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触感覚を仮想的に再現できるシステムで医療が進歩する?

Brooke Army Medical Center performs first robot-aided pediatric surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




NHKと東大、物体の硬さなどの感覚も仮想的に再現できるシステムを開発

(2014/5/22、マイナビニュース)

NHKと東京大学(東大)は5月22日、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを開発したと発表した。

<中略>

東大が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレイを組み合わせることで、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムを実現することに成功したという。

NHKと東大は両者の技術を組み合わせて、触感覚を仮想的に再現できるシステムを開発したそうです。

視覚と聴覚に関するものはどんな遠隔地でも伝えることができるようになりましたが、今回は、触覚を再現するシステムが実現したそうです。

遠隔地医療でどうしても簡単に診察できない人に対して、視覚と聴覚ではどうしても限界が出てきます。

そこで、今回の触覚を再現できるシステムがあれば、触診ができるようになるかもしれません。

もちろん直接手で触れることから比べると圧倒的に情報量は少ないでしょうが、物体の形状と硬さが判断できる技術で何らかの違いがわかるようになれば、それはひとつのデータとして活用できるのではないでしょうか。







【関連記事】

【追記(2015/7/9)】

■仮想力覚提示デバイス「Traxion」

ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界

(2015/7/3、Sensors)

「Traxion」は、すごい力で押されたり、引っ張られたりするような「力」を体験できる装置なのだそうです。

他人の「触覚」を伝達することができることによって、医学に活用されるようになるかもしれません。

Google Glass(ウェアラブル端末)で医療が変わる?

Google glass front

by Bill Grado(画像:Creative Commons)




Google Glassで手術――医療も変える「ウェアラブル端末」の衝撃

(2013/10/31、TechTarget)

Google Glassを医療現場で活用しようとする取り組みを先導するのは、外科医だ。米オハイオ州のある外科医は、Google Glassを使い、外科手術の模様を同僚の端末へライブストリーミングした。この例では、Google Glassは主に、その外科医の視界にあるものの映像を同僚へ提供する手段として使われた。

同様に、米ベスイスラエルディーコネス医療センターの麻酔専門医、デビッド・ファインスタイン氏は、オランダのKoninklijke Philips(Royal Philips)との協力により、Google Glassを利用して以下の作業を行った。

  • データクエリを実行。ファインスタイン氏は、Google Glassで音声コマンドを使い、ベスイスラエル医療センターの電子カルテ(EHR:電子健康記録・生涯医療記録)に保存されている患者データを引き出せることを確認

  • 音声コマンドで医療機器を制御

  • 手術中に、Google Glassの視界の右上に、患者の生命兆候を随時表示

  • ハンズフリーで情報を取得し、最終的に患者のデジタル記録として保存

別にGoogle Glassを使わなくても同様のことはおそらく代用できるものがあると思います。

ただ、Google Glassを医療用で使うことで一歩先の何かが生まれるような予感もします。

まだまだGoogle Glassのようなウェアラブル端末は始まったばかりで、慶應義塾大学の講義で堀江貴文さんも言っていたように、UI(ユーザーインターフェース:機械を扱う利用者と機械とで情報を伝達・やりとりしあうための手段)には改善の余地が大いにあるようです。

これからぜひ注目したい分野です。







【関連記事】

【参考動画】

アフリカでは、携帯電話は医療に活用されている。

John on Mobile Phone

by David Dennis(画像:Creative Commons)




日本とアフリカでは、どちらが医療が進んでいるのでしょうか。

今回紹介する本を読むまでは、考えるまでもなく、「日本」と答えていたことでしょう。

しかし、「アフリカ 動き出す9億人市場」を読むと、もしかするとある面ではアフリカが日本よりも進んでいる点があるのではないかと考えさせられます。

アフリカ 動きだす9億人市場

アフリカ 動き出す9億人市場(著:ヴィジャイ・マハジャン、英治出版、2009)

ルワンダでは、携帯電話は医療に活用されている。

アメリカの企業ボクシーバが構築したシステムを使い、僻村の医療従事者は現場から携帯電話を使って診断書を直接送信できる。

このシステムにより、HIV/エイズの患者の経過観察を行い、国内340箇所の診療所のうち75%をつないで合計3万2000人の患者を見ることが可能になっている。※

ショートメール、音声メッセージ、インターネットからの入力にも対応可能だ。

診療所はシステム経由で検査結果や薬品のリコール警告などを受信することもできる。

※Neil Ford, “Record FDI for Africa,” African Business, January 2008, 24

 

そして、比較する意味で、日本での医療にインターネットを活用するケースをご紹介します。

在宅医療情報、ネットで共有…医師・看護師・ケアマネら

(2011/7/21、読売新聞)

横浜市南区の診療所「睦町クリニック」(朝比奈完院長)を中心に在宅医療を行っている医師や看護師、ケアマネジャーらが、インターネットの情報共有サービスを使って、患者の病状を共有する試みに取り組んでいる。

同じ患者宅を訪問する別々の事業所のスタッフが、常に情報を共有できるようにするのが狙い。

日本の医療システムは最先端なんだろうなと漠然と思っていましたが、2つの文章を比べても、アフリカが遅れているという印象は受けないどころか、かえってアフリカから医療システムにおいて学ぶところも多いように感じます。

 

なぜこれほどアフリカが進んでいるように感じるのでしょうか。

この答えは、『アフリカ 動き出す9億人市場』を読むと、次のように考えられます。

「何か新しいことを始めるにあたってこの大陸が持つ利点の一つが、跳躍力です。

アフリカは世界中のどこかで生まれた最優良事例を活用し、さらにその上の段階へと進むことができる。

二番手に甘んずることはないのです。」

アフリカはいろんな国々が徐々に進んできた道を飛び越えて、その上の段階に進むことができるのです。

アフリカでは、インフラが日本のように整っていなかったからこそ、携帯電話のようなツールを活用して飛躍しているのです。