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耳疾患(中耳炎や外耳炎など)が小中高で過去最高!その理由とは?|耳あかが詰まる「耳垢栓塞」の増加やイヤホン、耳掃除との関係はあるの?|2017年度学校保健統計調査




【目次】

■2017年度学校保健統計調査

総括表|平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)
総括表|平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)

参考画像:平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について(2017/12/22、文部科学省)|スクリーンショット

平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について

(2017/12/22、文部科学省)

むし歯(う歯)は中学校及び高等学校で過去最低,裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校及び中学校で過去最高となったほか,耳疾患が小学校,中学校及び高等学校で過去最高となっている。

平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)で気になるデータは3つ。

1.むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低になったこと、2.裸眼視力1.0未満の小学生・中学生の割合が過去最高になったこと、3.耳疾患が小中高で過去最高になっていることです。

今回は「耳疾患が小中高で過去最高」について取り上げてみたいと思います。

■耳疾患が小中高で過去最高!その理由とは?|2017年度学校保健統計調査

Ear

by Travis Isaacs (画像:Creative Commons)

裸眼視力1・0未満の割合 小学生で過去最高

(2016/1/22、産経WEST)

中耳炎やメニエール病など耳疾患の割合も小中高校で過去最高になった。蓄膿(ちくのう)症など鼻・副鼻腔(びくう)疾患も小学校で最高だったほか、幼稚園と中高も前年度より上昇しており、文科省は「アレルギー性疾患の子どもの増加が背景にあるのではないか」と話している。

前回の調査では、耳疾患の割合が増加した理由として、中耳炎やメニエール病、蓄膿症などの鼻・副鼻腔疾患の割合も増加しており、アレルギー疾患の子供の増加が背景にあると考えられるのではないかということでした。

今回の調査結果では「耳疾患が小中高で過去最高」となりましたが、その理由は次のようなものが挙げられています。

子どもの耳疾患最多 スマホのイヤホンが影響か

(2017/12/23、NHK)

中耳炎や外耳炎など耳の病気にかかる子どもの割合が、文部科学省の調査で過去最多となったことがわかりました。文部科学省は「スマートフォンの普及でイヤホンを使用する頻度が増えていることが影響した可能性がある」と分析しています。

「耳に疾患」小中高校で過去最多

(2017/12/22、ホウドウキョク)

日本耳鼻咽喉科学会によると、近年、耳あかが詰まる「耳垢栓塞(じこうせんそく)」が増えているということで、「必要以上に耳掃除をすると、かえって耳あかを奥に押し込むこともあり、炎症を起こすこともある」として、専門委に相談するよう呼びかけている。

この2つの記事を併せて読むと、このような可能性はないでしょうか?

スマホの普及によってイヤホンを使用する頻度が増えており、そのことが耳垢を奥に押し込み、耳垢が詰まる「耳垢栓塞」が増えることにより耳疾患が増えているのではないかという仮説です。

単純に分けて考えて、イヤホンの使用する頻度が高くなり耳を触る頻度が高くなっていることや耳掃除をする子供が多いといったことがあるのかもしれません。




■イヤホンの汚れが耳の病気の原因!?

気をつけたい!イヤホンの汚れで、病気にも?

(2016/4/11、Buzzfeed)

心配なのは、イヤホンを、カバンの中や公共の場所に置いたりしたとき。イヤホンに付着した耳垢が、いろいろなものを、くっつけやすくしてしまうのだそう。

中耳炎は、とくに小さい子供に起こりやすい病気です。これまでなったことがなくても、イヤホンを不衛生にしていると、発生リスクが高まります。

耳真菌、外耳炎、ダニ、膿疱性発疹、毛穴の黒ずみ、吹き出物の原因になります。

Buzzfeedによれば、イヤホンを不衛生にしていると、詳しくいえば、イヤホンをカバンの中に入れたり、外に出しておくことで、イヤホンに付着した耳垢に汚れをくっつきやすい状態にあり、そのイヤホンが中耳炎などの耳の病気の原因になっているそうです。

■耳掃除のやりすぎが耳の病気の原因!?

耳そうじ、意外な落とし穴 「奥まで」「ガリガリ」「やりすぎ」NG

(2010/10/29、日本経済新聞)

最近では耳掃除のやりすぎは良くないというニュースを聞く機会が増えていますよね。

ただ、イヤホン自体はずっと以前からあるものですし、極端に耳掃除をする子供が増加しているとも考えづらいですよね。

しかし、統計上は過去最高になっています。

これが増加傾向にあるわけではなく、たまたまそうなったとも考えられますので、今後も増加傾向になったと仮定すれば、なぜ耳疾患が増加しているのか、イヤホンや耳掃除アレルギー疾患の増加と何らかの関係があるのかを調べていく必要がありそうです。







【参考リンク】
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むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低|2017年度学校保健統計調査




■むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低|2017年度学校保健統計調査

むし歯(う歯)の者の割合の推移|平成29年度学校保健統計速報
むし歯(う歯)の者の割合の推移|平成29年度学校保健統計速報

参考画像:平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について(2017/12/22、文部科学省)|スクリーンショット

平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について

(2017/12/22、文部科学省)

むし歯(う歯)は中学校及び高等学校で過去最低,裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校及び中学校で過去最高となったほか,耳疾患が小学校,中学校及び高等学校で過去最高となっている。

平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)で気になるデータは3つ。

1.むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低になったこと、2.裸眼視力1.0未満の小学生・中学生の割合が過去最高になったこと、3.耳疾患が小中高で過去最高になっていることです。

今回は「むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低になったこと」について取り上げてみたいと思います。

子どもの虫歯が激減|就寝前の歯磨き習慣やフッ素を使ったうがいの予防策の浸透が背景によれば、歯磨き習慣が身についていることやフッ素を使ったうがいなどによる予防策が浸透していることが良い結果を生んでいるようです。




ただ気になるニュースもあります。

【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%で紹介した兵庫県保険医協会の調査によれば、歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%にのぼったそうです。

虫歯の割合は幼稚園・小中高校とも1980年ごろから低下傾向が続いているのですが、一方で未治療の虫歯が10本以上あるなど「口腔(こうくう)崩壊」の子供がいる学校の割合も35%あることがわかったことから、二極化が進んでいる可能性があります。

同協会によれば、この背景には「貧困(仕事が忙しく、子供の歯に気をつかう時間的・経済的余裕がない)」があると考えられるそうです。

むし歯は生活習慣や教育と大きく関係すると考えられます。

なぜ虫歯は、長時間メディア(特にゲーム)利用、睡眠不足、朝食欠食の子供に多いの?|富山大学で紹介した、富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門によれば、虫歯は、長時間メディア(特にゲーム)を利用する子供、睡眠時間が短い子供、朝食を欠食する子供に多いことがわかったそうです。

富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門が考える仮説としては、長時間メディア(特にゲーム)利用、睡眠不足、朝食欠食といった生活習慣が自律神経の活動に影響を与え、唾液分泌の量や質に変化が起きていることにより、むし歯になりやすいと考えられるそうです。

親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっている|東北大学【#健康格差】によれば、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤准教授のグループが、厚生労働省が実施している「21 世紀出生児縦断調査」の追跡データを分析したところ、親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっていることがわかったそうです。

今後はこうした家庭の子供をフォローすることができれば、さらにむし歯で悩む子供を減らすことができるのではないでしょうか。

→ 歯周病の症状・原因 について詳しくはこちら

→ 歯周病は糖尿病の合併症の一つ!?糖尿病と歯周病の関係 について詳しくはこちら

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら







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