> 健康・美容チェック > 腎臓 > 腎臓の病気 > 多尿|なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の量が増えるのか?|腎臓病の症状
腎臓の機能が低下し、腎臓の病気になると、「多尿(たにょう)」という症状が現れますが、なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の量が増えるのでしょうか。
【目次】
■なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の量が増えるのか?
by Pedro Ribeiro Simões(画像:Creative Commons)
腎臓の機能として最も大事なのが、体の中に溜まった老廃物などをろ過して尿を作る機能です。
尿を作るという腎機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、多尿(尿の量が多くなる)という症状が起こります。
腎機能低下によって尿の量が増える例としては、「糖尿病」が挙げられます。
■糖尿病になると尿の量が増える原因
糖尿病とは、血糖値が高くなる病気で、簡単にいうと、上手くブドウ糖を取り入れられない病気です。
糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてします。
その血液の中にあふれた大量のブドウ糖を排出するため、尿の量が増えてしまいます。
特におしっこの泡が消えない人は注意が必要。
泡がきめの細かいクリーミーで消えない人は、糖尿病の合併症である腎症のおそれがあります。
→ 糖尿病腎症の症状・原因・治療 について詳しくはこちら
→ 尿の量・回数が多い|なぜおしっこ(トイレ)の回数・量が増えるのか?|糖尿病の症状 について詳しくはこちら
■一日の尿量の基準
腎臓について|藤本メディカルシステム
正常の膀胱容量は約400mlですから1日尿量1000~2000mlとすれば排尿回数は1日4~6回になります。
<中略>
尿量が100ml以下になる場合を『無尿』、500ml以下を『乏尿』と呼びます。
<中略>
尿量が3000ml以上になることを『多尿』と呼んでいます。
おしっこ(尿)の量が多い|五本木クリニック
健康な成人の尿量は、個人差はありますが、だいたい1000ml~2000ml程度です。
2つの記事からまとめます。
●健康な成人の尿量
個人差はありますが、1000ml~2000ml程度。(膀胱の容量が400mlぐらいで、排尿回数1日4から6回)
●無尿
尿量が100ml以下になる場合。
●乏尿
尿量が500ml以下になる場合。
腎機能が低下すると、1.身体の余分な水分や塩分が十分に排出できなくなる、2.たんぱく質(特にアルブミン)が漏れ出てしまい、血液中のアルブミン濃度が低下する、という理由から、身体がむくんだりすることがあります。
→ なぜ腎機能が低下すると体がむくんでしまうのか? について詳しくはこちら
●多尿
尿量が3000ml以上になる場合。
■腎臓の病気を予防する方法
腎臓の機能が60%未満に低下した状態の病気を慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)と呼びますが、CKDのリスク要因は、加齢、血尿、高血圧、糖尿病(高血糖)、脂質異常症、肥満と喫煙なのだそうです。
そのため、次のようなことが腎臓病の予防に欠かせません。
- カロリーや脂質を摂り過ぎないバランスのとれた食事
- 運動
- ダイエット(肥満解消)
- 塩分少なめの食事
- 水分補給
- 禁煙
それは、糖尿病と高血圧の危険因子が同じだからだと考えられています。
その他にも、脂質異常症(高脂血症)もリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。
→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら
■まとめ
尿を作るという腎機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、多尿(尿の量が多くなる)という症状が起こります。
多尿(尿の量が多くなった)以外に、むくみ・体がだるい・疲れやすい・頻尿(おしっこの回数が増えた)・尿が泡立つ(または泡立ちがなかなか消えない)といった症状がある場合には、腎機能の低下が疑われるので、一度病院でチェックしてみましょう。
→ 腎臓の病気|腎臓病の症状・種類・原因・食事・検査 について詳しくはこちら
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