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生薬甘草に含まれる成分「イソリクイリチゲニン」が、メタボや内臓脂肪の炎症、線維化を抑える|富山大などグループ

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■生薬甘草に含まれる成分が、メタボや内臓脂肪の炎症、線維化を抑える

Licorice Ferns

by J Brew(画像:Creative Commons)

メタボに生薬甘草…内臓脂肪の炎症・線維化抑える効能 富山大などグループ

(2016/3/16、産経新聞)

研究グループによると、肥満が進むと、内臓脂肪の中の脂肪細胞と白血球の一種「マクロファージ」の働きで、内臓脂肪が炎症を起こし線維化する。炎症が起きるとインスリンの働きが悪くなり糖尿病の要因となる。また線維化により内臓に脂肪が蓄積し、メタボリック症候群や脂肪肝の原因となるという。

研究グループは20週にわたり、高脂肪食のみ、高脂肪食と甘草に含まれるイソリクイリチゲニン(ILG)を与えるマウスに分けて実験。高脂肪食だけでは内臓脂肪の線維化がみられたが、ILGを与えたマウスは線維化が抑えられた。

富山大などの研究グループが行なったマウスによる実験によれば、漢方薬に用いられる生薬甘草に含まれる成分イソリクイリチゲニン(ILG)が、メタボリックシンドローム糖尿病の原因となる内臓脂肪の炎症、線維化を抑えることがわかったそうです。




■イソリクイリチゲニン(ILG)が内臓脂肪の炎症および線維化を抑制するメカニズム

●イソリクイリチゲニン(ILG)は脂肪細胞に働き、抗炎症作用を示す

生薬甘草の成分が内臓脂肪の炎症・線維化を抑制する機序を解明

(2016/3/14、富山大学)

そこで本培養実験法において、ILG の効果を検討したところ、ILG はマクロファージから産生される炎症性サイトカイン注6)TNF-αや脂肪細胞から産生されるケモカイン注7)MCP-1 の発現を抑制することが明らかになりました(図2)。さらに詳細に検討したところ、ILG は TNF-αによる脂肪細胞の活性化を抑制すると共に、飽和脂肪酸によるマクロファージの活性化も抑制することが明らかになりました(図3)。このように、ILG は脂肪細胞に作用し、抗炎症作用を示すことが初めて見いだされました。

飽和脂肪酸はマクロファージに発現する TLR4 注8)参照を活性化し、TNF-αや IL-6 などの炎症性サイトカイン産生を誘導することが知られている。

イソリクイリチゲニン(ILG)は炎症性サイトカイン(生理活性物質)のTNF-αによる脂肪細胞の活性化を抑制し、飽和脂肪酸によるマクロファージの活性化も抑制することがわかったことから、ILG は脂肪細胞に働き、抗炎症作用を示すことがわかったそうです。

●ILG は内臓脂肪の線維化を抑制する

生薬甘草の成分が内臓脂肪の炎症・線維化を抑制する機序を解明

(2016/3/14、富山大学)

ILGを混ぜた高脂肪食を与えたマウスでは、高脂肪食による線維化が顕著に抑制されていました(図4)。さらに詳細に検討したところ、ILG はマクロファージに作用し、自然免疫センサーであるMincle や TLR4 注8)による線維化関連遺伝子の発現を抑制することを明らかにしました。したがって、ILG は内臓脂肪のマクロファージに作用し、線維化を抑制すると想定されました。

イソリクイリチゲニン(ILG)は内臓脂肪のマクロファージに作用し、自然免疫センサーであるMincleやTLR4による線維化関連遺伝子の発現を抑制することで、線維化を抑制すると考えられます。

■まとめ

以前、リコリス(甘草)で内臓脂肪を減らしてメタボ改善(2008/11/27)によれば、リコリス(甘草)に含まれる「グラブラポリフェノール」が内臓脂肪を減らすため、メタボ改善に役立つと紹介していましたが、今回の研究によれば、甘草に含まれる成分イソリクイリチゲニン(ILG)が、脂肪細胞やマクロファージに作用し、内臓脂肪の炎症、線維化を抑えることがわかりました。

今後、イソリクイリチゲニン(ILG)を活用したメタボリックシンドローム治療薬が開発されるかもしれません。

→ 内臓脂肪を減らすには|内臓脂肪の落とし方 について詳しくはこちら







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体脂肪とは|脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンと悪玉ホルモン




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■体脂肪とは|脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンと悪玉ホルモン

Feeling Fat.

by Caitlin Regan(画像:Creative Commons)

体脂肪ってこうやってつくのか!

(2010/4/19、日経ウーマンオンライン)

まず、ぜい肉の正体は「体脂肪」。これは「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の二つを総称したもの。

全部合わせると体重の約20%を占める、大きな組織だ。

ちなみにこの脂肪の割合がおなじみの「体脂肪率」で、肥満の人は30%を超える。

いわゆるぜい肉と呼ばれるものは、体脂肪であり、体脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪の2つの総称。

■皮下脂肪とは?

皮下脂肪は、文字通り皮膚の下にある脂肪の層。

つく場所によって厚さに違いはあるが、体表面全体を覆っており、体の熱を維持したり、外からの刺激を受け止め、和らげるクッションの役割も果たす。

皮下脂肪は比較的イメージもしやすく、わかりやすいですよね。

ただ、皮下脂肪にもしっかりと役割があり、体の熱を維持し、クッションの役割があるということは忘れてはいけません。

■内臓脂肪とは?

皮下脂肪のわかりやすさに比べ、間違って理解されやすいのが内臓脂肪だ。

そのネーミングから、個々の臓器のまわりにびっちり付着した脂肪の塊をイメージする人も多いが、実際の内臓脂肪は、お腹の中の、内臓が納まっている空間部分(腹腔(ふくくう))の前面に主に存在し、カーテンのように垂れ下がっている。

「大きさからいっても形状からしてみても、ちょうどエプロンのようなもの」と、脂肪組織に詳しい東京農業大学の田中越郎教授は説明する。

記事にも書かれている通り、内臓脂肪は間違ってイメージしている人もいるのではないでしょうか。

実際私も内臓の周りに脂肪がついているというイメージを持っていました。

しかし、実際は、胃のすぐ下あたりからエプロンのように垂れ下がっているそうです。

さらに細かく見ていくと、皮下脂肪も内臓脂肪も、脂肪細胞が無数に集まってできている。

脂肪細胞は、中性脂肪を大量に抱えこんで、ぼわっと膨張した状態の細胞。

普通の細胞に比べて、容積がなんと数百倍!

細胞としては極めて異質で、おばけみたいな存在だ。

普通の細胞に比べて、脂肪細胞は容積が数百倍もあるそうです。

これは、脂肪細胞には、飢餓に備えてエネルギーを貯蔵するという役割があったからであり、ある意味人類の飢餓との歴史を示すものでもあります。




■脂肪細胞から分泌されるホルモン

飢餓(きが)に備えて、余ったエネルギーを貯蔵するというのが脂肪細胞の大きな役割だが、実は、単なる中性脂肪の貯蔵庫ではなく、様々なホルモンを分泌して体の機能を調整する働きがあることもわかっている。

脂肪細胞から分泌される大切なホルモンの中で代表的なのは、レプチンやアディポネクチン。レプチンは食欲を抑えて食べすぎを防ぐ働きがあり、アディポネクチンは、傷付いた血管の修復に働く。「脂肪憎し」といえど、適量の脂肪は、こうした“善玉ホルモン”の分泌のためには不可欠なのだ。

ところが、脂肪細胞が中性脂肪をためこみ過ぎて肥大化すると、本来のホルモン分泌のメカニズムが狂い、異常事態が起こる。血栓を溶けにくくするPAI-1(パイワン)、糖尿病を引き起こすTNF-αといった悪い作用をもたらす“悪玉ホルモン”が分泌され始めるのだ。

ちなみに、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、こうした悪玉ホルモンを分泌しやすい。皮下脂肪が多くてぽっちゃりしている人より、スリムだけどお腹だけが出ているメタボ体形の人の方が生活習慣病になりやすいと言われるのはこのためだ。

●脂肪細胞から分泌されるホルモン

<善玉ホルモン>

レプチン:食欲を抑えて食べ過ぎを防ぐ働き

アディポネクチン:傷付いた血管の修復に役立つ

<悪玉ホルモン>

PAI-1:血栓を溶けにくくし、動脈硬化を引き起こす

TNF-α:インスリンの効きを悪くし、血糖値を下がりにくくして、糖尿病を引き起こす

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