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アフラックと日立製作所、尿中代謝物によるがんの識別技術の活用方法、がんの早期発見・早期治療を促進する新しい保険商品・サービスを作り出すための検討を開始




尿中代謝物の網羅的解析により、健常者、乳がん患者および大腸がん患者の尿検体の識別に成功|日立製作所
尿中代謝物の網羅的解析により、健常者、乳がん患者および大腸がん患者の尿検体の識別に成功|日立製作所

参考画像:尿中代謝物の網羅的解析により、健常者、乳がん患者および大腸がん患者の尿検体の識別に成功(2016/6/14、日立製作所ニュースリリース)|スクリーンショット

アフラックと日立が、がんの早期発見・早期治療社会をめざした協創を開始

(2017/7/26、日立製作所ニュースリリース)

1.尿中代謝物によるがんの識別技術の向上に向けた検討

2.がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けたがんの識別技術の活用方法を検討

3.新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討

アフラックと日立製作所は、日立が持つ尿中代謝物によるがんの識別技術の活用方法、がんの早期発見・早期治療を促進する新しい保険商品・サービスを作り出すための検討を行なっていくそうです。

以前、尿の代謝物で乳がん・大腸がんを識別する世界初の技術開発|日立・住商ファーマ(2016/6/15)では、日立製作所、住商ファーマインターナショナル、住友商事は、尿の中の代謝物の網羅的な解析により、健常者と乳がん患者および大腸がん患者の尿検体を識別する基礎技術の開発に成功したと発表しました。

具体的に言えば、尿から糖や脂質などの代謝物を検出し、そこからがん患者を識別するバイオマーカー候補となる物質を絞り込み、成分の含有量の違いから、健康な人とがん患者の尿を識別することができるようになったそうです。

今回はその技術を活用した取り組みを行なっていくようです。

現在、がんは日本における死因の第1位*2で、生涯のうちに約2人に1人が罹患する*3と推計されています。早期発見での治療ほど治癒する可能性が高いことから、厚生労働省の「がん対策推進基本計画*4」の施策では、積極的ながん検診の受診が促されています。一方、日本のがん検診の受診率は約30%から50%*5と欧米諸国と比較すると低い状況にあり、内閣府の調査*6によると、その理由として、「受ける時間がない」「検査に伴う苦痛に不安がある」といった声があげられています。

*2厚生労働省 「平成28年(2016年)人口動態統計の年間推計 (2016年12月)」
*3国立がん研究センター「最新がん統計(2016年8月)」
*4厚生労働省(2012年6月)
*5厚生労働省 「平成28年 国民生活基礎調査」 性別およびがんの種別ごとにみたがん検診の受診状況のこと。
*6内閣府「がん対策に関する世論調査(平成28年11月)」

がんは早期発見・早期治療を行なうことが大事であるため、がん検診を受けることが大事なのですが、平成28年国民生活基礎調査によれば、日本のがん検診受診率は上昇傾向にあるものの、欧米諸国に比べて低い水準にあります。

その理由として、例えば乳がん検診でいえば、痛みに対する不安のために受診をしないというのが理由として挙げられています。

尿中代謝物解析によるがんの識別技術はこの乳がん検診の前段階として活用されることが期待されます。

例えば、乳がん検診に興味はあるものの、乳がん検診をする時間がない人や痛みに対する不安がある人に対して、尿中代謝物解析によるがんの識別技術を活用したプレスクリーニング検査を行なってもらい、気になる数値が出た場合には、さらに詳しい検査をしてもらうような仕組みにすることができれば、負担が少ない形でのがん検診を受ける流れになっていくのではないでしょうか?




■まとめ

尿でがん検査を行うというのは、患者にとっても肉体的に負担が少ない方法ですので、大変期待されます。

今回のようなアフラックと日立の取り組みによって、がん検診に対するハードルをできるだけ低くしていき、がん検診による肉体的・経済的負担を少なくしていくことによって、少しずつがん検診に関心を持つ人が増えていくと思いますので、頑張ってほしいですね。

それにしても、日立は、尿中代謝物解析によるがんの識別技術によりがん検診を受けてもらうように関心を持ってもらい、360度の方向から計測し高精度の乳がん検診を行うことができる超音波計測技術で乳がん検診を行なうというように乳がん検診に積極的に取り組んでいるように感じます。







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食道がん、野菜と果物で危険半減|アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下|厚労省研究班

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■野菜と果物で食道がんのリスクが低下

<食道がん>野菜と果物で危険半減 厚労省研究班

(2008/8/14、毎日新聞)

野菜と果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、食道がんになる危険性がほぼ半減することが、厚生労働省研究班(担当研究者、山地太樹・国立がんセンター予防研究部研究員)の調査で分かった。

厚生労働省研究班によれば、野菜と果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、食道がんになる危険性がほぼ半減するということが分かったそうです。

野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

野菜・果物の高摂取グループでは、低摂取グループに比べ食道がんのリスクがほぼ半減していました。野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下していました。

この研究でのポイントは、くだものを多く摂取するグループや野菜を多く摂取するグループよりも、野菜・果物の両方の摂取量が多いと、食道がんのリスクが低下しており、野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下しているということです。

■アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下

野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

野菜・果物の種類別には、キャベツ・大根・小松菜などが含まれる十字花科の野菜でのみ統計学的に有意な関連がみられました。十字花科の野菜は、実験研究などで発がんを抑制するとされるイソチオシアネートを多く含んでいるという特徴があります。

また、野菜・果物の種類別では、キャベツや大根などのアブラナ科の野菜の摂取がよいそうで、アブラナ科の野菜は、がんを抑制するとされる成分『イソチオシアネート』を多く含むため、効果があるのではないかと考えられるそうです。

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■抗酸化作用を持つイソチオシアネートでがん予防

アブラナ科の野菜「クレソン(米Watercress、仏cresson)」には抗酸化作用を持つ「イソチオシアネート(Isothiocyanate)」という栄養素が含まれているそうです。

イソチオシアネートが体内に入ると、抗酸化物質が大量に作られ始め、抗酸化物質が、全身の細胞内にある有害な活性酸素を無毒化してくれることにより、がんの発生を抑制してくれると考えられるそうです。

国際がん研究機関(IARC)によれば、ブロッコリー・キャベツ・クレソンなどアブラナ科の野菜ががんリスクを減少させると発表されているそうです。

アブラナ科の野菜には「イソチオシアネート」が含まれているのですが、その中でもクレソンに豊富に含まれているそうです。

がん予防に効果的な一日の摂取量についてはまだわかっていないそうですが、定期的に摂取することでがん予防に効果的だと考えられるそうです。

→ 抗酸化食品|抗酸化作用とは・抗酸化物質 について詳しくはこちら

■まとめ

野菜や果物を積極的にとって病気を予防しましょう。

*なお、アブラナ科の野菜には青汁で有名なケールも含まれます。







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細胞同士の反発の原理を活用したがん細胞が組織から排除される仕組みの解明|#京都大学

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■細胞同士の反発の原理を活用したがん細胞が組織から排除される仕組みの解明|京都大学

Rush hour in London

by SarahTz(画像:Creative Commons)

「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除される
「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除される

参考画像:がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明 -神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す-(2016/12/26、京都大学ニュースリリース)|スクリーンショット

がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明 -神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す-

(2016/12/26、京都大学ニュースリリース)

今回の研究ではショウジョウバエの眼の上皮細胞を使い、正常組織中に生じたがんの元になる細胞を排除するのに必要な遺伝子を探索しました。その結果、「Slit」や「Robo」といったタンパク質を作り出す遺伝子を破壊すると、変異細胞が排除されなくなることがわかりました。

 さらに、「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除されることがわかりました。

井垣達吏 生命科学研究科教授、John Vaughen 同研究生(現スタンフォード大学大学院生)らの研究グループは、「Slit」と「Robo」と呼ばれる2種のタンパク質の神経系細胞同士を反発させる性質を利用してがん細胞を排除しているというメカニズムを明らかにしました。




■まとめ

正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学では、北海道大学藤田恭之教授が2005年に「がんの初期段階で、正常な細胞が隣接するがん細胞を認識し、血管などの管腔側にはじき出す能力がある」と発見したと紹介しました。

この時には、細胞には”おしくらまんじゅう”のように、正常な細胞ががん細胞を認識してはじき出す能力があるんだなと感じたことを覚えています。

がんの元になる変異細胞が正常細胞に囲まれると、「細胞競合」と呼ばれる現象によって変異細胞が組織から排除されます。この現象は、細胞間コミュニケーションを介した新たながん抑制メカニズムとして注目されています。

今回発見したメカニズムを利用することができれば、がん細胞だけを正常な組織から排除するという新しいアプローチのがん治療につながることが期待されますが、正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学の中でいくつかの疑問が浮かんできたのを覚えています。

  • なぜ正常細胞からがん細胞が生まれるのか(意味のないことがあるのだろうか)
  • 正常細胞ががん細胞を認識し、駆逐する能力があるのであれば、なぜそれが失われてしまうのか
  • 社会性という視点で語るのであれば、排除するのではなく、それをも受け入れて、不活性化するなどの対策の方法はないのだろうか

がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明―神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す―

(2016/12/26、京都大学ニュースリリースPDF)

本研究の成果は、異常な細胞や不必要な細胞を積極的に組織から排除する現象に普遍的に関わる可能性があり、基礎生物学だけではなく関連する医学研究にも寄与する、射程の長い成果だと考えられます。

異常な細胞や不必要な細胞を積極的に組織から排除する現象がなぜ起こるのか、そして、それがなぜできなくなるのかといったことを解明することが様々な研究に活用できることが期待されます。







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肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|アスピリンのような抗炎症薬でがん予防的治療ができる可能性|北海道大学【論文・エビデンス】

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■肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|アスピリンのような抗炎症薬でがん予防的治療ができる可能性|北海道大学

肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|北海道大学
肥満マウスは慢性炎症・脂肪酸代謝異常によって初期がん細胞の排除が起こりにくくなり、がんのリスクが高まります。抗炎症剤を与えると初期がん細胞の排除機能が回復し、初期のがん細胞が周囲の正常細胞によって体外に押し出され、がんが予防される。

参考画像:肥満が発がんを促進する原因の一端を解明~がん予防的治療薬の開発に期待~(2018/4/25、北海道大学)|スクリーンショット

肥満が発がんを促進する原因の一端を解明~がん予防的治療薬の開発に期待~

(2018/4/25、北海道大学)

今回の研究では,独自に樹立したマウスモデルシステムを用いて,肥満がどのように細胞競合現象に影響を与えるかについて,検討を行いました。

普通食を与えたマウスでは,がんを誘発する Ras 変異細胞が組織から体外へと積極的に排除されました。

一方,肥満マウスでは,すい臓と小腸において変異細胞の体外への排除が抑制され,組織に残ってしまうことがわかりました。

特にすい臓では,1ヶ月後には残存した変異細胞が増殖して小さな腫瘍の塊を形成しました。

肥満マウスで変異細胞の組織からの排除が弱まる原因が,肥満による脂肪酸代謝の亢進と慢性炎症の2つであることも明らかになりました。

北海道大学遺伝子病制御研究所の藤田恭之教授らの研究グループは、肥満が発がんを促進する原因の一端を解明することに成功しました。

正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学(2015/11/26)では、北海道大学・藤田恭之教授は、2005年に「がんの初期段階で、正常な細胞が隣接するがん細胞を認識し、血管などの管腔側にはじき出す能力がある」と発見しており、長い間ブラックボックスとされてきた「がんの初期段階で何が起きているか」の解明を進めるプロジェクトを紹介しました。

正常細胞ががん細胞を駆逐するメカニズムを解明したい!

これまでの研究では、がんの超初期段階において正常細胞層の中にがんを誘発する変異が生じた時に、新たに生じた変異細胞と周囲の正常細胞との間に「細胞競合」という互いに生存を争う現象が生じ、その結果、変異細胞が体外へと排出されることが明らかになっていたそうです。

今回の研究によれば、肥満マウスに抗炎症剤であるアスピリンを投与すると、変異細胞の組織からの排除が増加しており、脂肪酸代謝変化と慢性炎症が細胞競合現象を抑制することが、肥満によるがん発生亢進の原因の一つである可能性が示されました。

アスピリンの服用で大腸や胃などの消化管がん発症リスクが減少によれば、看護師や医療従事者の約13万6000人を対象とした健康調査で収集された32年分相当のデータを分析したところ、週に2回以上アスピリンを定期的に服用している人はがんの発症リスクが低くなっていることがわかったおり、アスピリンの使用によって、大腸がんリスクが19%、各種の消化管がんのリスクが15%減少したそうです。

つまり、今後、肥満で慢性炎症や脂肪酸代謝異常がみられる場合、アスピリンのような抗炎症薬を与えることにより、初期のがん細胞を周囲の正常細胞によって体外に押し出すことによりがんを予防する治療法が開発される可能性があります。







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#味の素、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売|4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加

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■#味の素、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売 4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加

味の素(株)、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売 4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加
味の素(株)、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売 4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加

参考画像:味の素(株)、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売 4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加(2017/10/12、味の素プレスリリース)|スクリーンショット

味の素(株)、1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」新発売 4年以内の糖尿病発症リスク等を評価する検査を追加

(2017/10/12、味の素プレスリリース)

 血液中のアミノ酸濃度バランスは健康な人では一定に保たれていますが、病気になるとそのバランスが変動します。当社は、さまざまな疾患で特徴的な変動を示す血液中のアミノ酸濃度バランスに着目し、現在の健康状態や病気の可能性を明らかにする技術を研究・開発しました(「アミノインデックス技術」)。このたび、この技術を応用し、生活習慣病の発症リスク等を評価する「AILS(糖尿病リスク)」と「AILS(アミノ酸レベル)」を開発しました。

味の素は1回の採血で現在がんである可能性を評価する従来の「AICS®」に、“4年以内の糖尿病発症リスク”と“血液中の必須・準必須アミノ酸濃度に基づく栄養状態”の評価等を行う「アミノインデックス® 生活習慣病リスクスクリーニング(AILS:エーアイエルエス)」を追加した「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」の販売を開始しました。




【補足】「アミノインデックス® がんリスクスクリーニング(AICS®)」

血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんである可能性を評価する検査。2011年4月よりサービスを開始し、2017年8月末時点で、人間ドックを中心に全国で約1,300の医療施設で採用。1回の採血で、男性では5種類のがん(胃がん肺がん大腸がん膵臓がん、前立腺がん)、女性では6種のがん(胃がん肺がん大腸がん膵臓がん乳がん、子宮がん・卵巣がん)の可能性を評価する。早期のがんにも対応。

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■背景

現代の日本人は過剰栄養と不足栄養が同時に存在している問題に直面しています。過剰栄養は運動不足を伴うことで肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクを増大させます。2016年に実施された厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる患者は約1,000万人、糖尿病の可能性が否定できない予備軍は約1,000万人と推定されています。糖尿病の予防には、発症の前段階で食生活や運動習慣を見直し、健康な状態に戻すことが大切だと言われています。
 その一方で、戦後、欧米型の食習慣へ変化したことにより、日本人のたんぱく質と脂質の摂取量は増加しましたが、近年は高齢者の食べる機能の低下に起因する食欲低下による不足栄養や間違った知識に基づくダイエット等により、たんぱく質摂取量が減少しています。2015年のたんぱく質の平均摂取量は、2000年比で男女共に約11%減少しています(厚生労働省「国民健康・栄養調査」)。たんぱく質は体をつくる最も大切な栄養素で、その不足はロコモティブシンドロームや貧血、免疫力低下と関連があります。

このプレスリリースでは、”過剰栄養と不足栄養が同時に存在している問題に直面にある”とありますが、「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!では、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっているという仮説を考えました。

「糖尿病が強く疑われる人」が調査以来初めて1000万人(推計)に到達|厚生労働省調査で紹介した厚生労働省による1万1000人余りを対象に行った血液検査によれば、糖尿病が強く疑われる人が全国で約1000万人に上ると推計されたそうです。

糖尿病の増加の主な要因は高齢化にある!?高齢化除けば有病率変わらず|埼玉医大で紹介した野田光彦埼玉医大教授(内分泌・糖尿病内科)らのチームによれば、日本人の糖尿病有病率について、人口の高齢化の影響を除いて分析する「年齢調整」と呼ばれる計算法で推計したところ、糖尿病の有病率は過去20年でほとんど変わっておらず、糖尿病の増加の主な要因は高齢化ではないかと考えられ、日本の糖尿病対策では高齢患者に重点を置いたほうがよいと指摘しています。

つまり、糖尿病増加のポイントは、生活習慣の改善も大事であると同時に、「高齢化」がカギになっています。

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

厚生労働省によれば、「フレイル」とは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態であり、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきましたが、今回のプレスリリースでもあるように、肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

つまり、糖尿病患者の増加もタンパク質不足も「高齢化(高齢者)」におけるフレイルに最適化された食生活の移行ができていないことが関係していると考えられるのです。

■AILS(アミノ酸レベル)とAILS(糖尿病リスク)

AILS(アミノ酸レベル)は、食事から摂る必要がある10種類の必須・準必須アミノ酸の血液中の濃度を測定し、たんぱく質の構成成分であるアミノ酸が体内で不足しているかどうかを評価します。1,890名の血液中の必須・準必須アミノ酸濃度を測定し、その結果をもとに偏差値化しました。偏差値30未満を「低値」と設定し、10種の必須・準必須アミノ酸のいずれか1つでも低値になった場合に、AILS(アミノ酸レベル)が「低い」と評価します。

一般的に、低栄養の診断にはアルブミンや体重の減少割合等が基準として用いられますが、これらの診断基準で判定されるのは重度な低栄養状態です。

AILS(アミノ酸レベル)は、深刻な状態に陥る前の、日常でも起こりうるアミノ酸不足について評価することができるのがポイントです。

→ アミノ酸の効果・効能・種類 について詳しくはこちら

 AILS(糖尿病リスク)は、「ランクA」「ランクB」「ランクC」の3ランクに分類されます。AILS(アミノ酸レベル)は「通常」「低い」で評価されます。この2つの評価項目の結果のうち、AILS(糖尿病リスク)で「ランクB」「ランクC」に該当する場合を同じカテゴリとし、タイプⅠ~Ⅳの4つに分類し、検査結果報告書に表示します。それぞれのタイプに応じて“生活改善ガイド”の冊子を用意し、受診者に情報提供を行います。

  《生活改善ガイド記載例:タイプⅣへの主な推奨内容》
 エネルギー過多だが必要なたんぱく質は足りていない可能性があり、食生活と運動習慣を根本から見直す。
 ○太らない、内臓脂肪をつけない
 ○食物繊維と良質なたんぱく質を意識した食事
 ○日頃の活動量を増やし筋肉をつける

AILS(アミノ酸レベル)は「通常」「低い」で評価され、AILS(糖尿病リスク)は「ランクA」「ランクB」「ランクC」で分類されます。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら

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■まとめ

1回の採血で生活習慣病発症リスクと現在のがんの可能性を評価する「アミノインデックス® リスクスクリーニング(AIRS)」によって、自分の現状を知って、生活習慣を見直すきっかけになるといいですね。







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