干し芋が腸内環境の改善にどのように役立つかについて、論文ベースでわかりやすく説明します。
干し芋の作り方/ばあちゃんの料理教室/How To Make Dried Sweet Potato
これらが腸内細菌叢(マイクロバイオーム)にどのように影響するかを、関連する研究を基に説明します。
1. 干し芋の栄養成分と腸内環境
干し芋はサツマイモを原料とし、食物繊維、オリゴ糖、ポリフェノールなどの成分を含みます。
(1) 食物繊維の効果
干し芋には水溶性食物繊維(ペクチンなど)と不溶性食物繊維が含まれます。
サツマイモの食物繊維含量は生の状態で約2.3~3.0g/100g、干し芋では乾燥により濃縮され、約5~7g/100g程度と推定されます(データは品種や加工法により異なる)。
論文のエビデンス: 食物繊維は腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸(SCFA)である酪酸や酢酸の産生を促進します(Cummings et al., 2001, Gut)。
SCFAは腸粘膜のエネルギー源となり、炎症を抑え、腸のバリア機能を強化します(例: Koh et al., 2016, Cell)。
干し芋の役割: 干し芋の食物繊維はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の増殖をサポートし、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスを整える可能性があります。
特に不溶性食物繊維は便のかさを増やし、便通を改善することで腸内環境を整えます(Anderson et al., 2009, Nutrition Reviews)。
【補足1】
【腸活】「短鎖脂肪酸」を増やす「発酵性食物繊維」を多く含まれる食べ物/NHK「あさイチ」によれば、短鎖脂肪酸が増えると次のような効果があるそうです。
〇脂肪が燃えるので、やせ体質になる
〇免疫の暴走を抑えるので、アレルギー改善
〇ほうれい線などのシワを薄くする
〇自律神経が整い、ストレスが減り、疲れにくい体になる
短鎖脂肪酸を増やすためには「発酵性食物繊維」が多く含まれる食べ物をとることが大事。
※正確に言えば、発酵性食物繊維を摂り、腸内細菌が別の物質に変え、その物質を食べた腸内細菌(ビフィズス菌など)が「短鎖脂肪酸」を生み出してくれる。
【補足2】
日本人の食物繊維摂取量が少なくなっている!その理由とは?によれば、日本人における食物繊維摂取量のデータを見ると、食物繊維摂取量が減っていることがわかります。
その中でも穀類からの割合が減っていて、その理由としては米の摂取量が減ったことや雑穀を食べなくなっているからだと考えられます。
→ 食物繊維の多い食品 について詳しくこちら
(2) オリゴ糖(フラクトオリゴ糖など)
サツマイモには少量のオリゴ糖が含まれ、干し芋の加工過程でこれが濃縮される場合があります。
オリゴ糖はプレバイオティクスとして知られ、善玉菌の増殖を促進します。
論文のエビデンス: フラクトオリゴ糖はビフィズス菌やラクトバチルス属の増殖を促進し、腸内細菌叢の多様性を高めることが示されています(Gibson et al., 2004, Nutrition Research Reviews)。
また、オリゴ糖の摂取は便秘の改善や腸内pHの低下を促し、病原菌の増殖を抑える効果があります。
干し芋の役割: 干し芋に含まれるオリゴ糖は、善玉菌のエサとして機能し、腸内環境を改善する可能性があります。
ただし、含有量は加工法により異なるため、効果の程度は製品に依存します。
【補足3】
プレバイオティクスは消化管内で特定の腸内細菌に働きかけることでヒトに有益な効果をもたらす食品成分と定義されています。
例えば、プレバイオティクスの一種である食物繊維は腸内細菌に代謝されて短鎖脂肪酸など有益な代謝物を増加させることや食物繊維を多く含む食事は健康増進につながることも知られています
【補足4】
【#たけしの家庭の医学】腸内フローラを改善する方法|善玉菌のエサ・助っ人食材・食べ物・食品
(3) ポリフェノールと抗酸化作用
サツマイモにはクロロゲン酸などのポリフェノールが含まれており、干し芋でもこれが保持されます。ポリフェノールは抗酸化作用を持ち、腸内での酸化ストレスを軽減します。
論文のエビデンス: ポリフェノールは腸内細菌によって代謝され、フェノール性代謝物に変換されて腸の炎症を抑制する可能性があります(Cardona et al., 2013, Journal of Nutritional Biochemistry)。
また、ポリフェノールは特定の善玉菌(例: アッカーマンシア属)の増殖を促進し、腸の健康をサポートします(Dueñas et al., 2015, Food Chemistry)。
干し芋の役割: 干し芋のポリフェノールは腸内細菌叢にポジティブな影響を与え、腸の炎症を抑えることで間接的に腸内環境を改善します。
【補足5】
さつまいもダイエットの効果・方法(やり方)/広瀬アリスさんは朝ごはんと間食をさつまいもにしてダイエットによれば、サツマイモに含まれる「クロロゲン酸」(高い抗酸化作用のある栄養素)が肥満の原因となる糖分の吸収を防いでくれるそうです。
2. 干し芋の具体的な利点
便通改善: 食物繊維による便のかさ増し効果と水分保持効果により、便秘の予防・改善が期待できます(研究例: Slavin, 2013, Advances in Nutrition)。
善玉菌のサポート: 食物繊維とオリゴ糖がビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進し、腸内細菌叢のバランスを整えます。
低GI食品: 干し芋はサツマイモ由来の低GI(グリセミック・インデックス)食品であり、血糖値の急上昇を抑え、腸内環境に悪影響を与える可能性のある代謝ストレスを軽減します(Atkinson et al., 2008, Diabetes Care)。
【補足6】
■さつまいもは食物繊維が豊富で低GI食品
さつまいもは不溶性食物繊維を多く含みます。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を保持して便のカサを増やし、腸を刺激してぜん動運動を促す成分で、便秘解消に役立ちます。
また、さつまいもはGI値が低い食品です。
GI値とは、食後血糖値の上がりやすさの指標で、GI値が高い食品は血糖値が急激に上がりやすく、低い食品は緩やかに上昇します。
消化しやすい食品を食べると血糖値が急激に上がり、インスリンが大量に分泌され、残った糖を脂肪に変えてしまいます。
つまり、血糖値を急激に上げないことが、太りにくい体を作ることにつながるということです。
さつまいもは、食物繊維やポリフェノールの働きでゆっくりと糖質が吸収されます。
3. 注意点
糖分の濃度: 干し芋は乾燥により糖分が濃縮されるため、過剰摂取はカロリー過多や腸内での発酵過剰(ガス発生など)を引き起こす可能性があります。適量(1日50~100g程度)が推奨されます。
加工法の影響: 添加糖や油を使用した干し芋は腸内環境への効果が低下する可能性があるため、無添加のものを選ぶと良いでしょう。
個人差: 腸内細菌叢は個人差が大きく、干し芋の効果は人によって異なる場合があります(David et al., 2014, Nature)。
■まとめ
干し芋は食物繊維、オリゴ糖、ポリフェノールを含み、腸内環境の改善に役立つ可能性があります。
具体的には、善玉菌の増殖を促進し、短鎖脂肪酸の産生を高め、便通を改善することで腸の健康をサポートします。
科学的根拠に基づけば、適量の無添加干し芋を日常的に摂取することは、腸内細菌叢のバランスを整え、腸の炎症を抑える効果が期待できます。
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