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Apple、iPhoneのHealthアプリで医療記録を見ることができる機能を追加|複数の医療機関がベータ版に参加




【目次】

■Apple、iPhoneのHealthアプリで医療記録を見ることができる機能を追加|複数の医療機関がベータ版に参加

Apple、iPhoneのHealthアプリで医療記録を見ることができる機能を追加
Apple、iPhoneのHealthアプリで医療記録を見ることができる機能を追加

参考画像:Apple announces effortless solution bringing health records to iPhone(2018/1/25、Apple)|スクリーンショット

AppleはiOS 11.3 beta版のHealthアプリをアップデートし、ユーザーがiPhoneで医療記録を見ることができる機能をつけました。

従来では、患者の医療記録は複数の場所で保持され、患者は個々のウェブサイトにログインして、手動で情報をまとめなければなりませんでしたが、アップルは、電子カルテを転送するための標準であるFHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)に基づいた健康記録を作成し、カスタマーフレンドリーなアプローチを取るため、医療界(ヘルスケアコミュニティ)と協力しています。

β版には以下の医療機関が参加していると発表されています。

Johns Hopkins Medicine – Baltimore, Maryland
Cedars-Sinai – Los Angeles, California
Penn Medicine – Philadelphia, Pennsylvania
Geisinger Health System – Danville, Pennsylvania
UC San Diego Health – San Diego, California
UNC Health Care – Chapel Hill, North Carolina
Rush University Medical Center – Chicago, Illinois
Dignity Health – Arizona, California and Nevada
Ochsner Health System – Jefferson Parish, Louisiana
MedStar Health – Washington, D.C., Maryland and Virginia
OhioHealth – Columbus, Ohio
Cerner Healthe Clinic – Kansas City, Missouri




■Appleは医療記録のプラットフォームを目指している?

Appleは医療記録のプラットフォームを目指しているように感じます。

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日本では、厚生労働省が個人の医療データの一元管理を行なおうとデータの統合を行なっています。

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ICT医療においては、ICTを活用した個人の健康管理がスタートであり、カギとなります。

医療・健康分野におけるICT化の今後の方向性(平成25年12月、厚生労働省)によれば、

健康寿命を延伸するためには、ICTを利用した個人による日常的な健康管理が重要

だと書かれています。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)の略です。

ICTを活用した医療分野への活用の例としては次の通り。

  • 電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し活用する仕組み
  • 地域包括ケアシステム(電子カルテ情報を地域の診療所が参照する)
  • ICTを活用してレセプト等データを分析し全国規模の患者データベースを構築し、疾病予防を促進
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、2020年度には本格稼働させていくことが必要と提案されています。

健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

Layer1:つくる

  • 最新のエビデンスや診療データを、AIを用いてビッグデータ分析し、現場の最適な診療を支援する「次世代型ヘルスケアマネジメントシステム」(仮称)を整備。

Layer2:つなげる

  • 個人の健康な時から疾病・介護段階までの基本的な保健医療データを、その人中心に統合する。
  • 保健医療専門職に共有され、個人自らも健康管理に役立てるものとして、すべての患者・国民が参加できる「PeOPLe」(仮称)を整備。

Layer3:ひらく

  • 産官学のさまざまなアクターがデータにアクセスして、医療・介護などの保険医療データをビッグデータとして活用する。
  • 「PeOPLe」(仮称)や目的別データベースから産官学の多様なニーズに応じて、保険医療データを目的別に収集・加工(匿名化等)・提供できる「データ利活用プラットフォーム」(仮称)を整備。
医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療
医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、個人の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者自らが納得して選択できる医療、患者の満足度の高い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも「遠隔診療」、「AIを活⽤した診療」といったIoTやAI等の⾰新的技術を医療現場におけて利活用する取り組みが重要となるとあります。

このように、健康・医療・介護のデータを一元化して、ここからスタートしていき、IoTやAIなどのテクノロジーを活用した医療を行うようになっていくのです。

Appleのような企業がその役目を担うことができるのか、気になるところです。







【参考リンク】
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