by ivva イワヲ(画像:Creative Commons)
> 健康・美容チェック > 糖尿病 > 避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震
(2016/5/15、NHK)
避難所での食事は量が不安定なうえ、パンやごはんなどの炭水化物の割合が多くなりがちなため、血糖値が上がったり、逆に下がりすぎたりする問題が見られたということです。
熊本県内の避難所では、医師などの医療チームが糖尿病の悪化を防ぐための指導を行なっているそうです。
糖尿病の指導を行っている理由としては、避難所での食事は量が安定しておらず、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいからなのだそうです。
→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら
【追記】
「朝は菓子パン、昼はおにぎりやカップ麺、夜は揚げ物を中心としたお弁当というセットが何か月も続く」という問題が何十年も放置されているのはなぜか?
■炭水化物(糖質)とたんぱく質の血糖に変わる割合と速度
炭水化物(糖質)とたんぱく質の血糖に変わる割合と速度について、簡単にまとめます。
●炭水化物(糖質)
- 100%が糖に変換される
- 食後の血糖を上昇させる(たんぱく質や脂質に比べて、最も早く血糖に変わる)
●たんぱく質
- 一部が糖に変換される
- しばらく(数時間から半日)たってから糖に変換される
つまり、炭水化物(糖質)が、最も血糖値に影響を与え、最も早く血糖に変わるということです。
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【追記(2026年8月10日)】
災害時の避難所での食事は、時間経過(フェーズ)に応じて必要な内容・栄養が変化します。
これまでの災害経験(東日本大震災、熊本地震など)や厚生労働省・国立健康・栄養研究所の指針、地方自治体のマニュアル、およびご指定の「災害時の食と栄養 支援の手引き」(食べる支援プロジェクト/たべぷろ、JVOAD関連、2024年版)を基にまとめます。
手引きでは、発災直後から時間が経つにつれて問題が変化する「時間×場所別の整理」が示されており、避難所では初期の「量の不足」から、支援物資到着後の「炭水化物偏重(たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維不足)」へ移行しやすいと指摘されています。
温かい食事や要配慮者対応の難しさも共通課題です。
実際の進行は災害規模・地域状況で前後しますが、標準的なフェーズ分けを以下に整理します。
共通の目標栄養量(目安)厚生労働省が示す「避難所における食事提供の計画・評価のために当面の目標とする栄養の参照量」(被災後約3ヶ月頃まで)を参考にします(1歳以上・1人1日当たり)。
エネルギー:約2,000kcal
たんぱく質:55g
ビタミンB1:1.1mg
ビタミンB2:1.2mg
ビタミンC:100mg
(長期化時はエネルギー1,800〜2,200kcal程度に調整し、過不足を避ける。食塩相当量にも注意。)
要配慮者(乳幼児・高齢者・嚥下困難者・アレルギー・慢性疾患・妊娠中など)向けの特殊食品は、初期から不足しやすいため優先確保が必要です。
【フェーズ別の必要な食・対応】
フェーズ0〜1:超急性期〜緊急対策期(発災直後〜概ね72時間以内)
状況:ライフライン寸断、食料・水の絶対的不足、混乱。備蓄や初期支援物資中心。
必要な食:水分(飲料水、可能なら経口補水液など)とエネルギーの確保が最優先。調理不要で食べられるもの(備蓄のパン・おにぎり・レトルト・缶詰・非常食・高エネルギー食品)。温かいものは難しい場合が多い。
栄養重点:エネルギーと水分。たんぱく質・ビタミンはまだ後回しになりがち。
ポイント・経験から:脱水やエコノミークラス症候群予防のため水分摂取を促す。要配慮者用(粉ミルク、アレルギー対応、嚥下調整食など)を早期に確認・配布。菓子パンやおにぎり偏重が始まりやすい。
支援:備蓄の計画的配布、状況アセスメント。
フェーズ2:応急対策期(概ね4日目〜2週間頃、避難所対策中心)
状況:支援物資が増え量は改善するが、主食(おにぎり・パン・カップ麺)が余剰気味に。ライフラインが徐々に復旧し始め、炊き出しが可能になる場合も。
必要な食:主食に加え、たんぱく質源(缶詰の魚・肉、レトルト、常温牛乳・乳製品、大豆製品)、ビタミン・ミネラル源(野菜ジュース、果物缶詰・ゼリー、可能なら生鮮野菜や汁物)。温かい汁物・炊き出しを1日1回程度取り入れるのが理想。主食・主菜・副菜のバランスを意識。
栄養重点:エネルギー継続+たんぱく質、ビタミンB群・C、食物繊維。便秘・口内炎・免疫低下予防。
ポイント・経験から:炭水化物過多が続き、野菜・たんぱく質不足で体調不良(便秘、口内炎、疲労)が増える。手引きでも「量が足りても栄養偏り」が指摘。弁当や炊き出しでおかずを補う。要配慮者対応の継続。
支援:物資の組み合わせ調整、炊き出し調整、巡回栄養相談の開始。
フェーズ3:応急〜復旧期(概ね3週間〜1〜2ヶ月頃、仮設住宅入居まで)
状況:ライフライン復旧が進み、弁当支給や本格的な炊き出しが増える。避難所生活の長期化で慢性疲労・疾患悪化のリスク。
必要な食:主食・主菜・副菜が揃う食事。米飯中心、魚・肉・卵・大豆製品、野菜・果物を意識した献立。温かい食事、汁物。食塩過剰(揚げ物弁当や加工食品)に注意。
栄養重点:全体バランス+特定の不足(カルシウム、鉄、ビタミンAなど、特に子ども・女性・高齢者)。エネルギー過不足の回避。
ポイント・経験から:弁当中心だと油・塩分過多になりやすい。炊き出しのマンネリ化や撤退タイミングも課題。在宅・車中泊避難者への漏れにも注意(手引きで強調)。
支援:1週間単位の献立計画、栄養教育・相談、要配慮者個別対応。
フェーズ4以降:復旧・復興期(概ね1ヶ月以降、長期)
状況:仮設住宅移行、自炊再開や生活再建。避難所閉鎖へ。
必要な食:日常に近い栄養バランスの食事。主食・主菜・副菜の継続、自炊支援(調理器具・食材)、生活習慣病予防を意識した内容。
栄養重点:過不足の調整、慢性疾患対応、食欲不振・筋力低下予防。
ポイント・経験から:調理器具・冷蔵庫不足で自炊困難なケースが続く。サロンやコミュニティでの食事支援が有効。手引きでは仮設住宅で支援難易度が上がると指摘。
支援:栄養相談の継続、自立支援、健康教育。
全体を通じた留意点(手引き・経験から)
- 温かい食事の価値:心のケアにもつながり、栄養改善効果が高い。炊き出しは衛生管理・調整・人材確保が課題。
- 要配慮者:常に優先。特殊食の備蓄・調達を平時から。
- 在宅・指定外避難者:実態把握が難しく支援が届きにくい。配布拠点の工夫が必要。
- 衛生・保管:腐敗リスク、食中毒予防。
- 民間連携:行政だけでは限界。炊き出しや物資支援で官民連携を(手引きの主眼)。
- 経験の繰り返し:菓子パン・おにぎり偏重が長年続く問題として手引きで指摘。事前備蓄(家庭は1週間分目安、要配慮者は2週間分)と訓練が重要。
【参考文献・情報】
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