■アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!
by PopTech(画像:Creative Commons)
Fintech時代の金融機関は新たな顧客価値の創造が問われる(2016/8/4、ハーバードビジネスレビュー)によれば、テクノロジーを活用した金融のイノベーションである「Fintech」によって3つのインパクトがもたらされるとあります。
1.アンバンドル(解体)
例:スタートアップ企業や従来の金融機関以外の企業による伝統的な金融業務が解体
2.リバンドル(再結束)
非金融企業による業際(異なる事業分野にまたがる)の再定義
3.エンハンス(性能向上)
例:ブロックチェーンによって、既存の金融サービスに革新がもたらされる
【参考リンク】
- 2017年のFinTech–イノベーションを実現するための6つの論点(2017/1/1、ZDNet)
- 産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech 研究会)発言集(2016年3月、経済産業省)
- 1つのビジネスを3つに分けて特化したり、オポチュニティリッチにしたり、新たな市場を作る!という話。(2015/1/20、ありがとう製作所
)
こうしたテクノロジーによる変化は金融業界だけに起きるわけではありません。
Fintechの一つには、保険(Insurance)と情報技術(Technology)が融合した「InsTech(インステック)」がありますし、その他では、Health(健康)とTechnology(技術)が融合したHealthTech(ヘルステック)、農業(Agritech)、教育(Edtech)でもこうした変化が起きています。
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このように、今まで変化が起きていなかった業態でも、テクノロジーによってさまざまな変化がもたらされるかもしれないのです。
そこで、役立つ考え方が、1.アンバンドル(解体)、2.リバンドル(再結束)、3.エンハンス(性能向上)です。
あなたが携わる仕事の業界に3つのインパクトを当てはめてみるとどんな変化がもたらされるのかという実験ができるのではないでしょうか?
そのためには、あなた自身が顧客に提供する価値のどのような点がひきつけているのか、そしてそれが移行していないかを常にチェックする必要があります。
また、最新のテクノロジーについてのウォッチも重要でしょう。
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成功したビジネスモデルを持っていると、事業のカニバリズム(共食い)を起こしてしまわないかと思って、新しいビジネスモデルには移っていきづらいものです。
理想的には、自分がスタートアップの立場だったり、全くの異業種から企業だという立場に立ち、従来型の業務でアンバンドルできる部分がないかを考えたり、リバンドルができる分野がないかと考えてみるといいのではないでしょうか。
■まとめ
世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う|United, Fragmented, Repeated and Impermanent World
チームラボの作品の「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」のタイトルこそ、アンバンドル・リバンドル・エンハンスの考え方に近いように感じます。(アート作品のメッセージとは違うかもしれませんが、どのようなインスピレーションを受けるかはその人次第と思っていただければ幸いです。)
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