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新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!/新型コロナで肥満や糖尿病対策に関心が高まり 「健康」「未病」という価値に注目が高まる!




■新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!

新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!
新型コロナ禍だからこそ病院が予防医学で経営できるように舵を切ろう!

JESHOOTS.COM|unsplash

新型コロナ禍で病院の経営が厳しくなっているというニュースを目にします。

病院での感染を恐れた患者が受診を控えているため、緊急事態宣言解除後も元の水準には戻っていないそうです。

ただ、「フードテック革命」によれば、新型コロナによって、肥満や糖尿病対策に関心が高まり、「健康」「未病」という価値に注目が高まると考えられるそうです。

生活習慣病が新型コロナの感染リスクを高めていることが明らかになっているため、肥満や糖尿病対策に関心が高まると考えられる。これまでにも自身の遺伝子や腸内細菌、バイタルデータを基に食事を提案するサービスや、完全栄養食などが出てきているが、今後さらに「健康」「未病」という価値に注目が高まると考えられる。

【ウィズコロナ時代】7割に健康意識の変化|アクセンチュア「全ての事業は健康事業」によれば、新型コロナをきっかけに7割の回答者が「健康意識が変化した」と回答しています。

そこで、新型コロナは予防医学を進めるチャンスと捉えるというのはどうでしょうか?

具体的に言うと、病院を「治療」から「予防」するやり方への転換です。

ただここには考えなければならない課題があります。

それは「インセンティブの仕組み」です。

わかりやすく言うと、病気の予防には医療費が支払われないんですよね。

【関連記事】

多くの医師や医療機関も生活習慣・環境を見直して病気を予防することの重要性は十分承知のはずです。

しかし、病気の治療に比べて病気の予防に対する医師たちのインセンティブ(報酬)が足りないという問題があり、取り組むのが難しいのです。

どんなに病気の予防に取り組みことが大事だと思っても、医療従事者(医師や看護師など)を養い、医療機関も生活し、経営を行なっていかなくてはなりませんので、現状では予防ではなく治療を選択せざるを得ないのです。

つまり、「病気の上流を診る医療」を実現するためには、病気の予防につながる医療を行った医師や病院・医療機関にこれまでの医療費の代わりになるインセンティブ(例えば「予防医療費」)が得られる仕組みを作り上げる必要があります。

予防医療にシフトしていくにあたっては、どのような基準にしたらよいかわからないというような問題も声も挙がることでしょう。

実際に、介護報酬での改善インセンティブで賛否分かれる|「要介護度の改善=自立支援の成果」には6割が否定的|『自立支援への改善インセンティブの導入』に対するケアマネジャーの意識調査結果によれば、介護に携わる人の気持ちを考えると、自立支援を目指すという方向性はよかったとしても、評価基準があいまいであることなど、介護事業者の実態と自立支援の評価制度・基準にギャップがあることにより、要介護度の改善を自立支援の成果ととらえることについては約6割が否定的という結果となりました。

ただ、今のままでは現在の医療制度は破たんしてしまいます。

すでに国民皆保険による医療は持続不能だと多くの医師たちから声が挙がっています。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

そして、新型コロナによって病院の経営はピンチに陥っています。

予防医学に舵を切るタイミングは今なのです!







【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つ

このブログでは、2つの考えをもとに、健康的なライフスタイルの提案をしていきたいと思います。

その2つの考えとは、

1.未病の観点から病気のサインを見つける

2.健康(健康的なライフスタイル)が通貨(お金)のような価値を持つ

です。




【目次】

1.未病の観点から病気のサインを見つける

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

「病気の治療」から「病気の予防」へと関心は移っているというサインはすでに表れています。

【関連記事】

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

最近では予防医療・予防医学に関しても注目が集まっています。

「日本は予防型医療へのパラダイムシフトを」

(2017/9/13、日経デジタルヘルス)

2017年版の白書では、疾病の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防(志向)型医療」への転換の重要性を訴えた。これにより、国民の生産性向上と社会的コストの引き下げが可能になるとしている。

在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

病気になりやすいライフスタイル(要因)や遺伝的にある病気になりやすい傾向などがわかってきており、そのことを事前に対処しておくことで、リスクを小さくしていくという考え方がこれからのトレンドになっていくのではないでしょうか?

いくつか例を挙げてみます。

大腸がん予防

1975年型食事が健康によい!?|世界一受けたい授業によれば、2000年代は脂質が多くなってくるのですが、肉を多く食べると大腸がんになるリスクが高いによれば、肉を多く食べる日本人は大腸がんになるリスクが高いことが、約8万人を対象にした約10年におよぶ国立がん研究センターの追跡調査でわかっています。

また、長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいで紹介したアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌に発表された研究によると、デスクワーク(長時間椅子に座ったままでの仕事など)は大腸がんのリスクを増加させる可能性があるそうです。

その他にも、糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いによれば、日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告では、糖尿病の人はそうでない人に比べて大腸がんになるリスクは1.4倍なのだそうです。

糖尿病の患者数の増加に伴い、大腸がんになる人も増えていると考えられないでしょうか。

→ 大腸がん について詳しくはこちら

→ 大腸がん危険度チェック について詳しくはこちら

■ピロリ菌除菌と胃がん検診で胃がん予防

胃がんの原因としては、最近の研究によって、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が大きく関わっているのではないかと考えられています。

胃がん検診、内視鏡検査の追加を提言 厚労省検討会によれば、胃の内視鏡検査は胃がんの死亡率を減らす効果が認められているそうです。

早期の胃がんには、自覚症状はほとんどありません。

40歳を越えたら、自覚症状はなくても、年に一回は胃の定期検査を受けましょう。

→ 胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら

■肝臓がん予防のために「肝炎ウイルス」の検査

肝臓がんになるほとんどの原因はウイルス性肝炎から肝硬変になったものであるため、肝臓がんの予防するためには、肝硬変になる前に、肝炎を早期に発見し、治療を行うことが第一です。

→ 肝臓ガン について詳しくはこちら

■歯周病予防で生活習慣病予防

歯周病から糖尿病が悪化する?|そのメカニズムと歯周病予防のポイントによれば、歯周病菌の出す毒素が歯肉や歯を支える骨を侵す作用の研究が進むにつれて、これらの毒素は、全身をめぐって糖尿病や心臓血管系の疾患など生活習慣病にも影響を与えていることが明らかになってきています。

歯周病ケアをすることが生活習慣病予防につながります。

→ 歯周病の症状・歯周病とは・歯周病予防 について詳しくはこちら

■舌の汚れを清掃してがん予防

舌の汚れを清掃をすることがガン予防につながる!?によれば、舌の上に付く白い汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積が大きいほど、呼気に含まれる発がん性物質アセトアルデヒドの濃度が高いことがわかったそうです。

こうした一つ一つを検討して、より確実だと思ったものから予防医療を行なっていくことが病気の予防につながっていくのではないでしょうか。




2.健康(健康的なライフスタイル)が通貨(お金)のような価値を持つ

Yummy  happy healthy food

by Sharon Vicino(画像:Creative Commons)

これからは、健康(健康的なライフスタイル)が通貨(お金)のような価値を持つ時代が来るのではないでしょうか?

というよりもすでにそこまで来ています。

保険業界では、ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人の保険料を安くするという保険商品の開発が行なわれていますし、すでにタバコを吸っていない人の保険料を割引する特約を付けた保険商品も販売されています。

また、銀行では健康的な人には金利を上乗せするというサービスが行なわれているところもあります。

つまり、健康的なライフスタイルを送っている人ほどお得になる時代はすでにきているのです。

【関連記事】

近い将来健康に関する情報がスマホ画面で一目でチェックすることができるようになり、健康ポイントのような名前で評価されるようになることも予測されます。

しかし、なぜこれほどまでに健康的なライフスタイルを送る人たちを優遇する時代が来るのでしょうか?

理由は2つ。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

もう一つの理由は、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|サキドリ↑(NHK)によれば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したところ、実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

※「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のこと。

つまり、健康的なライフスタイルを送るといったことや定期検診などの予防医療に積極的に取り組むということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

■まとめ

1.未病の観点から病気のサインを見つける

2.健康(健康的なライフスタイル)が通貨(お金)のような価値を持つ







【関連記事】
続きを読む 【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つ

富山大と東大、「未病」を実証!予防・先制医療戦略の構築に期待!




■富山大と東大、「未病」を実証!予防・先制医療戦略の構築に期待!

Doctor greating patient

by Vic(画像:Creative Commons)

富山大と東大、メタボの「未病」実証 マウス遺伝子が変動(2019/6/25、北日本新聞)によれば、富山大と東京大の研究グループは、ある状態から別の状態へ移り変わる際に起きる「揺らぎ」に着目し、健康と病気の間にある未病状態では、生体信号の揺らぎが大きくなると数学理論的に解析しました。

これまで概念的には知られていたものの、科学的には実証されていなかった「未病」の状態を実証したことから、病気の発症を未然に防ぐシステムの構築が期待されます。

【参考リンク】

■まとめ

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

この状況を変えるためにも、大きく舵を切る必要があるのではないでしょうか?

そのプランとしては2つあり、1つは、現役世代は予防医療・予防医学・予測医療に変えていくということ、もう一つは、高齢者がフレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことです。

フレイルについてはこちら → 「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

例えば、がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

このように書くと「なぜ予防医療にシフトしていかないのか」と疑問に思いますよね。

しかし、予防医療を進めていくためには重大な課題があります。

それは、病気の予防には医療費が支払われないことです。

郵便番号のほうが遺伝子よりも健康に影響する?|「病気の上流を診る医療」|TEDで紹介したTED Talkで話すリシ・マンチャンダは、医師の仕事は患者の症状を治療するだけでなく、病気の根本原因を突き止めることであり、現在の医療システムの考え方を変えて、医師たちに「上流で起こる」要因、例えば栄養価に乏しい食事、過酷な仕事、新鮮な空気の不足などといった私達が生活をして、働き、食事や睡眠を取り、学び、遊ぶ、私達の生活の大半を過ごす場所を改善することによって、病気を未然に防ぐことを呼びかけています。

リシ・マンチャンダ at TEDSalon NY2014 病気の上流を診る医療(August 2014、TED)

多くの医師や医療機関も生活習慣・環境を見直して病気を予防することの重要性は十分承知のはずです。

しかし、病気の治療に比べて病気の予防に対する医師たちのインセンティブ(報酬)が足りないという問題があり、取り組むのが難しいのです。

どんなに病気の予防に取り組みことが大事だと思っても、医療従事者(医師や看護師など)を養い、医療機関も生活し、経営を行なっていかなくてはなりませんので、現状では予防ではなく治療を選択せざるを得ないのです。

つまり、「病気の上流を診る医療」を実現するためには、病気の予防につながる医療を行った医師や病院・医療機関にこれまでの医療費の代わりになるインセンティブ(例えば「予防医療費」)が得られる仕組みを作り上げる必要があります。

最近では、健康増進型保険のように健康的なライフスタイルの人に対してメリットがある仕組みができつつあります。

ただ、医師や医療機関に対しては病気の予防に対するインセンティブがないため、このままでは予防医療の歩みは遅いままでしょう。

もちろん、31歳で横浜市立大学の教授となった武部貴則教授が取り組む「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例のように、予防医学に取り組んでいる方もいらっしゃることは忘れてはいません。

しかし、もっと早く予防医学の社会に進むためには、医師や医療機関が予防医学に取り組むことのほうが得をする仕組みを作る必要があるということです。

予防医学・予防医療を早く進めるためには、医師・医療機関に対するインセンティブの仕組みを変える必要がある!では病気の予防には医療費が支払われないことが予防医療を進めるうえでの課題だと書いたのですが、今回の研究で未病の状態を実証したことから、予防・先制医療を行うことによって医療費が削減することが実証されるのであれば、より本格的に予防医療の時代に進んでいくことが期待されます。







血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学




【目次】

■血行状態が映る「魔法の鏡」開発|東北大学

血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学
血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学

参考画像:血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功 |東北大学プレスリリーススクリーンショット

前に立つだけで血行状態が映る「魔法の鏡」

(2016/9/29、日経デジタルヘルス)

「魔法の鏡」を洗面所や鏡台に取り付ければ、毎朝の身支度などの際に、自分の顔に重畳する血行状態を観察可能だ。風呂場などの脱衣所に取り付ける場合は、ビデオカメラを後方に取り付けることで、普段は見えない肩や背中の血行状態を観察できる。

東北大学によれば、ビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発したそうです。

今回興味深いと思ったのが開発の背景です。




■「魔法の鏡」を開発した背景|未病対策

血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功

(2016/9/27、東北大学プレスリリースPDF)

少子高齢化に伴う医療費・介護費の増大に対処するためには、病気に至る前の未病対策が重要で、家庭や職場において常時健康状態のチェックが可能であることが理想的です。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

日本でも2015年度の医療費は41.5兆円|高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えているがニュースになりましたが、予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

東北大学の研究も病気に至る前の未病対策が重要であるという考えが背景にあり、予防医学への流れがきているのを感じます。

■自律神経

自分自身の体調を客観的かつ簡単に知ることは容易ではありません。特に、多くの人々が悩んでいる冷え性・肩こり・血行不良・むくみ・だるさ・食欲不振などの不定愁訴のような自律神経に関係する症状は、自覚することはできてもこれを客観的に把握することは困難です。

自律神経に関する番組や自律神経測定アプリなど自律神経に関する話題が増えているように感じます。

今回研究された「魔法の鏡」は、ビデオカメラとコンピュータを内蔵した鏡型ディスプレイの前に立つだけで、心拍数変動や脈波振幅変動などから得られる自律神経系指標に基づいた情報を直感的にわかりやすく表示する予定なのだそうです。

これと併せて身体の血行状態を毎日チェックすることで、自覚した体調の変化との関係を利用者自身で学習して行くことができ、その日の体調を予測するための手掛かりを把握できるようになると予想されます。

血行状態をチェックして、自分の体調の変化と合わせることにより、病気になる前のサインに気づくことができるようになることが期待されます。

■鏡にした理由

これを目的として、既にリストバンド型のウェアラブルセンサなどで常時身体の状況を記録する装置が市販されています。

しかしそれらのほとんどは、接触式センサによって心拍数や活動度などの健康に関連すると思われる既存の指標を得るものです。

しかし、特別なセンサを常時身に付けることは煩わしく、毎日意識して機器を操作する必要があるような健康管理法は習慣化しにくいものです。

これに対して、洗面所や脱衣所にある鏡は多くの人々がほぼ毎日利用します。

特に、洗面所や鏡台の鏡を使って自分の顔を毎日入念にチェックする人が少なくありません。

また、風呂場などの脱衣所の鏡では衣服を必ず脱ぐために顔に限らず全身をチェックすることが可能です。

以前このブログで提案した「トイレを活用した健康管理システム」を考えた理由も一日に一度生活の中で使うもので、なおかつ健康管理をすること自体が負担にならないものの一つに「トイレ」があるからです。

このトイレ型健康管理システムの特徴は、1日の生活で必ず使うもので健康管理ができるという点にあります。

現在考えられているのが、体重計や携帯電話を活用した健康管理システムのようですが、もっとも活用してほしい高齢者の方を中心に考えられていないと思います。

健康管理をする上で、その管理をすることが負担になってはいけません。

健康管理することが負担となり、ストレスのもとになっては意味がありません。

健康管理システムは、操作が簡単である必要があります。

私が提案するトイレ型健康管理システムは、トイレの便器に座った際に、体重・血圧・尿などを計測して、その日の健康状態をデータ化し、そのデータをインターネット上で管理するというものです。

そして、明らかに数値に異常があった場合に、その人に連絡があるというシステムを作れば、より簡単に健康管理ができるようになります。

鏡も多くの人が毎日利用するものであり、また風呂場などの脱衣所の鏡では裸で全身をチェックすることが可能です。

ただウェアラブルデバイスが常時身に付けるのに対し、鏡やトイレは常にセンサーでチェックすることができないという違いがあります。

APPLE WATCHの心拍数を表示する機能によって、17歳の青年の命が救われた!?によれば、自身が危険な状況にある事をApple Watchの心拍モニターで気づくことが出来たそうです。

もちろん「魔法の鏡」でチェックしたい指標とウェアラブルデバイスでチェックしたい指標は違いますが、最終目的は病気になる前に病気のサインを見つけることを目的にしているはずですので、両方が必要という結果になるかもしれません。







【自律神経 関連記事】
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「未病」の中でも特に気をつけるべきなのが「冷え」!どのような冷え対策をするといいのか?

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■「未病」の中でも特に気をつけるべきなのが「冷え」!どのような冷え対策をするといいのか?

Hands to the head

by Hernán Piñera(画像:Creative Commons)

あなたは大丈夫? 70%以上のビジネスマンが抱える「未病」の傾向と対策

(2009/11/9、マイコミジャーナル)

東京女子医科大学の川嶋朗准教授によると、「未病」の中でも特に気をつけるべきなのが「冷え」とのこと。

「冷え」は慢性化すると、動脈硬化や糖尿病、肝臓・腎臓のトラブルや癌などといった、重篤な疾患の原因にも関わってくるのだという。

東京女子医科大学の川嶋朗准教授によれば、未病の中でも、特に気をつけるべきなのは、「冷え」なのだそうです。

冷えが慢性化すると、動脈硬化糖尿病肝臓の病気腎臓病のリスクが高くなるということのようです。

未病の冷え対策としてどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

川嶋准教授によると、「冷え」について、生活の中において気をつけるべきことや対策としては、下記のことなどが効果的としている。

  • 冷たい食べ物を控える。
  • 温かい食事や、身体を温める効果のあるメニューを積極的に摂取する。
  • 38~40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかる。
  • 朝型の規則正しい生活を心がける。
  • 運動により代謝を上げる。
  • 血流が活発な部位を温める(太ももなど) 。
  • アルコールは身体を温めるが、冷たいビールなどを大量に飲むと、アルコールの温め
  • 効果よりもビールの冷たさが勝って、身体の熱を奪ってしまうので注意する。
  • 酒は飲み方に注意し、「少なく、薄くして飲む」ことを心がける。

低体温改善方法とほぼ同じアドバイスとなっています。




■冷え性解消方法

冷たい食べ物や甘い食べ物をあまり食べないようにする

糖分には体を冷やす作用があり、冷え性の原因となるので、できるだけ食べないようにする。

温かい飲み物を飲んで冷え性改善!

旬の野菜や果物を摂取して冷え性改善!

食べない系ダイエットは避ける

食事をすると、体内に吸収・分解される際に、熱が発生します。食事誘発性熱産生といいます。

たんぱく質は熱に変わりやすいので、たんぱく質の摂取を忘れない

基礎代謝をアップして痩せやすい身体を作る4つの方法によれば、筋肉をつけるためには、運動することだけではなく、筋肉を作る材料となるたんぱく質を摂取することが大事です。

冷え性の人が増えている理由の一つには、デスクワークが増えたり、運動する機会が減るなどして、筋肉量が減少していることが挙げられます。

たんぱく質を摂取し、運動する機会を増やして、熱のもととなる筋肉を付けたいですね。

ココア

ココアには体の冷え対策に有用な「体温保持効果」があることがわかったそうです。

ココアに含まれる『ポリフェノール』や『テオブロミン』は血管拡張作用があることが報告されており、特に手足の先の血液循環を改善することで、ゆっくりと長く冷えを抑制できると考えられます。

【参考記事】
ココアには体の冷え対策に有用な「体温保持効果」がある!?

乾燥しょうが

乾燥しょうがは、ジンゲロールとショウガオールの2つの働きによって、全身を温めてくれるそうです。

【参考記事】

乾燥しょうがで体を温める!

体温を上げる(冷え性を改善する)方法には、食生活の改善以外にもさまざまな方法がありますので、ぜひこちらもご覧ください。

運動で冷え性改善!

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え性の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

また筋肉を使うことで体温が上がります。

冷え性でない人は運動(ウォーキング・ラジオ体操・筋力アップ)で冷え性対策をしているによれば、長年冷え性の人は、厚着をしたり、電気毛布や湯たんぽ、暖房器具を利用する人が多いのに対して、冷え症でない人は、からだを動かすことを大事にしているようです。

  • ウォーキングやラジオ体操など体を動かすことを意識している
  • 筋力を上げてから冷えが気にならなくなった
  • 体を温める食べ物を多くとるように心がけている

また、運動することで交感神経の働きが上手になってくるそうです。

冷え性を根本的に対策するには運動する機会を増やすほうがいいかもしれませんね。

ウォーキングやスクワット・スロトレなどがオススメ。

お風呂にゆっくり浸かる

お湯に浸かると、身体が温まり、血液の循環がよくなり、疲れもとれ、健康にもダイエットにも効果的。

また、ストレスがかかりやすい現代人の生活の中ではリラックスする方法としてもお風呂の時間を大事にしたいものです。

お風呂にゆっくりつかることで体が温まるだけではなく、リラックスすることで自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整うことが期待されます。

さらには、冷え性・低体温になると、血流が悪くなり、肌に栄養がいきわたらず、老廃物の代謝が低下してしまうため、肌の不調が出てくるので、美容のためにも、お風呂にゆっくりつかるのはよいのではないでしょうか。

●オススメ入浴法:ストレッチ入浴法

40度~42度のちょっと熱いと感じる程度のお湯を用意し、入浴時間は10分間。

最初の5分は寝るようにして首までしっかり浸かり、残りの5分は起き上がり座った姿勢で胸元を出してリラックス。

※入浴前は足元からかけ湯を行うこと。

1.お湯は40~42℃で2分間首まで浸かる。

2.2分経ったら上半身のストレッチ

両肘を後ろに突っ張り胸をはる

左右の肩甲骨をくっつけるように背筋を伸ばし5つ数える(2回)

(思いっきり力を入れて背筋を伸ばすのがポイント)

3.下半身のストレッチ

入浴から5分後起き上がり胸元まで体を出す

坐禅のように脚を組む

足の指先を手で握り引き寄せるように足指を伸ばす

5つ数えたら手を離し足を伸ばす。(2~3回)

(足を伸ばすことで血液がしっかり流れる)

4.10分たつまでゆっくり浸かる

【参考記事】

冷え症・ストレッチ入浴法|みんなの家庭の医学 12月7日

お酒の飲みすぎに気をつける

タバコを控える

タバコは急激に血管を収縮させてしまい、血液の流れが悪くするともに基礎代謝も低下させてしまうためです。

寒さにあたる

寒さにあたることで、交感神経の活動が高まり、血管収縮のトレーニングになる。

冷え性のツボ

足の冷え解消のツボ:築賓(ちくひん)

足の冷えと腰痛解消のツボ:胞肓(ほうこう)

下腹の冷え解消・更年期障害・月経不順のツボ:三陰交(さんいんこう)

足の冷え改善のツボ:八風(はちふう)

下半身の血流改善のツボ:臀中(でんちゅう)

マッサージ

冷えと肌荒れに共通するのが、血行不良。
冷えは血行不良が原因の一つであり、血行が悪いと新陳代謝が落ちるため、肌荒れが起きやすくなるそうです。

また、ユースキン製薬が男女約800人に調査したところ、かかと荒れがある人のうち約8割が「冷えの自覚がある」と答えています。

冷えと肌荒れ防止のために、マッサージクリームを使ってマッサージをすると、冷え対策・肌荒れ対策になり一石二鳥ですよね。

特に、ふくらはぎのマッサージを入念にやるとよいそうです。

ふくらはぎは血液を送るポンプの役割を果たしていて、ふくらはぎをマッサージをするとその機能を補うことが出来ます。

【参考記事】

 ヘスペリジン

グリコ健康科学研究所によれば、冷えを感じる女性が「ヘスペリジン」に糖を結合させた「糖転移ヘスペリジン」を摂取すると冷水で冷やした手の皮膚表面温度の回復を早めることが分かったそうです。

また、あらかじめ糖転移ヘスペリジンを摂取しておくと、冷房が効き過ぎていても、手足の冷えが抑えられるそうです。

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 酒粕

月桂冠株式会社は、冷え性の症状がある男女8名に、アルコールを除いた酒粕の粉末を10g食べて、40分後に手を冷却することによって負荷をかける実験を行ったところ、酒粕を食べた人は手の表面温度に上昇傾向がみられたそうです。

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→ 冷え性改善方法|冷え症の症状・原因・末端冷え性(手足の冷え) について詳しくはこちら







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