肝臓における脂肪代謝の新たな制御機構を解明、脂肪肝治療ヘの応用に期待|九大


ExeterUniMedSch April2013-16

by University of Exeter(画像:Creative Commons)

> 健康・美容チェック > 肝臓 > 脂肪肝 > 肝臓における脂肪代謝の新たな制御機構を解明、脂肪肝治療ヘの応用に期待|九大




肝臓における脂肪代謝の新たな制御機構を解明(メタボリック症候群における脂肪肝に対する治療への応用に期待)

(2010/12/2、科学技術振興機構)

Fbxw7は、これまで色々ながん遺伝子たんぱく質注3)を分解する「がん抑制遺伝子注4)」として知られていましたが、一方で、脂肪合成に重要な役割を担っているSREBPというたんぱく質の分解にも関わることが最近の報告で示唆されていました。しかし、実際にFbxw7が生体内でどのように脂肪代謝に関わっているかを調べた研究はこれまでありませんでした。

そこで本研究チームは、肝細胞におけるFbxw7の役割について研究を行いました。マウスの肝臓から人工的にFbxw7を消失させると、わずか3週間で激しい脂肪肝が発症し、その後は脂肪肝炎や肝線維症につながることが分かりました。この異常は、人間のメタボリック症候群注5)の患者で起こる肝臓の病変である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)注6)とよく似ています。その原因は、Fbxw7が欠損しているために、中性脂肪の合成を司るSREBPたんぱく質がマウスの肝臓で異常に蓄積していることでした。つまり、正常状態ではFbxw7がSREBPたんぱく質を恒常的に分解することでこれを低いレベルに抑え、肝細胞での過剰な中性脂肪の合成を抑制していたのです。また本研究では、Fbxw7はNotchというたんぱく質を分解することで、肝細胞の正常な分化を導く役割を担っていることも明らかにしました。

本研究はFbxw7が肝臓における中性脂肪の合成を生体内で恒常的に制御していることを示した初めての報告であり、今後、その機能を制御することで脂肪肝や脂肪肝炎に対する治療への応用が期待されます。

九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授らは、肝臓における中性脂肪の合成がユビキチン化酵素であるFbxw7(エフ・ビー・エックス・ダブリュー・セブン)によって恒常的に制御されていることを発見したことにより、今後脂肪肝や脂肪肝炎に対する治療への応用が期待されるそうです。







【中性脂肪関連記事】

■肝臓関連ワード

肝臓とは|肝臓の機能・働き・位置(場所)

肝臓の病気|肝臓病の初期症状・種類・原因

脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方

肝炎とは|肝炎(B型・C型・アルコール性)の症状・原因・チェック

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状・食事・改善方法

NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)とは・症状・原因

肝硬変とは|肝硬変の症状・原因・食事

肝臓がん|肝臓がんの症状(初期・末期)

肝機能障害の症状・原因・食事・肝機能の数値

肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP

ALT(GPT)の基準値|ALTが高い原因

AST(GOT)の基準値|ASTが高い原因

γ-GTPの基準値|γ-GTPが高い原因

肝臓に良い食べ物|肝臓と食事

脂肪肝の改善方法(食事・運動・サプリ)

肝臓がん予防によい食事・食べ物

コレステロールとは|コレステロール値を下げる食品・食事

中性脂肪とは・数値(正常値)・高い原因・下げる(減らす)

亜鉛を含む食べ物・食品|亜鉛不足チェック・摂取量

タウリンとは|タウリンの効果・効能|タウリンの多い食品・食べ物