2020年には日本国内でAI(人工知能)分野の人材が約5万人不足!?産業化ロードマップの実現のために人材育成が急務!





■2020年には日本国内でAI(人工知能)分野の人材が約5万人不足!?産業化ロードマップの実現のために人材育成が急務!

European Education, Training and Youth Forum 2012

by Jirka Matousek(画像:Creative Commons)

国会や生命保険でもAIを活用する動きでは、AIを活用した業務の効率化や国会答弁の下書きの作成にAIを活用する実験などのニュースを取り上げましたが、そもそも人工知能を専門とする人材はそんなにいるのでしょうか?

いま、世界の大企業は「AI人材」を食い尽くそうとしている

(2016/1/3、WIRED)

ここ数年の間に、大手企業は、聞いたこともないような多くのAIスタートアップを先を争って手に入れてきた。ツイッターは、Mad Bit、Whetlab、Magic Ponyを買収した。アップルはTuriとTuplejumpを手に入れた。Salesforceは、MetaMindとPrediction I/Oを獲得し、IntelはNervanaを獲得した。そしてこれはリストのほんの一部にすぎない。

買収を行っているのは、ソフトウェア会社やインターネット企業だけではない。AIをフィジカルなプロダクトに取り入れているサムスンやGEのような大手企業もまたしかりである。

大手企業がAIスタートアップを買収することで人材の確保をおこなっており、その人材プールはすでにはほとんど残っておらず、企業によってはそうした人材を確保できないということも起きています。

機械学習技術を構築するのは、標準的なソフトウェアエンジニアリングとはまったく異なり、コーディングすることよりもむしろ、膨大な量のデータから結果をうまく引き出すことが必要だからだ。

普通のプログラマーではダメなのだそうで、データサイエンティストが求められているようです。

ヘルスケア分野でIOTを活用する実証実験開始|IOTで市民の健康データを取得し、新サービス創出、雇用創出、生活習慣病の予防を目指す|会津若松市によれば、福島県会津若松市がヘルスケア分野でIoTを活用したプラットフォーム事業の実証実験を開始し、スマホアプリやウェアラブルデバイスなどから取得した市民の様々な健康データを集約し、オープンデータ化し、そのデータを活用して新サービスの創出、データサイエンティストなどの雇用創出、医療費の削減などを目指していくとお伝えしましたが、「データサイエンティスト」という職業は現在最も必要とされる人材といえるのではないでしょうか。

AIによって雇用が減っていくのではないかという不安を抱えている人もいると思いますが、AIが活用されるような分野、より具体的には大量のデータから必要な情報を引き出すことが必要とされる分野では人材の取り合いが行なわれているのです。

AIの研究開発・産業化を担う人材育成の必要性
AIの研究開発・産業化を担う人材育成の必要性

参考画像:人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ(2017/3/31、人工知能技術戦略会議)|スクリーンショット

AI分野に対する人材が不足していて、2020年には国内で約4万8000人が不足するという調査(経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(平成28年3月、委託:みずほ情報総研株式会社))もあるそうです。

AI人材が約5万人不足、東大阪大のAI講座は即戦力育成の呼び水となるか

(2017/7/31、MONOIST)

2017~2019年度で総額約2億2000万円を投資し、3年間で250人以上のAI人材を育成する計画だ。

政府が2016年度に立ち上げた「人工知能技術戦略会議」では、AIの研究開発や産業化を担う人材育成を重視している。

そこで、AI人材の即戦力を育成することが急務となる中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、電機や機械など製造業を中心にAI(人工知能)分野の即戦力人材を育成する特別講座「AIデータフロンティアコース」を、大阪大学と東京大学に開講すると発表しました。

【参考リンク】

求められる人材の知識・技能|人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ
求められる人材の知識・技能|人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ

参考画像:人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ(2017/3/31、人工知能技術戦略会議)|スクリーンショット

産業化ロードマップを実現するためには、3つの知識・技能を有する人材を育成することが求められるそうです。

1.人工知能技術の問題解決(AIに関する様々な知識、価値ある問題を見付け、定式化し、解決の道筋を示す能力)

2.人工知能技術の具現化(コンピュータサイエンスの知識、プログラミング技術)

3.人工知能技術の活用(具体的な社会課題に適用する能力)




■まとめ

人工知能とその他関連技術が融合した産業化のイメージ
人工知能とその他関連技術が融合した産業化のイメージ

参考画像:人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ(2017/3/31、人工知能技術戦略会議)|スクリーンショット

AIとその関連技術の融合によって、生産性分野、健康/医療・介護分野、空間の移動分野での産業化が期待されます。

AIは、このブログとも関りが深い、健康/医療・介護分野での活躍も期待されています。

人工知能とその他関連技術の融合による産業化のロードマップ(健康/医療・介護分野)
人工知能とその他関連技術の融合による産業化のロードマップ(健康/医療・介護分野)

参考画像:人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ(2017/3/31、人工知能技術戦略会議)|スクリーンショット

世界で最初に高齢化社会を迎えている日本においては、医療・介護に関するビッグデータとAIを活用することにより、医療・介護に関する新しい試みを世界に先駆けて行ない、治療ではなく予防に重点を置く予防医療によって、できる限り病気にならないようにしていく方法を構築していくことが期待されます。

ただ、こうしたことを行なっていくためのAI人材がいなければこうしたことを行なうことができないため、AI人材を育成していくことが急務となっています。







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「知る必要があるのはひとつだけだ」と、彼は言った。「波がいちばん高くなったとき、きみはチューブ(波が砕ける前のトンネル)の中にいるか、砂の中にいるかどっちかだってことさ」

「波の上に乗るか、砂の中にいるか」という視点に立てば、今からアプリや人工知能を始めるのは遅すぎるということでしょう。

アプリをやるなら一通りの分野が抑えられる前じゃないといけないでしょうし、人工知能を本業の中心に置く場合には今回の記事を参考にすればすでに人材がプールにいないために難しいということになります。