> 健康・美容チェック > メタボリックシンドローム > ダイエット > 【ガッテン】100キロカロリーカードを活用した1日50gダイエットでメタボ改善!肝臓の脂肪から分泌される「ヘパトカイン」がメタボの原因になる!|8月29日
2018年8月29日放送の「ガッテン」(NHK)では、「マイナス3%の奇跡!ダイエットの超新常識」を取り上げました。
【目次】
- メタボリックシンドロームの診断基準
- 肝臓の脂肪がメタボの原因になる!?
- 【補足】金沢大学における「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPに関する研究
- 100キロカロリーカードを活用した1日50gダイエットのやり方
■メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪の面積が100平方センチ以上になっている目安)またはBMI(25以上)が基準以上で、それに加えて
1.中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満、
2.収縮期血圧(上の血圧)130mmHg以上かつ/または拡張期血圧(下の血圧)85mmHg以上
3.空腹時血糖110mg/dl以上
の脂質代謝、血圧、血糖の3項目のうち、2つ以上あてはまればメタボリック症候群だということになっています。
腹囲が大きい人は脂質代謝異常や高血圧、高血糖に当てはまる人が多いのですが、大事なことはウエストサイズを減らすことよりも、いかに中性脂肪値・血圧・血糖値を正常にするかが重要なのです。
■肝臓の脂肪がメタボの原因になる!?
メタボリックシンドロームは、内臓に脂肪がたまり(腹部の肥満)、高血圧や高血糖、脂質異常症(高脂血症)などの症状が一度に複数出ることをいいます。
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、「PAI-1(パイワン)」や「TNF-α(ティーエヌエフアルファ)」といった悪玉ホルモンを分泌しやすいため、内臓脂肪型肥満のほうが生活習慣病になりやすいと考えられます。
つまり、内臓脂肪を減らすことは、メタボ対策・予防につながるのです。
そして、もう一つは、肝臓に脂肪がついた脂肪肝になると、肝臓から「ヘパトカイン」というホルモンが分泌されて、メタボを引き起こす原因となることが分かりました。
隠れ糖尿病の原因は脂肪肝と脂肪筋|#ためしてガッテン(#NHK)でも紹介した通り、脂肪肝は、数日間低脂肪食にするだけでも改善することがわかってきているそうです。
また、現在の体重から4%痩せるだけで血糖値が改善する!|なぜわずかな減量で血糖値が下がるのか?|#ためしてガッテン(NHK)によれば、「現在の体重から4%やせるだけで、多くの場合、血糖値が改善する」ことがわかっています。
肥満の人の多くは脂肪肝(肝臓に脂肪がたまっている状態)になっているため、糖を取り込む能力が落ち、血糖値が上がっているそうです。
しかし、肝臓につく脂肪は「つきやすく落ちやすい」という性質があり、わずかな減量をするだけでも肝臓につく脂肪が落ちてしまうそうです。
肝臓につく脂肪が落ちることで、肝臓の貯蔵タンクが回復し、糖を取り込む能力が戻り、血糖値が下がるそうです。
今回の番組によれば、現在の体重の3%落とすだけで、脂質代謝異常や高血圧、高血糖の改善が見込めるそうです。
【補足】金沢大学における「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPに関する研究
参考画像:脂肪肝がメタボ体質の司令塔!?臓器ごとの脂肪化とメタボ体質の関連を解明 (2014/3/21、金沢大学)|スクリーンショット
肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、他の臓器におけるインスリン抵抗性が強い!?|金沢大学(2014/3/28)
金大医薬保健研究域の篁俊成教授と金子周一教授らの研究グループは、肝臓に付いた脂肪が、血糖値を下げるインスリンの働きを、筋肉など肝臓以外の部位でも妨げることを確認しています。
この研究のポイントは、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、肝臓と離れた場所に存在する骨格筋でインスリン抵抗性が強いということです。
※インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンの働きが低下する状態で、インスリン抵抗性が強いと、糖尿病・脂肪肝・メタボリックシンドローム・高血圧・脂質異常症(高脂血症)・動脈硬化を招く原因となります。
骨格筋についた脂肪は他の臓器におけるインスリン抵抗性とは関連しておらず、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど他の臓器におけるインスリン抵抗性が強いことから、肝臓と全身をつなぐ何らかのネットワークが存在すると考えられるそうです。
1.肝臓の脂肪量は、肝臓だけでなく、骨格筋のインスリン抵抗性と強く関連する
肝臓に蓄積する脂肪量が多いほど、肝臓および肝臓と離れて存在する骨格筋のインスリン抵抗性が強いそうです。
2.骨格筋についた脂肪は、肝臓などのほかの臓器のインスリン抵抗性と関連しない
3.体脂肪量は、脂肪組織のインスリン抵抗性と関連しない
以上のことから、脂肪肝の悪化は、肝臓だけでなく、全身のインスリン抵抗性の悪化において中心的な役割を果たしており、また肝臓と骨格筋を結ぶ何らかのネットワークの存在があることが考えられます。
研究グループによれば、肝臓から分泌される「ヘパトカイン」が骨格筋のインスリン抵抗性の原因になっている可能性があると考えて研究を進めているそうです。
●血糖値上げる肝臓ホルモン「ヘパトカイン・セレノプロテイン P」発見=糖尿病の新たな治療法に期待|金沢大(2010/11/6)
金沢大の金子周一教授らの研究チームは、
肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることを発見しました。
糖尿病患者を調査したところ、抗酸化物質セレンを運ぶ役割を持つ「セレノプロテインP」と呼ばれるホルモンの血中濃度が高いことに着目し、マウス実験でセレノプロテインPを打ったマウスは血糖値が上がりインスリンが効きにくくなることや肝臓でのセレノプロテインP生成を抑える薬を打ったマウスは血糖値が下がることも分かったそうです。
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■3%ダイエット|100kcalカードを活用した1日50gダイエット
メタボを改善するためには標準体重にする必要があると思われていましたが、体重の3%を減らすだけで、脂質代謝異常や高血圧、高血糖の改善が期待されます。
つまり、極端に体重を減らす必要はないのです。(標準体重を目指して急激なダイエットをすると、リバウンドしたり、肝臓への負担がかかる恐れもあります)
番組が提案したのは1日50gの減量を目指す「1日50gダイエット」。
一日50gの減量と聞くと少ないように見えますが、1か月で1.5kgの減量になります。
1日50gを減らすためには、1日300kcalを目安に減らす必要があります。(脂肪で換算した場合)
でもどのようにしたらよいかわかりませんよね。
そこで、番組では100kcalカード(食事・運動)を提案しました。
「マイナス100キロカロリーカード」を一日3枚選んで実行すれば、一日の目標である300キロカロリーが達成できるというものです。
マイナス100キロカロリーカード(食事)|PDF(NHKガッテン)
マイナス100キロカロリーカード(運動)|PDF(NHKガッテン)
体重記録シート|PDF(NHKガッテン)