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緑内障診断におけるHMD型視野検査システムを開発 暗室いらずで早期発見|関西大学・大阪医科大学

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■緑内障診断におけるHMD型視野検査システムを開発 暗室いらずで早期発見|関西大学・大阪医科大学

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by ETC-USC(画像:Creative Commons)

※参考画像であり、実際のものとは異なります。実際のHMD型視野検査システムに関しては、ニュース記事・ニュースレターに画像が紹介されています。

緑内障診断、ゴーグル型検査装置で手軽に…暗室いらず早期発見

(2017/1/31、読売新聞)

チームの小谷賢太郎・関西大教授(生体情報工学)らは、目の前に「暗室」を再現できるゴーグル型ディスプレーに着目。眼球の動きを捉えるセンサーと組み合わせ、画面に現れる灰色の点を左右の目で各5分(約60回)ずつ追うだけで欠損の有無や位置を精度よく検出できる装置を開発。患者、健康な人、それぞれ約10人に対して行った試験で、暗室と遜色ないデータが出たという。

関西大学システム理工学部小谷賢太郎教授は大阪医科大学の眼科教室と共同で研究開発を行い、緑内障の早期発見、早期治療を実現するための小型のディスプレイを頭に装着するHMD型(ヘッドマウントディスプレイ型)視野検査システムの開発を行ないました。




■HMD型視野検査システムのメリット

HMD型視野検査システム(視線移動情報を用いたHMD型超小型視野検査システム)には次のようなメリットがあります。

緑内障診療におけるHMD型視野計を開発

(関西大学ニュースレター)

•視線を固定せず測定できるため、被験者と視能訓練士の負担を軽減できる。
•簡便に短時間(片眼5分程度)で、被験者の姿勢を問わず測定が可能。
•小型かつ軽量のため、暗室や測定スペースがほぼ不要。
•ディスプレイに表示される光点を目で追うだけで、視野欠損の有無や位置が検知できる。
•既存の視野計(ハンフリー視野計)よりも低価格。

HMD型視野検査システムであれば、暗室が不要で検査ができるというメリットがあります。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、緑内障のリスク要因としては、眼圧の上昇による視神経の障害が主な要因ですが、その他にも、血流障害、近視、血管の痙攣(スパスム)なども緑内障の悪化に関わっており、どの要因が影響しているかによって治療法も異なってきます。

視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっていました。

緑内障は、早期発見が大事ですので、眼科での定期的な検査(緑内障ドック)が一番の予防法といえます。

緑内障は、眼圧測定だけではわからないため、眼底検査、視野検査などが必要です。

緑内障診療におけるHMD型視野計を開発

(関西大学ニュースレター)

精密な検査を実施する前段階の健康診断レベルで、視野欠損が判定できる検査装置を利用できれば、潜在的な患者と視野異常がない人とのスクリーニングができ、早期治療も可能です。

今回の新しい超小型視野検査システムによって、緑内障検査自体が身近なものとなり、早期発見することができるようになるといいですね。

→ 緑内障とは|緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら







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緑内障の進行を抑える化合物「KUS剤」を発見 マウス実験で効果|京大グループ

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■緑内障の進行を抑える化合物「KUS剤」を発見 マウス実験で効果|京大グループ

Boy testing eye site

by Les Black(画像:Creative Commons)

緑内障抑える化合物 京大開発、マウス実験で効果

(2016/4/20、日本経済新聞)

緑内障抑える化合物、マウスで効果 京大グループ発見

(2016/4/21、朝日新聞)

傷ついた神経細胞では、細胞に不可欠なATPという分子が少なくなっている。グループは細胞内のATPの量を高める化合物を開発。遺伝的に眼圧が高く、緑内障になるマウスに生後2カ月から毎日飲ませると、神経の減少は、生後10カ月の時点で2割減にとどまった。化合物を与えないマウスは6割以上減っていた。薬剤で目の神経を傷つけたマウスでも、神経細胞の減り方を抑えられた。

京都大学のチームによるマウスの実験によれば、開発した神経保護作用のある化合物「KUS(Kyoto University Substance)剤」に、緑内障の進行を抑える働きがあることがわかったそうです。

この研究についてのプレスリリースをチェックしてみます。

緑内障の進行を抑制、マウスで成功-新規の化合物を用いた難治性眼疾患の進行抑制に期待-

(2016/4/18、京都大学プレスリリースPDF)

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参考画像:緑内障の進行を抑制、マウスで成功-新規の化合物を用いた難治性眼疾患の進行抑制に期待-(2016/4/18、京都大学プレスリリースPDF)|スクリーンショット

緑内障の発症要因の 1 つは、体内で産生される(内在性)興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸による神経の過剰興奮が網膜神経の細胞死を招くためだと考えられています。

そこで今回の実験では、マウスの眼内にグルタミン酸と同じ神経興奮をもたらす NMDA4 という物質を注射し、緑内障で観察される網膜神経節細胞障害を起こしたうえで、KUS 剤を投与しました。

その結果、KUS 剤を投与したマウスでは投与しなかった個体に比べ、網膜神経節細胞の減少が抑制されることが分かりました。

緑内障の発症要因の1つは、グルタミン酸による神経の過剰興奮が網膜神経の細胞死を招くためと考えられており、今回の実験では、緑内障の時に見られる網膜神経節細胞障害を起こして、KUS 剤を投与したところ、投与しなかったマウスに比べて、網膜神経節細胞の減少が抑制されたそうです。

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参考画像:緑内障の進行を抑制、マウスで成功-新規の化合物を用いた難治性眼疾患の進行抑制に期待-(2016/4/18、京都大学プレスリリースPDF)|スクリーンショット

KUS 剤の投与がないマウスでは、網膜の神経節細胞の数や網膜の神経線維の数が減少し緑内障兆候が見られますが、KUS121 を 10 カ月間投与したマウスでは、その減少が抑制されていました(図2)。

KUS剤投与マウスにおいては、神経線維・神経節細胞の減少が抑制されています。

■KUS剤(KUS化合物)とは

新規神経保護剤により網膜色素変性の進行を抑制することに成功 -難治性眼疾患の進行抑制に期待-

(2014/8/6、京都大学)

体中の細胞に大量に存在し、細胞内のエネルギー源であるATPを消費する蛋白質(ATPase)の一つである、VCPという蛋白質に着目し、そのATP消費を抑制するような物質(低分子化合物)を新規合成し、その中から、細胞・神経保護活性のあるものを同定、網膜色素変性モデルマウスに投与することで、網膜色素変性の進行抑制効果を確認しました。

KUS化合物とは、細胞内のエネルギー源であるATPを消費する蛋白質(ATPase)の一つである、VCP蛋白質のATP消費を抑制する化合物です。

2014年には網膜色素変性に対する治療薬の開発につながる研究として紹介されていますが、今回は、緑内障の治療において、眼圧を下げるというアプローチで治療をするのではなく、視細胞の変性・死滅を予防・抑制することにより病気の進行を食い止める、つまり、神経保護による緑内障の進行抑制という視点から研究が勧められています。

今回の研究のポイントは、ポイントは2つ。

一つは、緑内障は目が受け取った光の信号を脳に伝える網膜の神経節細胞が、保持するエネルギー(ATP)を失って死滅し、進行するということ。

もう一つは、池田准教授らのグループが目の病気「網膜色素変性」の治療のために開発した、細胞内のATPの量を高める(またはエネルギーの消費を抑制する)低分子化合物「KUS剤」を緑内障を発症したマウスに投与したところ、神経節細胞の減少が抑えられたこと。

緑内障の主な治療法といえば、眼圧を下げることでしたが、今回の発見によって、神経細胞を守るというアプローチから緑内障を治療できる可能性が出てきました。

今後の研究に期待したいですね。

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緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコン

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【目次】

■緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコン

Oriol Pujol. Campanya contra el glaucoma

by Convergència Democràtica de Catalunya(画像:Creative Commons)

東北大とトプコン、緑内障分類を自動で行うソフトウェアを開発

(2016/8/25、マイナビニュース)

今回、同研究グループが開発したソフトウェアは、スウェプトソース光断層計(OCT)で3次元眼底撮像した視神経乳頭形状の精密な計測値を用いて、自動で緑内障の危険因子の4分類を行うというもの。多様な病因や進行形態をとる緑内障診療において、全国で標準化された緑内障病態の細分化や治療の個別化につながることが期待される。

東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授はトプコンと共同で、緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発したそうです。

■【背景】緑内障治療における問題点

東北大とトプコン、緑内障分類を自動で行うソフトウェアを開発

(2016/8/25、マイナビニュース)

緑内障においては眼圧が最も重要な危険因子となるが、眼血流や近視、血管の攣縮(スパスム)などが原因で緑内障が悪化することも知られている。眼圧以外の因子が緑内障に与える悪影響が大きいと、緑内障の主な治療法である眼圧下降治療だけでは緑内障の進行を食い止めることが困難になる。

緑内障の治療は、スパスム、近視、血流障害といった、眼圧以外の危険因子と眼圧を反映した4つのグループに緑内障を分類することで効率化が図れるが、その分類方法は検者の熟練を要し、また主観的な要素が大きく、一般の診療所では分類が難しいことが問題となっていた。

緑内障が悪化する四つの要因を分類。適切な処置が可能に!?

(2016/8/27、ニュースイッチ)

緑内障は、眼圧の上昇による視神経の障害が重要な病因の一つとされる。一方で血流障害や近視、血管のけいれんといった要因も、緑内障の悪化に関わることが知られている。眼圧上昇、血流障害、近視、血管のけいれんの4要因のうち、どの要因が強く影響しているかによって、視神経乳頭の拡大したへこみの形状に違いが現れる。

緑内障のリスク要因としては、眼圧の上昇による視神経の障害が主な要因ですが、その他にも、血流障害、近視、血管の痙攣(スパスム)なども緑内障の悪化に関わっており、どの要因が影響しているかによって治療法も異なってきます。

視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっていました。

今回、分類作業が自動化したことにより、経験の浅い医師でもできるようになり、また、標準化することによって、適切な治療を選択できるようになることが期待されます。




■分類を行なう新手法とは?

新手法は、眼球の網膜と脳をつなぐ視神経のうち、眼球側のつなぎ目部分「視神経乳頭」の形状を測定する。視神経乳頭は中心部がへこんでおり、視神経に障害が起きるとへこみが拡大する。

視神経乳頭は中心部がへこんでおり、視神経に障害が起きるとへこみが拡大するのですが、今回の新手法は、眼球の奥深くまで高精細に撮影できる3次元撮影装置を用いて、眼球側のつなぎ目部分「視神経乳頭」の形状を測定し、自動で緑内障の危険因子の4分類を行うというものです。

■篩状板の厚みが緑内障の新しい診断基準となる可能性がある

眼球内の篩状板(しじょうばん)の厚みを測定することに成功 緑内障の新しい診断基準の可能性

(2015/4/16、トプコン)

視神経が眼球に入る篩状板(しじょうばん)と呼ばれる部分の厚さの測定に成功し、緑内障の患者では健常者よりも篩状板が薄くなっていることを明らかにしました。

スウェプトソースOCTは、「篩状板(しじょうばん)」を眼球を傷つけることなしに観察することが可能になり、また、緑内障眼では篩状板が菲薄化(ひはくか、薄くなること)していることがわかったことにより、篩状板の厚みが緑内障の新しい診断基準となる可能性があるそうです。

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参考画像:図1.眼球後方にある篩状板は視神経の支持的な役割をしている。視神経の障害により緑内障は視野障害を生じる。|トプコン

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参考画像:図2.篩状板の描出と緑内障性変化|トプコン

■まとめ

緑内障の分類が標準化されることで、適切な治療・個別化治療ができるようになることが期待されます。

→ 緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら

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眼底検査で糖尿病や高血圧、緑内障、加齢黄斑変性などの病気の予測ができる




【目次】

■眼底検査で糖尿病や高血圧、緑内障、加齢黄斑変性などの病気の予測ができる

Royal Navy Medics Treating a Patient

by Defence Images(画像:Creative Commons)

眼底検査で糖尿病や脳卒中を予測

(2010/9/21、産経新聞)

瞳の奥にある網膜などの状態を見る「眼底検査」。

目の疾患だけでなく、高血圧や糖尿病など全身疾患を発見するきっかけにもなることから、企業の健康診断などに取り入れられている。

最近では、眼底検査が将来の病気の発症予測につながることを示唆する研究も出てきた。

専門医は眼底検査の重要性を訴えている。

眼底検査が、目の病気だけでなく、高血圧糖尿病などの病気を発見するきっかけになっているそうです。

また、眼底検査が病気の予測につながるのではないかとする研究も行われているそうです。

■眼底検査とは

眼底検査は、目に光を当ててレンズを使って眼科医が直接のぞきこむ方法と、専用の眼底カメラで撮影して結果を分析する方法の2種類ある。

いずれの場合でも瞳の奥にある網膜や血管、網膜の外側の脈絡膜などの様子をチェックする。

■なぜ眼底検査によって病気がわかるの?

検査によって、緑内障や糖尿病網膜症、網膜色素変性症や黄斑(おうはん)変性症といった視力障害の原因となる疾患が見つかる。

眼底検査によって、緑内障糖尿病網膜症加齢黄斑変性などの目の病気がわかりますが、眼底検査は目の病気以外の病気の発見にもつながるのだそうです。

だが、「眼底検査は一義的には目の病気を発見し、治すためのもの。でも実は、その情報は眼科だけにとどまりません」と山形大学医学部の山下英俊教授は話す。

「内臓の血管を生きた状態で見ることができるのは網膜だけ。だから、眼底検査は内臓の血管をつぶさに見ていることと同じなのです」。

そのため、網膜の血管の変化から、高血圧や糖尿病などを早期に発見することにつながり、健康診断などに取り入れられている。

眼底検査は、内臓の血管を生きた状態で見ることができる唯一の検査であり、これによって、血管の変化から、高血圧や糖尿病などの病気の早期発見につながるのだそうです。




■眼底検査で病気の発症を予測

最近では、眼底検査によって全身疾患の発症を予測する可能性を示唆するような研究も報告されている。

山形大学医学部が山形県舟形町の住民を対象に行った研究では、血圧が正常であっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高いことが明らかになった。

また、眼底検査によって発見される目の病気の一つで、視野の中心部で物がゆがんだり小さく見えてしまう「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連があることが分かってきた。

このうち脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は発症リスクが約2倍高いことなども判明。

少しずつだが、眼底をめぐる他疾患との関係性が解明されてきている。

ポイントをまとめます。

  • 血圧が正常であっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高い。
  • 「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連がある
  • 脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は発症リスクが約2倍高い

眼底検査が様々な病気の発症リスクの判断基準の一つになるようになりそうですね。

40歳を過ぎたら、ぜひ眼の検査(眼底検査)を受けましょう。







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AIが眼底画像を画像解析して「緑内障」「糖尿病網膜症」「加齢黄斑変性症」の早期発見を目指す|佐賀大学・オプティム

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■AIが眼底画像を画像解析して「緑内障」「糖尿病網膜症」「加齢黄斑変性症」の早期発見を目指す|佐賀大学・オプティム

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参考画像:佐賀大学とオプティム、IoT・AIを活用した未来型医療の共同研究・実証を行うべく包括的に連携「メディカル・イノベーション研究所」を設立へ(2016/12/22、OPTiM・佐賀大学ニュースリリース)

佐賀大学とオプティム、IoT・AIを活用した未来型医療の共同研究・実証を行うべく包括的に連携「メディカル・イノベーション研究所」を設立へ

(2016/12/22、OPTiM・佐賀大学)

研究の第一弾として、佐賀大学とオプティムでは、臨床画像データをAIに画像解析させることで、「緑内障」、「糖尿病網膜症」、「加齢黄斑変性」の早期発見・治療を目指してまいります。佐賀大学がもつ過去の臨床画像データを匿名化したうえで、「OPTiM Cloud IoT OS」のAIを用いて深層学習による機械学習を行うことで、コンピューターによる診断支援を実施していきます。

佐賀大学と株式会社オプティムは、IoT・AI(人工知能)といったテクノロジーを活用した未来型医療の共同研究・実証を行う「メディカル・イノベーション研究所」を設立し、研究の第一弾として、AIが眼底画像を画像解析して「緑内障」「糖尿病網膜症」「加齢黄斑変性症」の早期発見を目指していくそうです。

GOOGLE、人工知能(AI)「DEEPMIND」を目の病気(糖尿病網膜症と加齢黄斑変性症)の診断に活用によれば、Googleは英国営保健サービス(NHS)と提携し、人工知能(AI)プロジェクト「DeepMind」を糖尿病網膜症加齢黄斑変性症という目の病気の診断に活用するシステムの構築を目指していたり、また、糖尿病網膜症を網膜写真から見つけるディープラーニング用アルゴリズムを開発|GOOGLEによれば、Googleは、網膜写真から糖尿病網膜症(Diabetic retinopathy (DR))を見つけるためのディープラーニング(深層学習)用アルゴリズムを開発するなど、目の病気の画像解析に人工知能を活用する事例が出てきています。

将来的には「OPTiM Cloud IoT OS」に集積された臨床ビッグデータを活用することで、眼底画像から新たな疾患(心筋梗塞、脳血管障害やアルツハイマー型認知症など)の発症予測や、モバイル機器による簡易診断で早期発見を行うなど、新しい眼底診断・治療手法の創出を目指します。

眼底検査は目の病気だけでなく、最近では、眼底検査が将来の病気の発症予測につながることを示唆する研究も出てきています。

眼底検査で糖尿病や高血圧、緑内障、加齢黄斑変性などの病気の予測ができるによれば、眼底検査は、内臓の血管を生きた状態で見ることができる唯一の検査であり、これによって、血管の変化から、高血圧糖尿病などの病気の早期発見につながるのだそうです。

  • 血圧が正常であっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高い
  • 「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連がある
  • 脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は発症リスクが約2倍高い

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■緑内障とは?

緑内障とは、目が正常な機能を保てる「適正な眼圧」以上の眼圧のために、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気。

緑内障になると、眼圧などによって、視神経のミトコンドリア輸送が止まり、視神経の軸索がダメージを受け、視神経が死ぬ、と考えられています。

一度障害を受けた視神経は、再生することがないため、緑内障は失明する危険を伴う大変怖い病気といわれています。

ただ、緑内障の中には、眼圧が正常範囲(10~21mmHg)であっても緑内障になってしまう正常眼圧緑内障もあるため、眼圧だけで緑内障かどうかは決められません。

近年、緑内障は若年化・増加傾向にあるといわれており、早期発見、早期治療が大切なので、40歳前後の方は、一度眼科での検査をおすすめします。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、緑内障のリスク要因としては、眼圧の上昇による視神経の障害が主な要因ですが、その他にも、血流障害、近視、血管の痙攣(スパスム)なども緑内障の悪化に関わっており、どの要因が影響しているかによって治療法も異なってきます。

視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっていました。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法によって、分類作業が自動化したことにより、経験の浅い医師でもできるようになり、また、標準化することによって、適切な治療を選択できるようになることが期待されていますが、AIによる眼底画像から画像解析を行う技術が進歩することによって、眼科医が診断する上での大きな助けになることが期待されます。

→ 緑内障 について詳しくはこちら

■糖尿病網膜症とは?

糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症の一つ。

糖尿病網膜症、糖尿病性神経障害糖尿病性腎症を3大合併症と呼びます。

糖尿病網膜症は、日本の中途失明原因の第2位で、年間約3000人がこの疾患で失明しているともいわれるそうです。

網膜は、瞳から入った光の明暗や色を感知する組織で、細かい血管が密集しています。

そのため、高血糖状態が続くと血管の閉塞障害と血液凝固異常がおき、眼内の血管が徐々に詰まって、網膜に栄養や酸素が届かなくなります。

そのような状態になると、網膜に新しい血管が生まれ、酸素不足などを補おうとします。

しかし、この新生血管はもろく、少しの刺激でも出血し、重篤化(じゅうとくか:病気がより悪い状態になること)すると網膜剥離を起こし、失明してしまいます。

アメリカの糖尿病患者の約3割が糖尿病網膜症にかかっている!?によれば、米疾病対策センター(CDC)などの研究チームによれば、アメリカの糖尿病患者のうち3割近くが糖尿病網膜症にかかっているそうです。

しかし、糖尿病診断後1年以内に「眼科を受診しない」が6割|糖尿病網膜症の予防に関する実態・意識調査で紹介したバイエル薬品と参天製薬が2型糖尿病患者1000人を対象に行った調査によれば、糖尿病の診断後、1年以内に眼科を受診しない患者が約6割にのぼることがわかったそうです。

眼科検診で失明が36%減少する!|緑内障・糖尿病網膜症・変性近視・加齢黄斑変性・白内障が失明の主な原因で紹介した杏林大学大学院医学研究科の山田昌和教授(眼科)は、眼科検診によって5つの病気の発見率や失明の減少率を調べたところ、失明は緑内障で45%減、加齢黄斑変性で41%減、変性近視で24%減、糖尿病網膜症で17%減、白内障で4%減となり、5つ全体で検討したところ、失明を36%減少させることができると予測しています。

→ 糖尿病網膜症 について詳しくはこちら

■加齢黄斑変性症とは?

「黄斑部(おうはんぶ)」は網膜の中心にあり、ここが物を見る中心となっています。

黄斑部は直径2mm、厚さ0.2mmにすぎませんが、黄斑部が私たちの視力を支えています。

正常な黄斑部には、カロテノイド系色素ルテインとゼアキサンチンが集中的に分布しています。

加齢黄斑変性症の患者の場合、黄斑部のルテインとゼアキサンチンが減少しています。

加齢黄斑変性症とは、この黄斑部が何らかの原因で変性し、黄斑部を再生しようと網膜の外側の脈絡膜から細かい血管(脈絡膜新生血管)が発生します。

「新生血管(しんせいけっかん)」は、正常な状態では存在しないのですが、血管がつまり、網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなると、網膜が酸欠状態になり、新しい血管を生やして酸素不足などを補おうとします。

この新生血管は構造がもろく、容易に出血してしまい、これにより網膜に障害が起こります。

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■まとめ

人工知能を医療に活用しようとする研究が続々とニュースで紹介されています。

技術の進歩によって、医師の診断の助けになるような研究が進んでいくといいですね。







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