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法人登記をAI(Copilot)と一緒にやってみた。人間とAIはどう役割分担したのか?

「法人登記って、自分でできるんだろうか?」

会社を経営していても、登記手続を頻繁にするわけではありません。

今回、株式会社ハクライドウでは、役員の任期満了に伴う重任登記が必要になりました。

正直なところ、これまでなら「よく分からないし、専門家にお願いした方がいいのかな」と考えていた仕事です。

でも今回は、AIにサポートしてもらいながら、自分たちで登記申請に取り組んでみることにしました。

最終的には、

・申請者情報の登録
・必要書類の確認と作成
・QRコード付き登記申請書の作成
・申請前チェック
・データ送信
・印刷・押印
・収入印紙の準備
・法務局への郵送

まで一つずつ進め、最後には申請用総合ソフトに、「登記申請に関する手続きが完了しました。」と表示されました。

今回やってみて分かったのは、「AIが法人登記をやってくれた」ということではありません。

むしろ、AIが得意なことと、人間がやらなければならないことを組み合わせた結果、今まで難しいと思っていた仕事を進められた。

そこが一番面白かったところです。

■「法人登記」という大きな仕事を、一つずつ進める

最初から「法人登記をする」と考えると、かなり難しく感じます。

そこでAIに、

「まず何をすればいい?」
「この画面ではどれを選べばいい?」
「次に必要な書類は?」
「この項目には何を書く?」

と、一つずつ聞きながら進めました。

最初に登記・供託オンライン申請システムへ申請者情報を登録。

続いて「申請用総合ソフト」をインストールしました。

今回は、申請データをオンラインで送信した後、QRコード付きの申請書を印刷して添付書類と一緒に法務局へ提出する方法で進めました。

最初は大きく見えていた仕事も、

登録する → 資料を確認する → 書類を作る → 入力する → チェックする → 印刷する → 押印する → 郵送する

と分解すると、一つひとつは対応できる作業になります。

【ちょっとしたAI活用の補足:Task Decomposition】

こうやって大きな仕事を小さな作業に分解することは、Task Decompositionと呼ばれる考え方に近いものです。

AIには「全部やって」と丸投げするよりも、「次に何をすればいい?」と作業を小さくしながら進める方が、今回のような実務では使いやすいと感じました。

■AIの回答だけでなく、実際の資料を確認する

次に必要だったのが、現在の会社の登記内容や定款などの確認です。

ここでは、AIが「こうだと思います」と答えた内容をそのまま使うのではなく、実際の資料を確認しながら進めました。

会社によって状況は違います。

一般的な法人登記の知識だけ分かっても、自社の現在の登記内容と合っていなければ意味がありません。

そこでAIには、資料を読み解くこと、必要な確認事項を整理すること、申請内容との整合性を見ることを手伝ってもらいました。

そして最終的な事実は、実際の会社資料で確認する。

この役割分担は非常に重要でした。

【ちょっとしたAI活用の補足:Source of Truth】

この「何を正しい情報の基準にするのか」という考え方は、Source of Truth(信頼できる情報源)という考え方に近いものです。

AIが答えたから正しい、ではありません。

今回なら、

AIは確認を助ける。正式な資料を事実の基準にする。

この関係です。

今後、AIを仕事に使う場面が増えるほど、「AIは何を根拠として仕事をしているのか」を意識することは重要になりそうです。

■AIと一緒に必要書類を準備する

今回の申請では、株主総会議事録、株主リスト、取締役互選書、定款の提出用コピーなどを準備しました。

AIには、

「この書類には何が必要?」
「この書き方で整合している?」
「次はどの資料を確認する?」

と相談しながら進めました。

ただし、当然ですがAIが株主総会を開くわけではありません。

実際の意思決定をする。
内容を確認する。
押印する。

こうした部分は人間の仕事です。

今回の登記を振り返ると、AIが文書作成や整理を支援し、人間が意思決定して実行するという形になっていました。

【ちょっとしたAI活用の補足:Human-in-the-loop】

こうした「AIだけで完結させず、重要な判断や責任を伴うところに人間が入る」仕組みは、Human-in-the-loopという考え方で説明できます。

特に今回のような法務・行政手続では、この役割分担は大切だと感じました。

■AIも人間も見逃した間違いを、システムが見つけた

今回、一番印象に残った出来事があります。

申請書をほぼ作り終え、「これで大丈夫だろう」と申請前チェックを実行しました。

すると、役員氏名が登記記録どおりに記載されているか確認してくださいという指摘が出ました。

確認してみると、役員氏名の漢字を間違えて入力していました。

人間も気づいていませんでした。

AIとの確認でも見逃していました。

ところが、最後に申請システム側のチェックが拾ってくれました。

修正して、もう一度チェック。

今度は、「チェックOK」となりました。

これは今回かなり重要な経験でした。

【ちょっとしたAI活用の補足:Verification】

Verificationとは「本当に正しいのか、別の方法でも確認すること」と考えると分かりやすいと思います。

今回なら、

AIが確認する
↓
人間が確認する
↓
正式な資料と照合する
↓
申請システムでもチェックする

という形になっていました。

AIの性能がどれだけ上がっても、間違いが完全にゼロになるとは限りません。

人間も同じです。

だから、間違えないことだけを目指すのではなく、間違えても途中で発見できる仕組みを作る。

こう考えると、AIを実務に入れるときのヒントになりそうです。

■AIだけでは判断できないところは、法務局へ確認した

もう一つ印象的だったのが、提出書類の扱いについて判断に迷ったときです。

AIと何度か確認しましたが、それでも確信が持てないところがありました。

そこで、管轄の長崎地方法務局へ直接電話して確認しました。

そして、法務局の回答に従って手続きを進めました。

ここも今回重要だったポイントです。

AIを使っていると、つい、「最後までAIだけで答えを出したい」と思ってしまいます。

でも仕事の目的は、AIだけで解決することではありません。

仕事を正しく完了させることです。

【ちょっとしたAI活用の補足:Escalation】

AIだけでは判断できない。

資料を調べても確信が持てない。

そんなとき、より確かな確認先へ切り替えることをEscalation(エスカレーション)と考えることができます。

今回なら、

まずAIに聞く
↓
実際の資料を見る
↓
それでも分からない
↓
管轄法務局へ確認する

という流れでした。

「AIですべて解決する」のではなく、どこで別の確認手段へ切り替えるかを決めておく。

これも今後AIを実務で使うときに役立ちそうです。

■予想外に悩んだ「収入印紙貼付台紙」

今回、意外なほど時間を使ったのが収入印紙でした。

登録免許税として1万円分の収入印紙を購入。

収入印紙貼付台紙を準備し、申請書と一緒に整えました。

法人登記の内容そのものより、「収入印紙って、申請書に直接貼るの?別紙なの?」というところで何度も立ち止まるとは思いませんでした。

実際の仕事って、こういうものなのかもしれません。

大きな制度そのものより、

「この紙はどうする?」
「ハンコはどこ?」
「何と何を綴じる?」

という小さな疑問で作業が止まります。

ここでも、その都度AIに確認しながら一工程ずつ進めました。

これはAIのすごさというより、細かな疑問をその場ですぐ相談できることの価値を実感したところでした。

■申請データ送信、そして郵送へ

申請前チェックで「チェックOK」が出た後、申請データを送信。

システム上で到達を確認しました。

次にQRコード付き株式会社変更登記申請書を印刷。

押印し、登録免許税の収入印紙を準備し、必要書類一式をそろえました。

最後にもう一度、

「申請書はあるか」
「添付書類はそろっているか」
「押印は済んでいるか」
「収入印紙はあるか」

を一つずつ確認。

そして長崎地方法務局へ郵送しました。

■郵送後、正式に受付。そして「手続終了」へ

郵送後、登記・供託オンライン申請システムから受付のお知らせが届きました。

長崎地方法務局で正式に登記申請として受け付けられました。

そして、その後、申請用総合ソフトに新しい通知が表示されました。

「登記申請に関する手続きが完了しました。」

メールでも、手続が「手続終了」になったという通知が届きました。

申請者情報の登録から始めて、一工程ずつ進めてきた今回の役員重任登記。

ようやく一つの区切りまで到達しました。

■やってみて分かった。「AIが登記してくれた」わけではない

今回を振り返ると、「AIを使ったら法人登記ができた」だけでは、少し違う気がします。

AIは、

・次に何をすればいいか整理する
・必要な書類を整理する
・文案を作る
・資料との整合性を確認する
・エラーが出たときに原因を一緒に考える

といった部分でかなり役立ちました。

一方、人間は、

・正式な資料を確認する
・意思決定する
・押印する
・法務局へ問い合わせる
・収入印紙を買いに行く
・書類を郵送する

という部分を担当しています。

さらに申請システムが、AIと人間が見逃した入力ミスを発見してくれました。

つまり今回は、

AIだけでもない。
人間だけでもない。

AIと人間が一緒に仕事をして、その途中に正式資料やシステムによるチェックを入れながら、一つの手続きを完成させた。

そう考えるのが一番近いと思います。

■AI活用で「何時間減らせたか」以外に見るもの

今回、AIによって何時間削減できたのかは分かりません。

初めてだったこともあり、途中でかなり迷いました。

申請書も一度作り直しています。

それでも、大きな変化が一つありました。

「難しそうだから自分ではやらない」と最初から諦めなかったことです。

分からなくなれば、「次は何を確認すればいい?」とAIに聞ける。

一つ理解できたら、次へ進む。

また分からなくなったら、相談する。

これを繰り返すことで、以前だったら自分では着手しなかったかもしれない仕事を、最後まで進めることができました。

AI活用を考えるとき、

何時間削減できたか。
何人分の仕事を代替できたか。

という評価ももちろん大切です。

でも、もう一つ、AIがなければ、この仕事にそもそも自分で取り組んでいただろうか?という見方も面白いと思います。

時間短縮ではなく、着手できる仕事の範囲が広がる。

今回の法人登記では、そのAIの価値を強く感じました。

■今回覚えておきたいのは「AIを含めてチェックの流れを作る」こと

今回、AIも間違えました。

人間も間違えました。

それでも、実際の登記内容や会社の資料との照合や申請システムのチェック、必要に応じた法務局への確認があったことで、その都度修正しながら前へ進めました。

そこから得た一番実践的な教訓は、

AIに正解を求めるだけではなく、AIを含めた仕事全体に確認ポイントを作っておく。

ということかもしれません。

先ほどの言葉をもう一度使えば、これはVerificationです。

でも、難しく考える必要はありません。

「ほんとに合ってる?」と別の方法でもう一回見る。

それだけでも、AIを仕事で使うときの安全性はかなり変わりそうです。

今回の法人登記は、AIですべてを自動化した話ではありません。

人間とAIが一緒になって、今まで難しいと思っていた仕事に挑戦した話です。

そして最後までやってみたことで、「AIを実際の仕事でどう使えばいいのか」について、少しだけ具体的な形が見えてきました。

次にまた知らない仕事にぶつかったときにも、

・まず仕事を小さく分ける。
・一次資料を確認する。
・AIと一緒に進める。
・別の方法でもう一度Verificationする。
・分からなければ、正しい確認先へ聞く。

この流れは、法人登記以外の仕事でも使えそうです。

今回得たものは、登記手続を一つ終えたことだけではありません。

「難しそうだから自分ではやらない」と思っていた仕事でも、AIと人間が一緒なら、一つずつ前へ進められるかもしれない。

そう実感できたことが、今回の一番の収穫だったのかもしれません。

※この記事は、株式会社ハクライドウが実際に行った役員重任登記の体験をまとめたものです。会社の状況や登記内容によって必要な手続・書類は異なります。実際に手続きを行う際は、法務局の最新情報を確認し、必要に応じて管轄法務局や司法書士等にご確認ください。

→ AI導入に悩み、Microsoft 365 Business Standard+Copilot を選ぶまでのリアルな物語







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