by Philippe Put(画像:Creative Commons)
■アメリカでは女の子の思春期の到達時期が昔に比べて早くなっている
(2014/1/31、モデルプレス)
2004年から2011年までアメリカで1500人の女の子を対象に研究を行った結果、胸が膨らみだした年齢を思春期と定義した場合、思春期に達した女の子の平均年齢は9.7歳で、1960年代の女の子と比べてもかなり早熟である事が分かったのです。
一方黒人の女の子の場合の思春期到達時期はさらに若く、平均で8.8歳、ヒスパニック系の女の子で9.3歳、アジア人の女の子で9.7歳でした。
アメリカでは、女の子の思春期(胸が膨らみだした年齢と定義)の到達時期が昔に比べて早くなっていることがわかったそうです。
■なぜ思春期に達する年齢が早まっているのでしょうか?
この結果の背景には肥満と年々高くなるBMIが深く関係していて、民族性に関わらずBMI値が高ければ高いほど思春期を迎える年齢が高くなる、という結果が小児科ジャーナルで発表されています。
研究によれば、BMI値が高ければ高いほど思春期を迎える年齢が早くなるそうです。
アメリカだけでなく世界的に肥満が問題になっているくらいですから、今回の研究をあわせてみると、女の子の思春期を迎える年齢がますます早くなるかもしれません。
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また、女の子が早熟になっているのは、他にも理由があるそうです。
肥満の他に、現代の女の子は運動量が少なかったり、野菜やフルーツの少なく、肉類や乳製品を多く含む食生活、家庭内でのストレス、整髪料に含まれるホルモン剤の使用なども早熟の一因になっている、ノースカロライナ大学の研究者、マルシア ハーマンギデンズ氏は言います。
食生活、家庭内でのストレス、整髪料に含まれるホルモン剤の使用なども影響しているそうです。
■思春期開始時期が早くなることで考えられる問題
思春期開始時期が早くなることで考えられる問題は2つ。
一つは、健康へのリスク。
思春期開始年齢が早いと、高血圧、2型糖尿病のリスクも高まるそうです。
もう一つは、心と身体の成長スピードが合わないこと。
身体が早く成長しても、心がその成長に追いついていないと、そのことで悩む子供が増えてしまうのではないかということです。
親、教師、周りの大人はこうしたことを理解して、自分たちの思春期の頃よりも少し前倒しにして、子供の成長を見守る必要があるのではないでしょうか。
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