by clarkmaxwell(画像:Creative Commons)
(2013/11/16、読売新聞)
日本小児科医会は、スマホ子守が乳幼児の心身の発達に影響があるかもしれないとして、スマートフォンの利用を控えるよう保護者に対し啓発活動を行うそうです。
スマホ子守によって、乳幼児の心身の発達にどのような影響が考えられるのでしょうか。
日本小児科医会の内海裕美常任理事は「乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供がぐずるとスマホを与えて静かにさせる親がよくいるが、乳幼児にスマホを見せていては、親が子供の反応を見ながらあやす心の交流が減ってしまう」と指摘する。また、画面をなぞるだけの仮想体験を重ねることが、手の機能や五感を育むことに影響を与えかねないと心配する。
ポイントをまとめてみます。
■親子間のコミュニケーション不足による影響
中流階級の家庭の子どもは貧しい家の子どもより2300万語多く言葉を聞いている?によれば、親子間のコミュニケーションは、子どもの将来に多大な影響を与えるそうです。
また、「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針によれば、親が喋らないと、子供は親の言葉を聞くことができないために、言語の発達が遅れてしまうそうです。
スマホに子守を頼むことによって、言語の発達やコミュニケーション能力、後の子育て(経験がないためか再び自分がされたことを子どもに繰り返してしまう可能性)にも影響を与えてしまうかもしれません。
■スマホだけの体験が増えることで、手の機能や五感に影響を与えるかもしれない
現代の幼児たちは、泳ぐことや「靴紐を自分で締める」といった技能を習得するよりもずっと早く、IT技術のスキルを覚えるそうです。
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スマホを使うことは、ITスキルを覚えることには良い影響を与えるかもしれません。
ただ、スマホだけに頼ると、五感を育むことに影響を与えてしまうかもしれません。
刺激の多い環境ほど脳の働きが活発になる仕組みが解明によれば、刺激の多い環境ほど脳の働きが活発になる(海馬の神経細胞の成長を促す)仕組みが解明されたそうです。
例:PCやスマホから離れて4日間自然の中で過ごすだけで想像力がアップする?
様々な五感体験を与えることが子供の成長にとって大事なのではないでしょうか。
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P.S.
子ども向けの多くのアプリは、報酬を与えたり、思いがけないタイミングで興奮するような視覚効果を見せることでドーパミンが放出されるように作られている。
そうすれば子どもたちが遊び続けるからだ。
<中略>
レゴブロックでは、完成したことを決めるのは子ども自身だ。一方、iPadではアプリが、課題が正しく達成されたかどうかを決める。研究者らは、この違いが子どもたちにどんな影響を与えるのかは不明だとしている。
アプリは子供が集中して遊び続けられるように作られていることから、集中力は身につけられるかもしれません。
ただ、アプリの場合は、課題達成を決めるのは、子ども自身ではなくて、アプリであり、そのことがどのように子供に影響をあたえるのかどうか(与えないかもしれない)わからないそうです。