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60歳以上の男性ランナーはマラソン大会での心停止リスクが高い!その理由を考えてみた!




日本陸連公認コースマラソン大会における年齢層別心停止発生状況を調査-60 歳以上の男性に対する参加前検査の重要性を示す- (2024年11月18日、慶応義塾大学)によれば、た日本陸連公認コースマラソン大会で、ランナーが心停止した事例を調べたところ、男性の発生頻度は年代が上がるほど上昇し、60歳以上が最も高いとの調査結果が出たそうです。

この研究では60歳以上の男性ランナーで心停止が多いため、マラソン大会参加の前に健康に関する適切な検査を促しているのですが、もう一つ別の視点から見てみたいと思います。

お正月・年末年始には心停止が増える!?|新潟の研究チームによる調査によれば、新潟の研究チームが、2005年から東日本大震災前までの消防庁のデータを使用し、701,651件の院外心停止の発生の詳細を調べたところ、1年の中で、年末年始の期間に発生件数が増えること、その場合人の集まるところで倒れる比率も高まっていることがわかったそうです。

また、京都の研究チームによれば、日本では、院外心停止は1日のうちでは朝、週のうちでは月曜に、季節のうちでは冬に発生件数が多くなることも報告されています。

このデータはマラソン大会に当てはまる部分はないでしょうか?

マラソン大会は冬に行われるイメージがあり、スタートは朝から、そして人が集まるところでもあります。

●冬に多い

寒い中に無理に出かけると身体に負担がかかりやすいと考えられます。

●温度差

私たちの血管は、温度の高い所では熱を放出しようと広がり、温度の低い所では、熱を逃がさぬよう収縮するため、血圧が急上昇します。

この温度差が大きいほど血圧は上がり、心筋梗塞になるリスクが高まります。

特に気を付けたいのがお風呂。

43度というちょっと熱い温度は、血圧と心拍数が急上昇することで心臓に負担をかけ、そして赤血球や血小板がくっつきやすくなり、固まって血栓になりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の大きい原因となるそうです。

入浴時に気を付けてほしい人は次の条件です。

○熱い風呂が大好きな人(驚がく反応等の結果、血圧低下を起こしやすい)

動脈硬化のある人(血管にしなやかさがないため、血圧が急上昇・急降下しやすい)

高血圧の人(元々血圧が高い人ほど、下がるときの幅も大きい)

○65歳以上(動脈硬化、高血圧になっている割合が高い)

○飲酒後に入浴する人(飲酒や食事のあとは、血圧が下がっている)

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●人の集まるところで倒れる

人が集まっていることで楽しくなってしまい、体に無理してしまうという人がいることが考えられます。

もう一つ考えられるのは、集団の中にいるときのストレスです。

ボディタッチとパーソナルスペースの関係とは?|ボディタッチの心理的効果によれば、満員電車内では、周りにいる人同士のパーソナルスペースを侵害しあっているため、緊張感やストレスが生まれているそうです。

そもそも65歳以上の人は高血圧・動脈硬化になっている割合が高く、冬の寒さ、温度差によって負担がかかり、マラソン大会に出場する者の集団にいる時のストレスによって、心停止するリスクが高まっているとは考えられないでしょうか?

結論としては、先ほどと同じように、60歳以上の人は検索を受けてから参加することを義務付けるのがよいということになりますが、そもそも冬のマラソン大会というのは健康リスクが高まるということも検討のうちの一つに入れておいた方がいいでしょうし、かといってマラソン大会をやめるというのも自由を制限することになってしまいます。

だからこそ、日ごろから生活習慣を改善することが大事ですよね。

→ 動脈硬化改善・予防に良い食事・食べ物・食品 について詳しくはこちら

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

そして、もしそうなったときにAEDによる救急処置ができれば、それだけリスクが低くなります。

AED 市民救命で社会復帰2倍 京大、心停止患者調査によれば、一般市民によるAED(自動体外式除細動器)による除細動を受けた人(心室細動が起こってAEDが必要になった患者)の社会復帰率は全体の2倍だったそうです。

もしかすると、自分自身だけでなく、周りの人も助けられるように、マラソン大会参加者にはAEDが使えるようになってもらうというのもいい案かもしれませんね。







お正月・年末年始には心停止が増える!?|新潟の研究チームによる調査




■お正月・年末年始には心停止が増える!?|新潟の研究チームによる調査

Kansas Jayhawks 2008 NCAA Basketball National Champions--Street Party

by Mircea(画像:Creative Commons)

お正月には心停止が1.4倍に

(2015/12/30、medley)

年末年始の期間で、院外心停止の発生件数が1.3から1.6倍に増えていました。内訳では、心臓病以外の原因での心停止の比率が高まり、またその場合人の集まるところで倒れる比率も高まっています。

新潟の研究チームが、2005年から東日本大震災前までの消防庁のデータを使用し、701,651件の院外心停止の発生の詳細を調べたところ、1年の中で、年末年始の期間に発生件数が増えることがわかったそうです。

日本では、院外心停止は1日のうちでは朝、週のうちでは月曜に、季節のうちでは冬に発生件数が多くなることが京都の研究チームにより報告されていました。

冬の中でも、年末年始の期間に心停止が増えるというのは何か理由がありそうです。




■なぜ年末年始には心停止が増えるの?【仮説】

年末年始には心停止が増える理由について考えてみたいと思います。

●冬に多い

寒い中に無理に出かけると身体に負担がかかりやすいと考えられます。

●忘年会・新年会

年末年始はイベントごとも多く、忘年会・新年会などで肝臓が疲れている方も多いようです。

日ごろの生活習慣とは違ったことをすることで、身体への負担もかかると考えられます。

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●温度差

私たちの血管は、温度の高い所では熱を放出しようと広がり、温度の低い所では、熱を逃がさぬよう収縮するため、血圧が急上昇します。

この温度差が大きいほど血圧は上がり、心筋梗塞になるリスクが高まります。

特に気を付けたいのがお風呂。

43度というちょっと熱い温度は、血圧と心拍数が急上昇することで心臓に負担をかけ、そして赤血球や血小板がくっつきやすくなり、固まって血栓になりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の大きい原因となるそうです。

入浴時に気を付けてほしい人は次の条件です。

○熱い風呂が大好きな人(驚がく反応等の結果、血圧低下を起こしやすい)

動脈硬化のある人(血管にしなやかさがないため、血圧が急上昇・急降下しやすい)

高血圧の人(元々血圧が高い人ほど、下がるときの幅も大きい)

○65歳以上(動脈硬化、高血圧になっている割合が高い)

○飲酒後に入浴する人(飲酒や食事のあとは、血圧が下がっている)

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●人の集まるところで倒れる

人が集まっていることで楽しくなってしまい、体に無理してしまうという人がいることが考えられます。

もう一つ考えられるのは、集団の中にいるときのストレスです。

ボディタッチとパーソナルスペースの関係とは?|ボディタッチの心理的効果によれば、満員電車内では、周りにいる人同士のパーソナルスペースを侵害しあっているため、緊張感やストレスが生まれているそうです。

■まとめ

年末年始には心停止が増えやすいというそのはっきりとした原因はわかりませんので、大事なことは起きた時にどのように対処するかです。

AED 市民救命で社会復帰2倍 京大、心停止患者調査によれば、一般市民によるAED(自動体外式除細動器)による除細動を受けた人(心室細動が起こってAEDが必要になった患者)の社会復帰率は全体の2倍だったそうです。

起きた時にできる範囲での救急処置をできるように勉強しておきたいですね。







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続きを読む お正月・年末年始には心停止が増える!?|新潟の研究チームによる調査

AEDを使った措置を受けた後、社会復帰をした患者が8年間で30倍以上に増えた|京都大健康科学センター

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■AEDを使った措置を受けた後、社会復帰をした患者が8年間で30倍以上に増えた|京都大健康科学センター

AED

by AlamosaCounty PublicHealth(画像:Creative Commons)

<AED>措置受けて社会復帰の患者、8年間で30倍に増加

(2016/10/27、毎日新聞)

心停止状態で一般の人から自動体外式除細動器(AED)を使った措置を受けた後、社会復帰した患者が、2005年からの8年間で30倍以上に増えたことが、京都大健康科学センターの石見(いわみ)拓教授らの研究グループの調査で分かった。

京都大健康科学センターの石見拓教授らの研究グループの調査によれば、AEDを使った措置を受けた後、社会復帰をした患者が8年間で30倍以上に増えたことが分かったそうです。

AED 市民救命で社会復帰2倍 京大、心停止患者調査(2010/3/19)で紹介した京都大保健管理センターの石見拓助教と大学院生の北村哲久さんらのグループによれば、一般市民によるAEDによる除細動を受けた人(心室細動が起こってAEDが必要になった患者)の社会復帰率は全体の2倍だったそうです。

AED(心室細動で心停止を起こした患者に電気ショックを与えて心臓を動かす機器)の使用方法を知り、活用していくことが市民同士で守りあうことにつながっていくのではないでしょうか。




■救命措置の流れ

AED Training and CPR Training

by David Bruce Jr.(画像:Creative Commons)

  1. 呼びかけなどで反応を確認する
  2. 助けを呼ぶ(1.119番通報、2.AEDを持ってきてもらう)
  3. 気道の確保(喉の奥を広げて空気を肺に通しやすくする)
  4. 呼吸の確認(「見て」「聞いて」「感じて」確認する)
  5. 人工呼吸(2回)
  6. 心臓マッサージ(胸骨圧迫を30回連続)
  7. 人工呼吸・胸骨圧迫(2回:30回)の組み合わせを行なう
  8. AED(電源を入れ、電極パッドを装着)
  9. 心電図の解析(電気ショックが必要かどうかをチェック)

→ 詳しくは、詳しい解説・イラスト付きの 救命措置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用) – PDFファイル、総務省消防庁 をご覧ください。







【参考リンク】
続きを読む AEDを使った措置を受けた後、社会復帰をした患者が8年間で30倍以上に増えた|京都大健康科学センター