起こると考えられますが、●たんぱく質(アルブミン)不足を予防するには、肉を食べるとよいそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?で紹介した熊谷修教授(人間総合科学大学人間科学部)によれば、肉をよく食べてアルブミンを上げたグループはほとんど食べないグループに比べて死亡リスクが低いそうです。

また、アルブミン値を上げるためには、鶏のささみよりも牛肉のほうが良いそうです。

それは、牛肉に含まれる「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることができるからなのだそうです。

お肉を選ぶ場合には、脂身のある肉(豚肉やもも肉)のほうが良いそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、「15の食生活指針」に沿った食生活を実践してもらったところ、アルブミンは増加し、血色素の低下も見られなり、つまり、栄養改善の効果があらわれたそうです。

  1. 3食のバランスをよくとり、食事を抜かずにきちんと食べましょう。
  2. 油脂類の摂取が不足しないようにしましょう。
  3. 肉、魚、乳製品、卵などの動物性たんぱく質を十分に食べましょう。
  4. 肉と魚の摂取は1:1の割合にしましょう。
  5. いろいろな種類の肉を食べましょう。
  6. 牛乳は毎日200ml以上飲むようにしましょう。
  7. 野菜は緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)や根菜(大根、ごぼう、いもなど)など、いろいろな種類を毎日食べるようにしましょう。
  8. 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯の量を減らしましょう。
  9. いろいろな調理のしかたや、食品の正しい保存法を覚えましょう。
  10. 酢、香辛料、香り野菜(ねぎ、にんにくなど)を十分に取り入れましょう。
  11. 調味料を上手に使い、おいしく食べましょう。
  12. 和風、中華風、洋風といろいろな料理を食べましょう。
  13. 家族や友人との会食の機会をたくさんつくりましょう。
  14. 噛む力を維持するために、義歯は定期的に点検をしましょう。
  15. 「元気」のための健康情報をすすんで取り入れましょう。

※2から6までの5項目が、低栄養を防ぐための動物性食品や油脂類の摂り方に関する項目です。

お肉はタンパク質が豊富で、実はバランス栄養食品です。

野菜よりも鉄分が豊富で、かつ肉は野菜より鉄分の吸収率が5から10倍高い。

またビタミンも豊富で、特にビタミンB1は豚ヒレ肉100gでレモンの17倍含んでいるそうです。

さらにミネラルも豊富なのだそうです。

→ アミノ酸の多い食べ物・食品|アミノ酸を効果的に摂取するにはアミノ酸スコアを知ろう!

ただ、あなたやあなたの家族の食事をどのようにチェックしたらよいかわからない人もいると思います。

そこで、最近取り上げられているのが、「10食品群チェックシート」です。

「10食品群チェックシート」は、様々な種類の食材が摂れているかをチェックするシートです。

  • 牛乳(チーズなど乳製品)
  • 大豆
  • 緑黄色野菜
  • 果物
  • 海藻

10食品群チェックシート|PDF(NHKチョイス@病気になった時)

http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/pdf/160430.pdf

10品目チェックシート|PDF(NHKためしてガッテン)

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf

【関連記事】

●口腔ケア・食事(食べ方)

●オーラルフレイル

オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学によれば、東北大学の松山祐輔歯科医師が行なった研究によれば、自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が長く、要介護でいる期間が短いことがわかったそうです。

食べこぼしやわずかなむせ、噛めない食品の増加というのは一つ一つを見るとささいなことですが、こうした症状が合わさって起こるということは口腔機能の低下のサインであり、オーラルフレイルという口腔機能低下を含む身体の衰えの一つです。

オーラルフレイルについて調べていたところ、「オーラルフレイル仮説」という考え方があることを見つけました。

オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)
オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)

参考画像:食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)|スクリーンショット

食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)によれば、オーラルフレイル仮説とは「前フレイル期」「オーラル・フレイル期」「サルコ・ロコモ期」「フレイル期」と4つのフェーズ(段階)に分かれていて、フェーズが移行するに伴い、QOLの低下・日常生活機能の低下、病気にかかりやすくなる、服薬する薬の種類が増えていくという考え方です。

ポイントとなるのは、第1期の「前フレイル期」と第2期の「オーラル・フレイル期」の段階で、歯磨きをしっかり行う、歯科医院に定期的に通ってチェックしてもらうなどいかに対策を行なっていくかということです。

この考え方が浸透すれば、定期的な歯科医院でのチェックで、サルコペニアやロコモティブシンドローム、フレイルに移行する前に、何らかの対策が必要であることを促すという流れができることにより、要介護状態になることを防ぐことができるようになるかもしれません。

●嚥下障害

要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操)で紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の約6割に咀嚼(そしゃく。かむこと)や嚥下(えんげ。飲み込むこと)に問題があるそうです。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

また、ドライマウスにも気を付けましょう。

2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

嚥下障害と誤嚥性肺炎

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

【関連記事】

嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

【参考リンク】

●運動

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことをいいます。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

ロコモティブシンドロームを予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。

それが、介護予防にもつながる。

痛みに対する治療だけでなく、日頃から筋力を強化することで運動の状態を維持していくことが、大事なようです。

毎日運動している人としていない人との間には体力に大きな差がある!?|2014年度体力・運動能力調査で紹介したスポーツ庁の2014年度体力・運動能力調査によれば、高齢者(65~79歳)で、ほとんど毎日運動している人と運動をしない人では、体力に大きな差があることがわかりました。

記事の中には、ロコモティブシンドロームの予防に取り組む目安の五項目が紹介されています。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

日本整形外科学会は、予防に取り組む目安として五項目を紹介している。

片脚立ちで靴下がはけない
▽階段を上るのに手すりが必要
▽横断歩道を青信号で渡りきれない
▽十五分くらい続けて歩けない
▽家の中でつまずいたり滑ったりする-。

この5項目のうち、一つでも当てはまる人は、ロコモティブシンドロームを予防するロコモーショントレーニングを薦めているそうです。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

効率よく筋力強化ができるのが目を開けての「片脚立ち」。

松井医長によると、片脚立ちは両脚立ちに比べ二・七五倍の負荷がかかり、一日三回、左右一分間の片脚立ちは、約五十三分間の歩行に相当するという。

支えが必要なら、机に手をついて行ってもよい。

「スクワット」はお尻を低く下ろせばより筋力が鍛えられるが、継続するには浅い角度の方が安全だ。

脚はかかとから三〇度くらい外側に開き、体重が脚の裏の中央にかかるように意識する。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。







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