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2型糖尿病患者が糖尿病自己管理教育に関するチーム対抗のオンラインゲームをすると、血糖値(HbA1c)のコントロールが長期にわたって改善

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【目次】

■2型糖尿病患者が糖尿病自己管理教育に関するチーム対抗のオンラインゲームをすると、血糖値(HbA1c)のコントロールが長期にわたって改善

Games Playmanship

by Vincent Diamante(画像:Creative Commons)

Online team-based game helps patients with diabetes lower blood glucose

(2017/8/8、EureKAlert!)

HbA1c levels were tested at enrollment, six months and 12 months after the launch of the game. Overall, diabetes game participants had significant reductions in HbA1c levels (a drop of 0.74% compared to 0.44% for the control group). Patients who had the highest HbA1c levels before the game began (9% or more – an indication of high blood glucose and greater risk of diabetes complications) saw the most dramatic drops in HbA1c over the 12 month period.

ボストンヘルスケアシステムの研究チームが『Diabetes Care』に発表した研究によれば、2型糖尿病患者が糖尿病自己管理教育(DSME)に関するチーム対抗のオンラインゲームに参加すると、血糖値(HbA1c)のコントロールが長期にわたって改善できるということがわかったそうです。




■なぜ糖尿病自己管理教育に関するチーム対抗のオンラインゲームをすると血糖値のコントロールが改善されたのか?

The diabetes self-management education (DSME) game presents a player with a multiple-choice question related to glucose management, exercise, long-term diabetes complications, medication adherence and nutrition.

糖尿病自己管理教育(DSME)ゲームでは、グルコースの管理、運動、長期糖尿病合併症、薬物服用および栄養に関する複数の選択肢のある問題をプレイヤーに提示するそうです。

今回のポイントは、学習をチーム対抗でゲームを行なったことだと思います。

チーム対抗でゲームを行なうことにより、コミュニティと競争の意識が高まることで、学習効果が高まったのではないでしょうか。

1.ゲームによる効果

「#NOOM」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始で紹介した「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

今回の研究では、ゲームをすることをきっかけに、正解者が得られる「ポイント」の獲得、それに伴う勝利という報酬によって、学習効果が高まったと考えられます。

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2.チーム対抗による効果

新しい習慣に変える上で重要なのがそのモチベーションをいかに保たせるかということです。

これまでにも、ライバルがいた方がダイエットが継続しやすかったり、SNSのデータを共有したほうが走る距離やスピードが増すという記事を取り上げてきました。

社会的な「つながり」をダイエットに活用する|社会的な絆が強い人の影響を人は受けやすいによれば、近くに住んでいる人よりも社会的な絆が強い人の影響を人は受けやすいので、ダイエットを一緒に努力しているメンバーが時にはライバルとして、時には応援する人として、社会的絆が強くなればそれだけダイエットへの影響を強く与えることができます。

女性の脳の特徴を活かしてダイエット|ためしてガッテン(NHK)によれば、友達と一緒に運動をしたり、ダイエット情報(体重グラフ分析)の交換をすると、楽しくダイエットが出来るそうです。

女同士のウラの顔|ホンマでっかTV 4月25日によれば、女子にはグループで目標を立てて皆で協力した方が成績が伸びやすいそうです。

NASAの男女混成チームを見ると、成功の要因はチームのコミュニケーションがとれていること。

コミュニケーションを円滑にする女性特有の能力。

そして、目標を達成しようという男性が得意な能力。

それらがうまく組み合わさるとき、最強の力を発揮するチームが生まれるのではないか。

男性だけだと、競争が優先されるため、より遠くまで探査できるが、人命救助がおろそかに。

女性だけだと、お互いを気遣うあまり、探査が思うように進まない。
(「だから、男と女はすれ違う」より)

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ダイエットは仲間と一緒に取り組むと成功しやすい!?|米ベイラー医科大学で紹介した米ベイラー医科大学がおこなった調査によれば、ダイエットのモチベーションを保つのは一人では難しいようで、一緒にダイエットをしてくれる仲間を探すことがダイエット成功の近道なのだそうです。

SNSの友達とジョギングのデータを共有すると、走る距離が増える|米MITで紹介した米マサチューセッツ工科大(MIT)のチームがネイチャー・コミュニケーションズに発表した論文によれば、人はSNS上で共有されているウェアラブルデバイスで記録したジョギングの距離や速さのデータを見ると、走る距離やスピードが増すということが分かりました。

このように仲間やライバルとともに行なうことで、ダイエットが継続しやすかったり、SNSのデータを共有したほうが走る距離やスピードが増すように、チームというコミュニティができることで良い効果が生まれたと考えられます。

■まとめ

「ゲームのように遊びながら自然と健康管理ができる」アイデアが広まらない理由では、ゲーム・遊びながら健康になれたり、体を鍛えることができる方法が浸透しない理由として、アイデアに最適なものがまだできていないという理由を一つ挙げていましたが、今回の研究を参考にすれば、チーム対抗で病気・健康に対する自己管理について学習できるオンラインゲームをすれば、病気の予防につながる可能性が出てきました。

糖尿病以外の病気でも今回の研究結果と同じような成果が得られるのか試してもらいたいですね。







【参考リンク】
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