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ヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは?|福岡県大川市の認知症予防の実証実験|神戸市の糖尿病性腎症等の重症化予防事業|八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業




■社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とは?

ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは、民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキーム|経済産業省
ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは、民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキーム|経済産業省

参考画像:地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)|スクリーンショット

「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のことです。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、インパクト投資についてこのように書かれています。

インパクト投資は、従来のビジネスとフィランソロピー(慈善活動のひとつで、困っている人を出さないようにする仕組みを作る)、そして投資収益とソーシャルグッド(社会貢献に類する活動を支援・促進するソーシャルサービスを含む社会的善行)をつなぐ架け橋である。

通常、新しい企業に投資をするときは、資金を最終的に回収したうえに、さらなる利益を手にすることを期待する。それに対して、非営利組織に資金を提供するときは、金銭的な利益は求めず、その資金でよいことが行なわれることだけを期待する。

インパクト投資は、その両方の良いところを与えてくれる。

つまり、ソーシャルインパクトボンドは、金銭的利益と社会貢献の両方を実現できる仕組みなのです。

【参考リンク】

社会的インパクト投資がヘルスケアの分野でも行われるようになっているそうです。




■福岡県大川市における認知症予防の実証実験

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|#サキドリ↑(NHK)では、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験を紹介しました。

福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したそうです。

実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

■神戸市における糖尿病性腎症等の重症化予防事業

地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)を参考にして、まとめてみたいと思います。

●テーマの抽出

  • 糖尿病腎症は第5期に至ると人工透析が必要となり、年間500~600万円の医療費を要する。
  • 神戸市における国保人工透析患者の年間医療費は約40億円であり、当該患者の約4割(約350人)が糖尿病性腎症。
  • よって、糖尿病性腎症の重症化予防は神戸市にとって重要な政策課題。従前より予防に取り組んでおり、成果の向上を目指してSIB導入を検討。

●成果と行政コストの因果関係の考え方

  • 腎症第5期の医療費が約500万円/人・年であるのに対して、第4期の医療費は約50万円/人・年。
  • 第5期への移行を抑制することによって、大幅な医療費削減(約450万円/人・年)が見込まれる。

●成果と成果指標の事例

神戸市における糖尿病性腎症等の重症化予防事業|ソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集|経済産業省
神戸市における糖尿病性腎症等の重症化予防事業|ソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集|経済産業省

参考画像:地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)|スクリーンショット

●資金調達手法に関する事例

神戸市における糖尿病性腎症等の重症化予防事業の資金調達スキーム|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省
神戸市における糖尿病性腎症等の重症化予防事業の資金調達スキーム|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省

参考画像:地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)|スクリーンショット

■八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業

●テーマの抽出

  • がん(悪性新生物)は、国内の死亡要因第一位であり、年々増加傾向。医療費増大の大きな要因。
  • 大腸がんは、がんによる女性の死亡原因の第一位。
  • 八王子市の国民健康保険が負担する大腸がん(確定診断後)の年間医療費は約6.5億円。(国民健康保険レセプトデータより。疑い例は除く。)
  • これに対し、八王子市はがん対策で全国的にも先進的な取組(有効性の確立したがん検診による早期発見)を実施しているものの、受診率の伸び悩みが課題。
  • 更なる成果の向上を目指してSIB導入を検討。

●成果と行政コストの因果関係の考え方

  • 早期以外のがん患者の医療費が約252万円/人・年であるのに対して、早期がん患者の医療費は約65万円/人・年。
  • 早期がんのステージ進行を抑制することによって、大幅な医療費削減(約187万円/人・年)が見込まれる。

●成果と成果指標の事例

八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率の向上事業|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省
八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率の向上事業|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省

参考画像:地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)|スクリーンショット

●資金調達手法に関する事例

八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業の資金調達スキーム|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省
八王子市における大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業の資金調達スキーム|ソーシャルインパクトボンド|経済産業省

参考画像:地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集(平成29年12月、経済産業省 平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業)|スクリーンショット

■まとめ

医療費、初の40兆円超え|予防医療に力を入れて医療費を削減しようによれば、高齢化や医療技術の高度化を背景に、平成25年度の国民医療費は40兆610億円と、7年連続で過去最高を更新し、初めて40兆円を超えました。

【関連記事】

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランによれば、健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、国や健康保険組合の財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

この状況を変えるためにも、大きく舵を切る必要があるのではないでしょうか?

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

この第三の波には「インパクト投資」も含まれているそうです。

「IoT」や「インパクト投資」といった「第三の波」で社会は大きく変化をしていきますが、社会問題を解決する手段として、一人の力ではなく、これからますますいろんな人たちとのパートナーシップが重要になってくるでしょう。

ソーシャルインパクトボンドは、金銭的利益と社会貢献の両方を実現できる仕組みなので、私たちが解決してほしいと思う社会問題に対して、私たち自身が投資をできるようになるといいですね。







P.S.
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トミーズ雅さん、大腸がん手術

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【目次】

■トミーズ雅さん、大腸がん手術

Roll of toilet paper

by D Coetzee(画像:Creative Commons)

トミーズ雅さんに大腸がんが見つかり、すでに手術を行っており、当面の間治療に専念するそうです。

トミーズ雅さんの記事を読むと感じるのは、病気のサインが出ているのに家族のことを考えたりして見てみぬふりをしてしまうこともあるかもしれないということ。

しかし、トミーズ雅さんの奥様が病院に行くことをすすめたことで、病気の発見につながりました。

一緒に病気と闘ってくれる家族がいることは勇気になるんですね。

病気のことを打ち明けることは勇気がいることかもしれませんが、勇気をもって伝えることで反対に勇気を与えてくれるのではないでしょうか?

■大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因

大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因であると考えられています。

大腸がんのリスクファクター|国立がん研究センター

大腸がんの大部分は腺腫性ポリープから発生するが,一方,ほとんどの腺腫性ポリープは良性であり,がん化するのは一部である.ポリープの大きさが大きければ大きいほど大腸がんになるリスクが高くなる.また,ポリープのできやすい人は,大腸がんになるリスクが高い.

ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高くなり、また、ポリープの出来やすい人は大腸がんになるリスクが高いことから、大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチといえます。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら




■大腸ポリープ・大腸がんを予防する方法

●葉酸

【みんなの家庭の医学】大腸がん予防に葉酸の多い海苔|10月20日によれば、大腸がんのリスクを高める大腸ポリープのできやすさと葉酸の濃度には関係があるといわれ、血液中の葉酸濃度の値が8ng/ml(ナノグラム)以上あれば、女性なら大腸ポリープの頻度が約2割減、男性なら約5割減するそうです。

■葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示している

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター

大腸発がんには、DNAのメチル化が関わっていると考えられています。適切なDNAメチル化の維持には、葉酸が重要な役割を果たしていることが知ら れています。葉酸は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)、メチオニン合成酵素(MTR)、メチオニン合成酵素還元酵素(MTRR)などの酵素群とビタミンB2、B6、B12などの補酵素群の働きにより代謝され、DNAのメチル化に必要なメチル基を供給しています(図1)。

葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取については、大腸腺腫との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。

大腸がんの発がんにはDNAのメチル化がかかわっていると考えられており、葉酸が重要な働きを果たしていると考えられますが、葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取と大腸線種との間に統計学的な関連は見られなかったようです。

メチオニン合成酵素 の遺伝子多型とアルコール摂取および葉酸摂取との間に交互作用を認めたことは、「葉酸代謝が大腸発がんの初期段階において重要な役割を果たしている」とするこれまでの研究結果を支持するものであると考えられます。

ただ、葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示していることは間違いないようです。

■葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られない

血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

これまでの研究では、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが示されていますが、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性があります。また、葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性を示す研究結果もあります。また、ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなるという研究結果もあります。

葉酸と大腸がんの関係については様々な研究が行なわれています。

  • 葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなる
    しかし、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性
  • 葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性
  • ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなる

多目的コホート研究では、男女とも、葉酸濃度が高くなっても、大腸がんリスクが下がるという関連はみられませんでした(図1)。また、飲酒量でグループ分けしても、結腸がんと直腸がんに分けて調べても、どのグループでも男女とも関連は見られませんでした。

国立がん研究センターが発表している多目的コホート研究によれば、葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られなかったそうです。

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニンは、生体内でのメチル代謝において、それぞれ異なる役割を担っています。アルコールやアセトアルデヒドはそれらの代謝経路を阻害したり、栄養素を破壊したりすることによって、大腸がん発がんの初期段階である遺伝子の低メチル化を引き起こすと考えられます。

今回、特にビタミンB6と大腸がんの関連が強かった理由として、日本人の一般的な食事からは葉酸やビタミンB12は十分取れるのに対し、ビタミンB6摂取量は不足していることが挙げられます。その最大の摂取源は白米ですが、茶碗1杯(約150g)に約0.03mgのビタミンB6しか含まれていません。ビタミンB6を多く含む食品(魚・ナッツ・穀類等)を積極的に摂取することが、大腸がんの予防につながる可能性があります。

日本人の一般的な食事からは葉酸は十分に摂取できるため、差が見られなかった可能性が考えられます。

→ 葉酸の多い食品 について詳しくはこちら

●お酒を控える

※正確に言えば、大腸ポリープではなく、大腸がんと飲酒との関係についてです。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコール摂取と大腸腺腫との間には、統計学的有意な正の関連が見られました(傾向性P = 0.04)。非飲酒グループに比べ、週300g以上飲酒している大量飲酒グループでは、大腸腺腫のリスクが約1.5倍上昇していました。

飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。

女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。

国立がん研究センターによれば、アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコールには、葉酸の腸吸収を阻害したり、腎排泄を促進したりする作用があるため、その摂取により体内の葉酸レベルが低下することが知られています。

アルコールによって、大腸がんのリスクが高くなる理由としては、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが知られており、アルコールの摂取によって葉酸レベルが低下することから大腸がんのリスクが増えると考えられます。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む トミーズ雅さん、大腸がん手術

やせない原因は腸にあった!?やせ型腸内細菌と肥満型腸内細菌|腸サビ|#世界一受けたい授業

2011年10月29日放送の世界一受けたい授業では、「やせない原因は腸にあった!?健康と美貌を維持する腸サビ&便相チェック!」を取り上げました。




【目次】

■ヤセ型腸内細菌と肥満型腸内細菌

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by Sara Ristić(画像:Creative Commons)

ダイエットしてもなかなかやせない人や、あまり食べないにもかかわらず太っている人は、その原因が腸にあるかもしれないそうです。

辨野 義己先生によれば、腸内細菌の中に「肥満型腸内細菌」と「やせ型腸内細菌」がいることが分かってきたそうです。

肥満型腸内細菌とヤセ型腸内細菌は両方とも誰もが持っており、同じものを食べていても、肥満型腸内細菌が多い場合は、栄養の吸収をどんどん促進させて肥満になってしまうのだそうです。

ヤセ型腸内細菌を多く持っている人は太りにくい体質ということになります。

米ワシントン大学の研究によると、肥満型腸内細菌を与えたマウスとやせ型腸内細菌を与えたマウスを同じエサで育てた実験で、肥満型腸内細菌を与えたマウスは体脂肪が47%も増えたのに対し、やせ型腸内細菌を与えたマウスは27%しか増えなかったという結果になったそうです。

アメリカ人には肥満型腸内細菌を持つ人が多いと言われており、日本人にはヤセ型腸内細菌を持つ人が多いと言われています。

それは和食や食物繊維の多い野菜をよく食べているため、肥満型腸内細菌が抑制されているのではないかと考えられるそうです。

■腸サビ

腸サビというのは病名ではないのですが、不摂生な食生活・精神的ストレス・運動不足によって便秘が続き、腸内で宿便がたまることで腸の機能がにぶった状態の事です。

たまった便が有害物質を出し、超粘膜に色々な影響を与えてしまいます。

3日以上お通じのない人は腸サビを帯びている可能性があります。

腸サビによって体の免疫機能が低下し、風邪を引きやすくなったり疲れがとれにくくなったりします。

腸サビとは、悪い生活習慣によって、腸内に宿便がたまり、腸の機能が低下した状態を言うそうです。

腸サビの状態になると、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、疲れが取れにくくなるそうです。

腸サビを抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。

腸サビを抑えるには、ヨーグルトや納豆のような発酵食品を多くとる事がとても大事です。

善玉菌であるビフィズス菌を増やせば、腸内環境がよくなるでしょう。

そして運動をする事も大事です。

便秘の人には運動が嫌いな人が多いですが、今までエレベーターを使っていたところを3階くらいは階段で上るなどすることが大事です。

発酵食品を多く摂ることで、善玉菌であるビフィズス菌を増やすと、腸内環境が改善され、腸サビが抑えられるようです。

また、運動も大事なようです。

■便通を改善するには、腸腰筋を鍛える

・朝、水を飲むと効果的
・腸の回りの筋肉・腸腰筋を鍛えるとウンチが出やすくなります。

腸腰筋を鍛える運動

・ イスに座ったまま腕を上に持ち上げ、腸腰筋を伸ばす。
・ イスに腰を下ろしたまま歩くように手足を動かし腸腰筋を縮める。
・ イスに腰を下ろし、足を地面につけた状態で腰をひねり腸腰筋をねじる。
これを1日3セット行うだけで便通は、かなり改善されるでしょう。

毎朝水を飲んだり、腸腰筋を鍛えると、便通が改善されるそうなので、是非試してみてください。







【関連記事】
続きを読む やせない原因は腸にあった!?やせ型腸内細菌と肥満型腸内細菌|腸サビ|#世界一受けたい授業

ガンの放射線治療や白血病治療に「液体のり」が役立つ!?がん細胞がほぼ消滅




東京工業大学のチームによれば、放射線治療において薬剤に液体のりの主成分を混ぜると治療効果が大幅に高まること(がん細胞にとどまりやすくなる)を発見したそうで、マウスの実験では大腸がんがほぼ消失したそうです。

液体のりで造血幹細胞の増幅に成功―細胞治療のコスト削減や次世代幹細胞治療に期待―(2019/5/30、日本医療研究開発機構(AMED))によれば、通常の培養で使用する高価なウシ血清成分やアルブミンの代わりに液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を用いることで、安価に細胞老化を抑制した造血幹細胞の増幅が可能になったことが話題になりました。

がん治療や再生医療の研究に「液体のり」が活用されることによって、医療コストの削減が期待されますね。







【参考リンク】

口の中の歯周病菌(F. nucleatum)が大腸がんの発がんに関与|横浜市立大学先端医科学研究センター【論文・エビデンス】

健康・美容チェック > 大腸がん > 口の中の歯周病菌(F. nucleatum)が大腸がんの発がんに関与|横浜市立大学 先端医科学研究センター




■口の中の歯周病菌(F. nucleatum)が大腸がんの発がんに関与|横浜市立大学

口の中の歯周病菌が大腸癌の発癌に関与 ~新たな治療法や予防法に繋がる可能性~|横浜市立大学 先端医科学研究センター
口の中の歯周病菌が大腸癌の発癌に関与 ~新たな治療法や予防法に繋がる可能性~|横浜市立大学 先端医科学研究センター

参考画像:口の中の歯周病菌が大腸癌の発癌に関与 新たな治療法や予防法に繋がる可能性(2018/6/28、横浜市立大学 先端医科学研究センター)|スクリーンショット

口の中の歯周病菌が大腸癌の発癌に関与 新たな治療法や予防法に繋がる可能性

(2018/6/28、横浜市立大学 先端医科学研究センター)

大腸癌患者の唾液と大腸癌組織で細菌F. nucleatumの共通の菌株を発見。大腸癌組織のF. nucleatumが口腔内に由来することが示された。

横浜市立大学 学術院医学群 肝胆膵消化器病学 日暮琢磨診療講師と協同乳業 松本光晴主幹研究員らの共同研究グループによれば、大腸がん患者の患部組織と唾液からFusobacterium nucleatum (F. nucleatum)を分離・解析した結果、4割以上の患者でがん組織と唾液に共通した菌株が存在していることを発見しました。

このことは、口腔内のF. nucleatumが大腸がんに関与していることを強く示唆しています。

■まとめ

歯磨きなどで口の中をきれいに保つことが腸の病気の予防につながる!?|腸管に定着すると免疫細胞の過剰な活性化を引き起こす口腔常在菌がいる|早稲田大・慶大で紹介した慶應義塾大学医学部の本田賢也教授(理化学研究所統合生命医科学研究センター消化管恒常性研究チームリーダー兼任)と早稲田大学理工学術院の服部正平教授らを中心とする共同研究グループは、口腔細菌が炎症性腸疾患や大腸がんなどの患者の便中に多く検出されることに注目し、口腔細菌が腸管内に定着することによる腸管免疫系への影響と病気との関わりについて研究を行ないました。

マウスによる研究によれば、腸内細菌叢の乱れに乗じて、口腔に存在するクレブシエラ菌が腸管内に定着することにより、TH1細胞と呼ばれる免疫細胞の過剰な活性化を引き起こし、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)などの発症に関与する可能性があることがわかったそうです。

今回の研究を含めて考えると、口腔が大腸がんなどの腸の病気を悪化させる可能性のある細菌を作るところであると考えれば、菌が増えないように口腔内をキレイにすること(例:歯を磨くこと)が腸の病気を予防する方法といえるのかもしれません。

また、口腔内や腸内の細菌を調べることによって大腸がんのスクリーニング検査をしたり、腸内細菌をコントロールすることで大腸がんの予防・治療ができる可能性もありそうです。







【関連記事】
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