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10000時間の法則であなたも「本物」になれる?

Effort II

by Ramunas Geciauskas(画像:Creative Commons)




「努力できる人」は脳が違う

(2012/5/25、WIRED)

今回紹介した元記事は、退屈な作業をやりとげようとする意欲の強い人と、途中であきらめてしまう人がいるが、そうした人達の「脳の違い」を明らかにする研究について書かれています。

その記事の中で気になったのは以下の文章です。

10,000時間の練習(少なくとも5,000時間、多くて15,000時間)を費やし[マルコム・グラッドウェルは、どんな才能や技量も、10,000時間の練習を続ければ「本物」になるという「法則」を提唱している]、12年間の学校生活に耐え、下書きに次ぐ下書きを繰り返さねばならない。

近道は存在せず、才能に恵まれた者も、努力を続けなければならない。

練習は「選択できるオプション」というものではないのだ。

マルコム・グラッドウェルが提唱する1万時間の法則によれば、どんなに才能に恵まれた人でも1万時間の練習を続けることで本物になっているということです。

成功を収めることが出来る人物というのは、才能だけでなく、努力できる能力も持っているということなのでしょう。

成功する人が共通して持つ「グリット」という能力とは?によれば、成功する人が共通して持つ能力として、物事を最後までやり遂げる力が挙げられています。

「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。

IQの高さより自己鍛錬が大事によれば、持って生まれた才能(IQの高さ)よりも継続して努力することの方が学業の成績が伸びるという結果が出たそうです。

どんなに才能に恵まれていても、その才能を伸ばすための長期的・継続的な努力が足りなければ成功するのは難しいということであり、その力も才能だといえるということでしょう。

1万時間の法則については、Lifehacking.jpさんの記事がオススメです。

あなたも「天才」になれる? 10000 時間積み上げの法則

(2008/11/17、Lifehacking.jp)

10000 時間の積み上げは、なにも 10000 時間経たないと変化がないと言っている訳ではなく、常に上昇しながらの 10000 時間だからです。

■まとめ

自分が長い期間にわたっても苦なく努力し続けられること(分野)が、それこそが自分の才能なのでしょうね。

【追記(2013/1/17)】

人の能力は努力の集積の総量で決まる

(2013/1/14、東洋経済オンライン)

最近の実証研究で人間の能力は素質ではなく、実は努力の集積の総量で決まることが明らかになってきています。興味深いのが、ドイツの音楽学校のバイオリン学科における研究結果です。

将来、ソリストや一流の音楽家になるエリートたちを集団A、一応プロのオーケストラ団員になれるレベルの学生たちを集団B、プロとして食べていくのは難しいけれど音楽の先生にはなれるレベルの学生たちを集団Cとして比較した研究です。

それによると、バイオリンの練習量はA、B、Cともほとんど変わらず、1週間に51時間でした。練習量が同じなのに差がつくのは素質の差かと思われましたが、実は練習の内容が異なっていたのです。

AとBは51時間中24時間を1人で基本技術の反復練習を行っていたのに対して、Cの学生は9時間しか行っていませんでした。孤独でつまらない反復練習をいかに繰り返すか─それがスキルの向上に直結しているのです。プロの音楽家になれる者となれない者の差が、この孤独な練習時間の量にあったのです。

では、AとBの差は何か。バイオリンを職業にしようとする人たちは平均して8歳でバイオリンを始めています。つまり、音楽大学に入るまでに10年間バイオリンを練習してきているのです。それはAもBも変わりません。しかし、その10年間の練習時間に大きな差がありました。

Aの学生は10年間に平均して7400時間練習してきたのに対して、Bの学生の練習時間は5300時間だったのです。音楽大学に入るまでの約2000時間の練習量の差、これが超一流のエリート音楽家を支えていたわけです。

考えようによってはつまらないとも思える基本技術の反復練習はスキルの向上に欠かせないものであり、それを繰り返しできるかどうかがプロとアマチュアとの差。

そして、大学に入るまでの練習時間の差が、超一流のプロと普通のプロの差。

素質というものも大事なのでしょうが、それよりも努力できる才能が重要ということですね。

ただ、「1万時間の法則」が揺らいでいる!?でも書きましたが、ひたすら繰り返せばできるようになるわけではなく、どんなに努力しても努力する方向性が違っていたら才能は開花しません。

そのため、1万時間の法則については、努力の方向性をしっかりと分析・判断して、努力をし続けることが大事ということになります。







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IQの高さより自己鍛錬が大事|米ペンシルバニア大学

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by Grant(画像:Creative Commons)




「天賦の才能より自己鍛錬が勝るらしい」という研究結果

(2010/6/3、ライフハッカー)

米ペンシルバニア大学のある研究では、8年生(日本の中学2年生に相当)の生徒140名を対象に、調査を行いました。

生徒自身・親・教師へのアンケートや学業成績、難関校への入学試験結果、授業の出席状況などを分析したところ、自己鍛錬ができている生徒は、より高いGPAを出し、テストの点数も高く、難関校の入試にも合格しやすかったとか。

それらの生徒は、学校の欠席も少なく、宿題もきちんとこなし、テレビを視る時間も少なかったそうです。

そして、学業成績との因果関係について、さらに調査したところ、学業成績は、IQの高さよりも、自己鍛錬の有無のほうが、強い相関が認められました

また、IQが高い生徒と異なり、自己鍛錬できている生徒は、一年を通じて、成績が伸びる傾向にあることがわかったそうです。

記事によれば、持って生まれた才能(IQの高さ)よりも継続して努力することの方が学業の成績がのびるという結果が出たそうです。

自己鍛錬を続けるということも持って生まれた才能の一つということではないでしょうか。

マルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」で「一万時間の法則」が紹介されていますが、現在活躍している人々は、生まれつきの才能だけで成功を収めたのではなく、練習に1万時間を費やしたことにより、さらにその才能が開花しているそうです。

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持って生まれた才能を活かすには、やはり努力し続けることが大事ということだと思います。

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【教育 関連記事】

スポーツでの成功、「誕生月」が決め手の可能性=豪研究

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by Willy Lange(画像:Creative Commons)




今回紹介する記事は、「生まれ月(誕生月)」がスポーツでの成功の要因の一つであるという記事です。

スポーツでの成功、「誕生月」が決め手の可能性=豪研究

(2010/2/4、ロイター)

同大の生物医学研究センター(IHBI)の主任研究員エイドリアン・バーネット氏は、クイーンズランド大学の研究員アーネット・ドブソン氏との共著の中で、生まれ月がその人の健康状態や適応能力を左右する可能性があると分析している。

オーストラリアの新学期は1月から始まるが、バーネット氏によると、オーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)の選手には、年の前半に生まれた選手が12月など年後半に生まれた選手に比べて多い。

同氏はまた、共著書の出版元が発表した声明で「AFLで活躍するには背が高いことが明らかに優位」と指摘。

その上で、1月生まれならば年末近くに生まれたクラスメートとは成長にほぼ12カ月間の差が出て、1月1日生まれと12月31日生まれでは大きな違いがあるだろうと説明した。

バーネット氏は、同結果が、生まれ月と新学期がスタートする時期の近さとバレーボールやバスケットボールなどのプロスポーツ選手になる確率の関連を示した海外の研究とも整合すると述べた。

生まれつきとスポーツでの成功の関連性については、「天才!成功する人々の法則」(マルコム・グラッドウェル著)でも書かれています。

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新学期がスタートする時期と生まれ月が近い(日本で言えば4月生まれ)場合の方が、プロスポーツ選手になる確率が高くなるそうです。

子供の頃の身体能力は大きいですよね。

他の子供よりも早く生まれると、それだけ成長する時間が多く与えられるということになります。

また、身体能力が高いとそれだけコーチに選ばれる確率が高いと思います。

そうなると、より良い指導が受けられるようになり、人よりも素晴らしい指導と練習量によって、本当に優れた選手となる可能性が高まるのです。

才能と努力が優れた選手になる要因と思っていましたが、生まれた日という運も大事なのかもしれません。