新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!

新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!/新型コロナで肥満や糖尿病対策に関心が高まり 「健康」「未病」という価値に注目が高まる!




■新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!

新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!
新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!

JESHOOTS.COM|unsplash

新型コロナ禍で病院の経営が厳しくなっているというニュースを目にします。

病院での感染を恐れた患者が受診を控えているため、緊急事態宣言解除後も元の水準には戻っていないそうです。

ただ、「フードテック革命」によれば、新型コロナによって、肥満や糖尿病対策に関心が高まり、「健康」「未病」という価値に注目が高まると考えられるそうです。

生活習慣病が新型コロナの感染リスクを高めていることが明らかになっているため、肥満や糖尿病対策に関心が高まると考えられる。これまでにも自身の遺伝子や腸内細菌、バイタルデータを基に食事を提案するサービスや、完全栄養食などが出てきているが、今後さらに「健康」「未病」という価値に注目が高まると考えられる。

【ウィズコロナ時代】7割に健康意識の変化|アクセンチュア「全ての事業は健康事業」によれば、新型コロナをきっかけに7割の回答者が「健康意識が変化した」と回答しています。

そこで、新型コロナは予防医学を進めるチャンスと捉えるというのはどうでしょうか?

具体的に言うと、病院を「治療」から「予防」するやり方への転換です。

ただここには考えなければならない課題があります。

それは「インセンティブの仕組み」です。

わかりやすく言うと、病気の予防には医療費が支払われないんですよね。

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多くの医師や医療機関も生活習慣・環境を見直して病気を予防することの重要性は十分承知のはずです。

しかし、病気の治療に比べて病気の予防に対する医師たちのインセンティブ(報酬)が足りないという問題があり、取り組むのが難しいのです。

どんなに病気の予防に取り組みことが大事だと思っても、医療従事者(医師や看護師など)を養い、医療機関も生活し、経営を行なっていかなくてはなりませんので、現状では予防ではなく治療を選択せざるを得ないのです。

つまり、「病気の上流を診る医療」を実現するためには、病気の予防につながる医療を行った医師や病院・医療機関にこれまでの医療費の代わりになるインセンティブ(例えば「予防医療費」)が得られる仕組みを作り上げる必要があります。

予防医療にシフトしていくにあたっては、どのような基準にしたらよいかわからないというような問題も声も挙がることでしょう。

実際に、介護報酬での改善インセンティブで賛否分かれる|「要介護度の改善=自立支援の成果」には6割が否定的|『自立支援への改善インセンティブの導入』に対するケアマネジャーの意識調査結果によれば、介護に携わる人の気持ちを考えると、自立支援を目指すという方向性はよかったとしても、評価基準があいまいであることなど、介護事業者の実態と自立支援の評価制度・基準にギャップがあることにより、要介護度の改善を自立支援の成果ととらえることについては約6割が否定的という結果となりました。

ただ、今のままでは現在の医療制度は破たんしてしまいます。

すでに国民皆保険による医療は持続不能だと多くの医師たちから声が挙がっています。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

そして、新型コロナによって病院の経営はピンチに陥っています。

予防医学に舵を切るタイミングは今なのです!