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中尾彬さん(81歳)、心不全で死去/心不全になりやすい原因とは?

俳優の中尾彬さんで「心不全」でなくなりました。81歳でした。

■心不全とは?

心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心不全の症状としては、血液を送り出す能力の低下による症状と血液のうっ滞によって起こる症状があります。

血液を送り出す能力の低下による症状としては、心拍出量が減ったことが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」などの症状があります。

血液のうっ滞によって起こる症状としては、血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。

心不全の種類、程度、原因が様々あるように、その症状も多様で、紹介した症状が全ての患者さんに当てはまるわけでもなく、また、紹介した症状があるからといって心不全と判断できず、また他の病気の可能性もあるそうです。

息切れや動機、疲労感というのは年齢のせいかなとも思ってしまう症状ですので、自己判断が難しいようですね。

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■心不全になりやすい人とは?

●血糖値が高い糖尿病患者

血糖値高い糖尿病患者ほど心不全にー国循研究センターで紹介した国立循環器病研究センターによれば、血糖値が高い糖尿病患者ほど心不全で入院する割合が多いということから、血糖値と心不全には関係があることがわかったそうです。

「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」は、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

HbA1cが8.4%以上のグループでは心不全入院が多かったそうです。

また、心筋梗塞の持病をもともと持っている患者では、HbA1cが 8%以上と6.9%以下で心不全の危険性が高まる傾向にあり、心筋梗塞の持病をもともと持っていない患者では、HbA1cが低い方が心不全が少ない傾向がわかったそうです。

●メタボリックシンドローム

慢性心不全患者:メタボの人の割合、一般の2倍--厚労省が全国調査で紹介した厚生労働省研究班の全国調査によれば、慢性心不全患者の人は、メタボリックシンドロームの人の割合が一般の人の2倍以上であることそうです。

メタボを放置すると心筋梗塞(こうそく)を発症し、慢性心不全へと移行する可能性が示唆されています。

●高血圧

心不全の原因は様々で、心筋梗塞などの心臓病だけでなく、高血圧で心臓に負担がかかっている場合も心不全の原因となるそうです。

高血圧以外にも、動脈硬化やアルコール、遺伝、感染症が原因となって心臓病になり、過労やストレス、暴飲暴食、風邪などの因子が加わって、心不全の症状が現れるそうです。

●鉄分不足

心臓は1日に約10万回鼓動していて、加齢とともに心臓機能は落ちていきます。

心臓では収縮や拡張が繰り返されていますが、心臓の機能が弱くなると、十分な血流を送ることができずに、心不全に陥りやすくなってしまいます。

いま心臓が衰えた人が増えているそうで、例えば、体を動かすと息切れを起こす、疲れやすいという方は、心不全の一歩手前の心不全の予備軍の可能性があります。

心臓の機能が低下・衰えている理由として、心臓に必要な栄養素が足りていないのではないかという説があるそうです。

その栄養素とは、「鉄分」。

身体の中には、3~5gの鉄分(釘1本分)が含まれていて、鉄分を含むヘモグロビンが全身に酸素を送っています。

また、鉄分は筋肉を動かすエネルギー源になり、鉄分が不足することによって心臓も動きが悪くなると考えられます。

スタミナアップ!ミトコンドリアを増やす2つの方法|ためしてガッテン 8月26日によれば、「鉄」はミトコンドリアがATP(エネルギー)を作り出すのを助ける働きをしてくれるそうです。

そこで、鉄分を補給することによって、心不全を予防できるのではないかという説が立てられたのです。

→ 鉄分の多い食品 について詳しくはこちら

●新型コロナウイルス感染

コロナ感染が心不全のリスクを高める?によれば、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の持続的な感染が心不全のリスクを高める可能性があることを、ヒトiPS細胞を用いた実験で明らかにしました。

■心不全のサイン

【たけしの家庭の医学】握力を鍛えて血管年齢若返り!NO分泌入浴法のやり方!によれば、握力を維持できていない人は心血管疾患による死亡リスクが高いと考えられ、反対に握力が維持できている人は心血管疾患による死亡リスクが低いそうです。

【補足】

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班(2012/2/20)

厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたことがわかったことで、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるそうです。

”#血圧サージ”が危ない~命を縮める血圧の高波~|タオルグリップ法(ハンドグリップ法)|#NHKスペシャル #ガッテンで取り上げたカナダ・マクマスター大学の研究者によれば、8週間のアイソメトリックハンドグリップ(IHG)トレーニングをしてもらったところ、血圧が低下し、動脈の拡張能力が増加することがわかったそうです。

高血圧の代替療法として効果的なのはウォーキングなどの「有酸素運動」と「ハンドグリップ法」であるとして、その理由として、有酸素運動やハンドグリップ法をすると、血管の内皮細胞から血管の壁を柔らかくして血管を広げる作用がある一酸化窒素が出てくるためと紹介されています。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連(2015/5/15)

カナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

具体的には、握力が5キロ低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加する関連性が認められ、この握力低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連していたそうです。

86歳三浦雄一郎さん、心不全を起こす危険があるためアコンカグア登頂断念|心不全とフレイル・サルコペニアとの関連性




【目次】

■86歳三浦雄一郎さん、心不全を起こす危険があるためアコンカグア登頂断念|心不全とフレイル・サルコペニアとの関連性

86歳三浦雄一郎さん、心不全の危険があるためアコンカグア登頂断念
86歳三浦雄一郎さん、心不全の危険があるためアコンカグア登頂断念

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■フレイル対策

●食事(栄養管理)

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

それでは、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省

地域在住の 70 歳代の高齢者を 3 年間観察したところ、3 年間の除脂肪体重の減少が、登録時の総エネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量に依存し、五分位で最もエネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量が多い群(平均91.0 g/日、1.2 g/kg体重/日)では、最も低い群(平均56.0 g/日、0.8 g/kg 体重/日)に比較し、交絡因子で調整後においても除脂肪体重の減少が 40% 抑制されていた 39)。

また、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは 3 年後の筋力の低下と関連し 40)、さらに高齢女性の 3 年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されている 41)。

日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされている 42)。

39)Houston DK, Nicklas BJ, Ding J, et al. Health ABC Study. Dietary protein intake is associated with lean mass change in older, community-dwelling adults : the Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study. Am J Clin Nutr 2008; 87 : 150─5.
40)Bartali B, Frongillo EA, Stipanuk MH, et al. Protein intake and muscle strength in older persons : does inflammation matter? J Am Geriatr Soc 2012 ; 60: 480─4.
41)Beasley JM, LaCroix AZ, Neuhouser ML, et al. Protein intake and incident frailty in the Women’s Health Initiative observational study. J Am Geriatr Soc 2010 ; 58: 1063─71.
42)Kobayashi S, Asakura K, Suga H, et al. High protein intake is associated with low prevalence of frailty among old Japanese women: a multicenter cross-sectional study. Nutr J 2013; 12: 164

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっていると考えられます。

低栄養はタンパク質が不足したことで起こると考えられますが、●たんぱく質(アルブミン)不足を予防するには、肉を食べるとよいそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?で紹介した熊谷修教授(人間総合科学大学人間科学部)によれば、肉をよく食べてアルブミンを上げたグループはほとんど食べないグループに比べて死亡リスクが低いそうです。

また、アルブミン値を上げるためには、鶏のささみよりも牛肉のほうが良いそうです。

それは、牛肉に含まれる「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることができるからなのだそうです。

お肉を選ぶ場合には、脂身のある肉(豚肉やもも肉)のほうが良いそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、「15の食生活指針」に沿った食生活を実践してもらったところ、アルブミンは増加し、血色素の低下も見られなり、つまり、栄養改善の効果があらわれたそうです。

  1. 3食のバランスをよくとり、食事を抜かずにきちんと食べましょう。
  2. 油脂類の摂取が不足しないようにしましょう。
  3. 肉、魚、乳製品、卵などの動物性たんぱく質を十分に食べましょう。
  4. 肉と魚の摂取は1:1の割合にしましょう。
  5. いろいろな種類の肉を食べましょう。
  6. 牛乳は毎日200ml以上飲むようにしましょう。
  7. 野菜は緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)や根菜(大根、ごぼう、いもなど)など、いろいろな種類を毎日食べるようにしましょう。
  8. 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯の量を減らしましょう。
  9. いろいろな調理のしかたや、食品の正しい保存法を覚えましょう。
  10. 酢、香辛料、香り野菜(ねぎ、にんにくなど)を十分に取り入れましょう。
  11. 調味料を上手に使い、おいしく食べましょう。
  12. 和風、中華風、洋風といろいろな料理を食べましょう。
  13. 家族や友人との会食の機会をたくさんつくりましょう。
  14. 噛む力を維持するために、義歯は定期的に点検をしましょう。
  15. 「元気」のための健康情報をすすんで取り入れましょう。

※2から6までの5項目が、低栄養を防ぐための動物性食品や油脂類の摂り方に関する項目です。

お肉はタンパク質が豊富で、実はバランス栄養食品です。

野菜よりも鉄分が豊富で、かつ肉は野菜より鉄分の吸収率が5から10倍高い。

またビタミンも豊富で、特にビタミンB1は豚ヒレ肉100gでレモンの17倍含んでいるそうです。

さらにミネラルも豊富なのだそうです。

ただ、あなたやあなたの家族の食事をどのようにチェックしたらよいかわからない人もいると思います。

そこで、最近取り上げられているのが、「10食品群チェックシート」です。

「10食品群チェックシート」は、様々な種類の食材が摂れているかをチェックするシートです。

  • 牛乳(チーズなど乳製品)
  • 大豆
  • 緑黄色野菜
  • 果物
  • 海藻

10食品群チェックシート|PDF(NHKチョイス@病気になった時)

http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/pdf/160430.pdf

10品目チェックシート|PDF(NHKためしてガッテン)

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf

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●口腔ケア・食事(食べ方)

●オーラルフレイル

オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学によれば、東北大学の松山祐輔歯科医師が行なった研究によれば、自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が長く、要介護でいる期間が短いことがわかったそうです。

食べこぼしやわずかなむせ、噛めない食品の増加というのは一つ一つを見るとささいなことですが、こうした症状が合わさって起こるということは口腔機能の低下のサインであり、オーラルフレイルという口腔機能低下を含む身体の衰えの一つです。

オーラルフレイルについて調べていたところ、「オーラルフレイル仮説」という考え方があることを見つけました。

オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)
オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)

参考画像:食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)|スクリーンショット

食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)によれば、オーラルフレイル仮説とは「前フレイル期」「オーラル・フレイル期」「サルコ・ロコモ期」「フレイル期」と4つのフェーズ(段階)に分かれていて、フェーズが移行するに伴い、QOLの低下・日常生活機能の低下、病気にかかりやすくなる、服薬する薬の種類が増えていくという考え方です。

ポイントとなるのは、第1期の「前フレイル期」と第2期の「オーラル・フレイル期」の段階で、歯磨きをしっかり行う、歯科医院に定期的に通ってチェックしてもらうなどいかに対策を行なっていくかということです。

この考え方が浸透すれば、定期的な歯科医院でのチェックで、サルコペニアやロコモティブシンドローム、フレイルに移行する前に、何らかの対策が必要であることを促すという流れができることにより、要介護状態になることを防ぐことができるようになるかもしれません。

●嚥下障害

要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操)で紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の約6割に咀嚼(そしゃく。かむこと)や嚥下(えんげ。飲み込むこと)に問題があるそうです。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

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また、ドライマウスにも気を付けましょう。

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2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

嚥下障害と誤嚥性肺炎

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

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嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

【参考リンク】

●運動

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことをいいます。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

ロコモティブシンドロームを予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。

それが、介護予防にもつながる。

痛みに対する治療だけでなく、日頃から筋力を強化することで運動の状態を維持していくことが、大事なようです。

毎日運動している人としていない人との間には体力に大きな差がある!?|2014年度体力・運動能力調査で紹介したスポーツ庁の2014年度体力・運動能力調査によれば、高齢者(65~79歳)で、ほとんど毎日運動している人と運動をしない人では、体力に大きな差があることがわかりました。

記事の中には、ロコモティブシンドロームの予防に取り組む目安の五項目が紹介されています。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

日本整形外科学会は、予防に取り組む目安として五項目を紹介している。

片脚立ちで靴下がはけない
▽階段を上るのに手すりが必要
▽横断歩道を青信号で渡りきれない
▽十五分くらい続けて歩けない
▽家の中でつまずいたり滑ったりする-。

この5項目のうち、一つでも当てはまる人は、ロコモティブシンドロームを予防するロコモーショントレーニングを薦めているそうです。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

効率よく筋力強化ができるのが目を開けての「片脚立ち」。

松井医長によると、片脚立ちは両脚立ちに比べ二・七五倍の負荷がかかり、一日三回、左右一分間の片脚立ちは、約五十三分間の歩行に相当するという。

支えが必要なら、机に手をついて行ってもよい。

「スクワット」はお尻を低く下ろせばより筋力が鍛えられるが、継続するには浅い角度の方が安全だ。

脚はかかとから三〇度くらい外側に開き、体重が脚の裏の中央にかかるように意識する。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。







心房細動患者の脳梗塞リスクを計算する方法

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■心房細動患者の脳梗塞リスクを計算する方法

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by Danilo Vidovic(画像:Creative Commons)

脳梗塞の原因として増えているのが、不整脈の一種である『心房細動』による脳梗塞です。

通常心臓は一定のリズムで一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。

心房細動が起きると、心臓の中の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが血流にのって、脳の血管に詰まると脳梗塞を引き起こします。

高齢化で急増、脳梗塞を引き起こす「心房細動」

(2015/2/2、日本経済新聞)

危険因子 点数 例.75歳で高血圧・糖尿病がある場合
高血圧 1点 1点
年齢が75歳以上 1点 1点
糖尿病 1点 1点
心不全 1点 0点
脳梗塞にかかったことがある 2点 2点
合計 計0~6点 計3点

この表はCHADS2(チャッズ・ツー)スコアと呼ばれ、心房細動患者が脳梗塞を発症する危険度を知るための指標として使われており(Gage BF, et al.JAMA. 2001; 285:2864-2870.)、心房細動患者の脳梗塞リスクを算出する方法によれば、点数が大きいほど脳梗塞のリスクが高いそうです。

合計点の約2倍の値が、一年間に脳梗塞を発症する頻度の目安となり、例として、75歳で高血圧・糖尿病がある人の場合は、合計3点となり、この2倍の値は6点となり、一年間に6%の割合で脳梗塞を発症する恐れがあるということになるそうです。

脳梗塞リスク因子は、加齢・高血圧糖尿病・心不全ということですので、しっかりと生活習慣を見直していきましょう。

→ 脳梗塞とは|脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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心不全を発症させるタンパク質「アンジオポエチン様タンパク質2」発見 高血圧や加齢が過剰分泌の一因|熊本大

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【目次】




■心不全を発症させるタンパク質「アンジオポエチン様タンパク質2」発見 高血圧や加齢が過剰分泌の一因|熊本大

ANGPTL2による心不全の発症・進展のメカニズム
加齢や高血圧などの圧負荷によるストレスを受けた心筋細胞→心筋細胞におけるANGPTL2の産生・分泌の増加(ANGPTL2が心筋細胞自身に作用し、心筋の収縮力維持に重要な機能を低下させる)→心筋の収縮力維持に重要な心筋細胞の機能低下(心筋細胞内のカルシウム濃度調節機能・心筋細胞のエネルギー産生機能)→心筋の収縮力低下→心不全病態の発症・進展

参考画像:心不全の新たな発症メカニズム解明と新規遺伝子治療法の開発|日本医療開発機構(熊本大学プレスリリース)スクリーンショット

<熊本大>心不全促すタンパク質 研究グループ発見

(2016/9/29、毎日新聞)

問題のたんぱく質は「アンジオポエチン様タンパク質2」。本来は組織の正常な働きを助ける作用があるが、心筋細胞内で過剰に分泌されると、細胞のカルシウム濃度の調節やエネルギーを生成する力を弱める。その結果、心筋の収縮低下を招き、心不全を引き起こすという。また、高血圧や加齢が過剰分泌の一因となることも突き止めた。

熊本大大学院生命科学研究部の尾池雄一教授の研究グループによれば、心筋細胞から過剰に分泌されたたんぱく質の一種「アンジオポエチン様タンパク質2」が心不全を発症させることを発見したそうです。

「アンジオポエチン様タンパク質2」は、組織の正常な働きを助ける作用があるそうですが、心筋細胞内で過剰に分泌されると、細胞のカルシウム濃度の調節やエネルギーを生成する力を弱めてしまうことで、心筋の収縮低下を招き、心不全を引き起こしてしまうそうです。

■心不全とは

でんぱ組・最上もがさん、心不全を告白|「疲れなくて息苦しくない体が欲しい。」によれば、心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心臓のポンプ機能が低下することによって、肺に多くの血液がうっ滞し、血液のガス交換がうまくいかなくなることで、疲れやすい・息苦しいといった症状が出るようです。

鉄分補給で心臓若返り・心不全予防|たけしのみんなの家庭の医学によれば、心臓は1日に約10万回鼓動していて、加齢とともに心臓機能は落ちていきます。

心臓では収縮や拡張が繰り返されていますが、心臓の機能が弱くなると、十分な血流を送ることができずに、心不全に陥りやすくなってしまいます。

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■アンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)

心不全の新たな発症メカニズム解明と新規遺伝子治療法の開発

(2016/9/28、熊本大学プレスリリース)

熊本大学大学院生命科学研究部の尾池雄一教授らの研究グループは、これまでの研究において、分泌タンパク質であるアンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)が、老化した細胞や様々なストレスを受けた細胞から過剰に分泌され、持続的な炎症(慢性炎症)を引き起こすことで動脈硬化性疾患、肥満症、糖尿病等の生活習慣病やがんの発症・進展を促進することを明らかにしてきました。

尾池雄一教授らの研究グループは、アンジオポエチン様タンパク質2(Angiopoietin-like protein 2, ANGPTL2)が過剰に分泌され慢性炎症を引き起こすことで動脈硬化症糖尿病肥満などの生活習慣病がんの発症を促進することを研究してきています。

【参考記事】

メタボリックシンドロームを引き起こす鍵因子を発見(炎症によるメタボリックシンドローム・糖尿病発症メカニズムの解明へ期待)

(2009/9/21、熊本大学プレスリリース)

尾池教授らは今回、肥満の脂肪組織ではアンジオポエチン様たんぱく質2(Angptl2)注2)が多く発現していることに着目し、このたんぱく質の機能について研究を行いました。その結果、Angptl2は肥満の内臓脂肪組織で発現が増加しており、炎症の発症・維持で重要な役割を果たす「単球注3)細胞」を病変部に呼び込んで、脂肪組織の慢性炎症を引き起こすこと、それにより全身でのインスリン抵抗性が生じ、糖尿病の発症につながっていることが分かりました。また、Angptl2の増加が、動脈硬化症の前病変として考えられている血管内皮細胞の炎症性病変を引き起こすことも分かりました。

がんの転移抑制へ期待 がん転移を促進する因子の同定と作用メカニズムを解明!

(2012/2/17、熊本大学プレスリリース)

今回、尾池教授らは、肥満の脂肪組織において慢性炎症を引き起こし、その結果メタボリックシンドロームや糖尿病の誘因となるアンジオポエチン様たんぱく質2(ANGPTL2)が、低酸素や低栄養などのがん組織内微小環境によってがん細胞そのものから分泌されるようになり、がん細胞から分泌された ANGPTL2 は、①がん細胞の転移に重要な血管新生を増加させること、②がん細胞自身に作用しがん細胞の運動性を増強させ、その結果がん細胞の浸潤や転移が促進されることを見出しました。

■ANGPTL2が心不全の発症・進展を促進しているメカニズム

1.ストレスを受けた心筋細胞でのANGPTL2の産生・分泌の増大

2.ANGPTL2による心筋細胞のカルシウム濃度調節やエネルギー産生機能の低下および心不全発症・進展の促進

3.適度な運動による心筋細胞でのANGPTL2の産生量の減少

4.マウス心筋細胞におけるANGPTL2産生増加の抑制をもとにした心不全の新規治療法の開発

5.ヒト心筋細胞におけるANGPTL2産生抑制によるカルシウム濃度調節やエネルギー産生機能増進の可能性

今回の研究によれば、加齢により老化した心筋細胞や高血圧などによるストレスを受けた心筋細胞、心不全患者の心筋細胞では、ANGPTL2の産生・分泌が増大していることを発見したこと、また、適度な運動によって心筋細胞でのANGPTL2産生量が減少することを発見したことから、高血圧を予防する生活習慣や適度な運動をすることが現時点で私たち自身でできる心不全予防法といえるのではないでしょうか。

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■まとめ

現在、心不全治療は対症療法が主ですが、心筋細胞でのANGPTL2産生増加を抑制する遺伝子治療は、心機能低下のメカニズムそのものにアプローチする根本治療としての新規心不全治療戦略として期待できるだけでなく、健康長寿社会の実現にも貢献することが期待されます。

心筋細胞でのANGPTL2産生増加を抑制する遺伝子治療によって、心不全を根本から治療することができるようになるかもしれません。







世界初!iPS細胞から作った心臓の筋肉細胞を重症心不全患者に移植する大阪大の臨床研究計画を条件付きで承認




■世界初!iPS細胞から作った心臓の筋肉細胞を重症心不全患者に移植する大阪大の臨床研究計画を条件付きで承認

Surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)

<厚労省部会>iPS細胞の心臓病臨床研究、条件付き承認

(2018/5/16、毎日新聞)

承認された臨床研究計画は、血管が詰まって血液が十分に届かず心臓に障害が出る虚血性心筋症の患者が対象。18歳以上80歳未満の3人に、他人のiPS細胞から作った2枚の心筋の円形シート(厚さ0・05ミリ、直径数センチ)を心臓表面に張り付ける。がん化や免疫拒絶反応などに対する安全性を調べ、心機能の変化についても観察する。

厚生労働省の再生医療等評価部会は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心臓の筋肉細胞をシート状にして重症心不全患者の心臓に移植する大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームが2018年3月に届け出ていた臨床研究計画を条件付きで承認したそうです。

研究チームは既に患者自身の脚の筋肉細胞から作製する細胞シートを開発し、2015年に国から条件付きで再生医療製品として承認を受けている。シートから出るたんぱく質が心臓の働きを改善するとみられ、iPS細胞の方がより高い効果が期待できるという。

大阪大学の澤芳樹教授は、2009年には、IPS細胞で心筋梗塞改善=マウス使った実験で確認|阪大によれば、三木健嗣研究員らのチームが行なったマウスの実験によれば、iPS細胞を使い、心筋梗塞の改善に成功し、2016年には重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作った心筋シートを心臓に移植する治験を始める|阪大によれば、澤芳樹教授らは、重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作ったシート(心筋シート)を心臓に移植する治験を始めていました。

【参考リンク】