■Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)|Nintendo Switch×ダンボール工作で新しい遊び方の発明!
参考画像:Nintendo Labo(ニンテンドーラボ) 初公開映像|YouTubeスクリーンショット
スマートスピーカー(AIスピーカー)×ゲーム機(#プレステ や #NintendoSwitch など)の組み合わせが最強!?【2018年ビジョン】では、Nintendo Switchの新しい遊び方はAIスピーカー(スマートスピーカー)かなと予想していたのですが、「段ボール」で、ピアノや、つりざお、バイクなどをつくって それを「Nintendo Switch」と合体させると演奏したり、魚をつったり、レースしたりすることができるNintendo Laboでした。
自分で作るコントローラー「Toy Con」とNintendo Switchを合体させて遊んだり、作ることで仕組みがわかるというような「遊びながら学ぶ」というのがコンセプトのように感じます。
Sonyの「toio」に近い印象ですね。
ロボット×プログラミング×遊び=トイ・プラットフォームtoio(sonyのおもちゃ) #stem #steam #educationによれば、絶対位置センサーと高性能モーターを内蔵されたtoioコアキューブはおもちゃや工作をのせることができる小さなロボットで、コントローラーであるtoioリングは、内蔵する加速度センサーで、toioコアを操作でき、自分の工作物と組み合わせることで新しい遊びができるというものです。
#SONY ロボット・プログラミング学習ができるSTEM教育キットKOOV|「TINKERING(ティンカリング)」とデザイン力を育てる
Nintendo Laboが目指すところは「Tinkering(ティンカリング)」にあると考えられます。
ティンカリングの定義と性質|ティンカリングの観点を取り入れた生徒主体の「ものづくり」に関する研究|日本科学教育学会研究会
Wohlsen(2011)は「ティンカー」を、何でもいじらずにいられないという性質を持つ者、あるいはそうした振る舞いの呼称であり、「ティンカリング」は創造性(creativity)の本質であると述べている。さらに、Wohlsenは「ティンカー」は傍目には遊んでいるように見えても、すでに完成しているエンジンパーツやコンピュータ・コードの一部をまったく新しいものにつくり変えようとしており、遊戯性を伴うが、新しい何かを創りだそうとと熱意と才能を注ぐ知的競争と表現している。
Marcus Wohlsen(2011), Biopunk: Solving Biotech’s Biggest Problems in Kitchens and Garages
小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議(第2回) 議事録(2016/5/19、文部科学省)
少し手前みそなんですけれども、弊社で開発している商品の簡単な紹介をさせていただきたいんですけれども、KOOVという名前で、ブロックを使ったロボットプログラミングキットを、今、開発中でして、今年中には発売する方向で、今、準備を進めているところです。このブロックを使ってロボットを作るというところなんですけれども、教材としてのメリットは、いわゆるティンカリングと言われている、手探りをしながら試行錯誤、トライ・アンド・エラーしながら自分なりにいろいろなロボットを作っていって課題に対処するみたいな、そういった手触りで試行錯誤する過程が非常に教育効果が高いということで、このブロックを使ったロボットというのは、レゴさんなんかもそうですけれども、海外でも高い評価受けているところになります。
試行錯誤する課程を通じて課題に対処することが教育効果が高いということであり、KOOVはその「Tinkering(ティンカリング)」の観点を取り入れたキットといえると考えられます。
子供の頃に、時計や家電製品を分解したことがある人もいるのではないでしょうか。
これも一種の「Tinkering(ティンカリング)」と考えると、分解することでモノの構造を知り、大きく言えば世界を知ろうという好奇心や創造力を育てることにつながっているのではないでしょうか。
■Nintendo Laboにはどんなテクノロジーが使われている?
Nintendo Laboの動画では、ピアノや、つりざお、バイクなどの動きができると紹介していますが、どんな技術でその動きを再現しているのでしょうか?
(2017/8/10、Nintendo)
Nintendo Switchでは「リニア振動モーター」が生み出すHD振動によって、微妙な振動のちがいを細かく表現することができるようになったので、ボールが転がる触感や、ガラスの中で氷がぶつかるような触感などをつくりだすことができるようになったのです。
学研さんと「モーションIRカメラ」のヒミツについて調べてみました。
(2018/1/15、Nintendo)
モーションIRカメラはこの「赤外線ライト」と「IRカメラ」のコンビネーションで、物の動きを調べているのです。
このプログラムを変えれば、「モーションIRカメラ」は口の動き以外にもいろいろなことを認識することができます。
Nintendo Switchには振動の違いを細かく表現できる「HD振動」で触感を作り出すことができ、また、高い精度で赤外線を捉えることができる「IRカメラ」と「赤外線ライト」の組み合わせてモノの動きを認識できる「モーションIRカメラ」という機能があり、この2つの機能を使って、ピアノや、つりざお、バイクなどの動きを再現していると考えられるそうです。
「Nintendo Labo」は何がスゴイのか 公式映像から考察してみた
(2018/1/18、ITmediaニュース)
「ゲームボーイ」生みの親として知られる任天堂の開発者、故・横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」を想起させる。
iPhoneはゲームボーイだ:任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代
(2015/7/2、週刊アスキー)
テクノロジーというものがあって、縦に技術を掘っていくのではなく、水平にそれをどう使って、どう演出して、コンテンツ化していくか、その発想力というのがとても重要なんですね。
常に新しいテクノロジーがよいというわけではなくて、そのテクノロジーをアイデアをどう使うかがポイントだということでしょうね。
この考え方を使って、子供も大人も含めて遊ぶとよいのではないでしょうか?
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■まとめ
おもちゃと触れて遊んでいるうちに、好奇心をもって試行錯誤をしながら、自然と学ぶというのがこれからの教育の形になっていくのではないかと思っているのですが、Nintendo Laboのコンセプトも同じように、手を動かして(工作)遊んで、触れあっていくうちに新しい遊びを考えていき、自然と新しい発見をしていくというものです。
猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第6回「もう一つの“体育”で、『身体的知』(身体を固定しない“知性”)を鍛えたい」
(2016/3/1、ほぼ日刊惑星開発委員会)
これまでの学校や知的な訓練って、身体を固定して、もっと具体的に言えば椅子に座って働かせる知性なんだと思うんだよ。
<中略>
「図書室は静かに」というじゃない。この言葉に象徴されるように、従来の知性というのは、まさに美術館でパースペクティブのある絵画を見るときのように身体を固定して、他者も意識していなくて、インプットの情報量がほとんどない中で大脳をフル回転させる知性なんだよね。そもそも文章や記号というもの自体が、情報量としてはバイト数のほとんどないものだしね。でもさ、一方でたとえば、「IQよりも社会性のほうが社会的成功には関連性がある」みたいな主張の論文なんかがあるんだよ。
それって、「社会性」がバズワードになっているだけで、要は椅子に座っていなくて、図書館みたいな特殊な状況ではない――外部からのインプット情報が極めて多くて、目も耳も感覚を全て使っているような――状態での、人間の能力のことなんじゃないかな。
「チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地」は未来の教育の形!?で今回体験してみて感じたのは、『身体的知』の話です。
『移動する知性』|「アイデアと移動距離は比例する」(高城剛)をダニエル・ゴールマンと猪子寿之を参考に考えてみる。では、自分なりに猪子寿之さんの考え方を次のように解釈しました。
従来の知性というのは、身体を固定して働かせる知性が重視されていましたが、その状態というのは、自分自身が固定されていた状態で、相手も意識していない状態のため、インプットされる情報量が限られています。
『身体的知』(身体を固定しない知性)というのは、自ら移動しながら(身体が固定されておらず)、相手を意識した状態であるため、そこには五感をフルに働かせたことでおびただしい量のデータのインプットが得られます。
今回体験した「チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地」ではこの考えを実際のモノとして表現したもののように感じました。
ものがどのようにしたら変化をするのか、お互いがどのように影響しあうのかなどを遊ぶように体験する中で自然と学んでいくことができる、アートでありながら、いろんなことを学ぶことができる新しい形の教育のように感じました。
これからの教育は「遊びながら学ぶ」という方向に進んでいくのではないでしょうか。
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