微小血管狭心症患者と血漿セロトニン濃度の相関

微小血管狭心症の診断に血漿セロトニン濃度がバイオマーカーになる可能性|#東北大学


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■微小血管狭心症の診断に血漿セロトニン濃度がバイオマーカーになる可能性|東北大学

微小血管狭心症患者と血漿セロトニン濃度の相関
微小血管狭心症患者と血漿セロトニン濃度の相関

参考画像:微小血管狭心症患者と血漿セロトニン濃度の相関 |微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定(2016/10/11、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授の研究グループによる研究によれば、「微小血管狭心症」に対して、血中セロトニン濃度がバイオマーカー(病気の進行や治療の効果を測るための)となることを明らかにしました。

虚血性疾患の発症メカニズム
虚血性疾患の発症メカニズム

参考画像:虚血性疾患の発症メカニズム|微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定(2016/10/11、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

微小血管狭心症の症例
微小血管狭心症の症例

参考画像:微小血管狭心症の症例|微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定(2016/10/11、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

微小血管狭心症は心臓カテーテル検査による冠動脈造影のみでは診断が困難であり、しばしば見過ごされてきていたそうです。

また、閉経後の女性に多く発症し、正確な診断には侵襲的な心臓カテーテル検査が必要であり、簡便な診断方法の確立が待たれていたそうです。

セロトニンの作用
セロトニンの作用

参考画像:セロトニンの作用|微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定(2016/10/11、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

セロトニンは、強力な血管収縮作動作用と血小板凝集作用を有する血管作動物質として古くから知られているそうで、今回の研究によれば、微小血管狭心症患者では、血漿セロトニン濃度が上昇することを世界で初めて明らかになったことから、血漿セロトニン濃度が、微小血管狭心症の診断バイオマーカーとなる可能性があるそうです。




■まとめ

微小血管狭心症の症状・原因|更年期の女性の10人に1人が発症!?|#ドクターG #あさイチによれば、更年期の女性の10人に1人が微小血管狭心症を発症するともいわれていますが、正確な診断には身体に負担のかかる侵襲的な心臓カテーテル検査が必要でした。

今回の研究が進めば、体の負担が少ない方法で診断することができることが期待されます。

→ 更年期障害の症状・原因・チェック|40代・50代の更年期の症状 について詳しくはこちら







【参考リンク】

微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定-診断方法確立・治療法開発へ一歩前進-

(2016/10/11、東北大学プレスリリース)

近年、古典的な心筋虚血のメカニズム(動脈硬化性、冠攣縮)に加えて、心臓の微小血管障害が、虚血性心疾患における第3の発症機序として注目されるようになってきました。冠微小血管障害は、血管造影で確認することが困難な500㎛以下の冠微小血管における器質的・機能的異常により心筋虚血を生じる病態です。心電図検査・心臓カテーテル検査などの一般的な検査を行っても異常診断が難しく、また、まだあまりよく知られていないことから、これまで見過ごされることも多かった疾患です。また、閉経後の女性に多く発症することも知られています。その原因に関しては血管内皮や平滑筋の障害だけでなく、血管リモデリングや血管周囲の線維化などの構造的異常も関与しているとされ、冠微小血管の拡張能低下、心室壁内における不均一な血管拡張による盗血現象、微小血管攣縮など複数の病態が複雑に絡み合っていると考えられており、原因の特定が困難です。これまで、微小循環障害は心血管疾患の原因となる要因であること、虚血性心疾患に対する一般的な治療薬であるカルシウム拮抗薬や硝酸薬などの有効性が十分ではないことが報告されています。

【参考リンク】

  • Yuji Odaka, Jun Takahashi, Ryuji Tsuburaya, Kensuke Nishimiya, Kiyotaka Hao, Yasuharu Matsumoto, Kenta Ito, Yasuhiko Sakata, Satoshi Miyata, Daisuke Manita, Yuji Hirowatari, Hiroaki Shimokawa Plasma concentration of serotonin is a novel biomarker for coronary
    microvascular dysfunction in patients with suspected angina and unobstructive coronary arteries(狭心症が疑われる非閉塞性冠動脈疾患患者における冠微小血管機能障害バイオマーカーとしての血漿セロトニン濃度に関する検討 ) European Heart Journal. 2016 (doi:10.1093/eurheartj/ehw448)

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