by Marc Wellekötter(画像:Creative Commons)
■うがいは日本独特の習慣
(1)水うがいで風邪4割減
(2008/11/26、読売新聞)
風邪をひいた時などに赤くはれて痛むことの多い「のど」。
のどの粘膜についた病原体が悪さをするためだが、私たちは、小さい時から「風邪予防には、うがい、手洗い」と指導されてきた。
でも、「うがいは日本独特らしい」と京都大学保健管理センター所長(教授)の川村孝さんは語る。
米、英、カナダ、韓国などの公衆衛生研究者に聞いたところ、うがいの習慣はないという。
英語の「gargle」は口を清めるだけの意味が強い。
私たちは子供のころから、風邪を予防するためにも、うがい・手洗いをするように言われてきました。
しかし、この「うがい」は実は日本独特のものらしいのです。
■水うがいで風邪4割減
水うがいで風邪発症が4割減少世界初の無作為化試験で実証 |川西市上下水道局
多変量解析で群間のばらつきをそろえると、水うがいをした場合の発症確率はうがいをしない場合に比べて 40%低下することになる。一方ヨード液うがいでは 12%の低下にとどまり、統計学的にも意味のある抑制効果は認められなかった。
水道水のうがいだけで風邪が4割も減少し、水道水のうがいのほうがヨード液(うがい薬)を利用するよりも効果が出たそうです。
■なぜ水道水によるうがいのほうが効果的?
なぜ、水道水によるうがいのほうが効果的なのでしょうか。
水うがいで風邪発症が4割減少世界初の無作為化試験で実証 |川西市上下水道局
水の乱流によってウィルスそのものか、埃の中にあってウィルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが考えられる。またヨード液でそれほど効果が出なかったことについては、ヨード液がのどに常在する細菌叢を壊して風邪ウィルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする可能性が考えられる。
うがいによって、風邪のウイルスや埃の中にあってウィルスにかかりやすくするプロテアーゼがのどの粘膜にとりつくのを防いだり、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが考えられるそうです。
なぜヨード液には風邪の予防効果が得られなかったのでしょうか?
川村さんは、「うがいは、風邪のウイルスがのどの粘膜に取りつき、感染するのを防ぐ。しかし、ヨード液は、殺菌効果が強すぎ、外部へのバリアになる常在菌まで駆逐したせいではないか。薬を使っても回数や時間を減らせば結果は違うだろう」とみる。
ヨード液を使ったうがいの場合は、常在菌まで駆逐してしまい、外部へのバリアがなくなる恐れがあるそうです。
そのため、水うがいのほうが効果的だと考えられるそうです。
■おすすめのうがい方法
川村さんお勧めのうがい法は〈1〉水道水で〈2〉まず口をすすいで口内の汚れを取る〈3〉ガラガラうがいを1回5秒以上、数回行う――。
大事なのは習慣にしてこまめに続けることだ。
風邪を予防するためにも、以下のうがい方法をやってみましょう。
1. 水道水で
2. まずは口をすすいで行内の汚れをとり、
3. ガラガラうがいを1回5秒以上
4. これを数回行う。
うがいの習慣をつけて、かぜを予防しましょう。