AndreaTummons|unsplash
やさしさには2種類あります。
一つは全てをしてあげるやさしさ。
もう一つは全てを一人でできるだけ長くできるようにサポートするやさしさ。
例えば、子育てで言えば、赤ちゃんに対しては前者ですが、少しずつ成長するにつれて、後者へと移って行きます。
ライブ配信で”ばあちゃん(母)”が料理をしている様子を配信しているとよくあるコメントが「なぜ料理を手伝わないの?」というもの。
確かに料理を手伝ってあげることはやさしいことだと思います。
ただこのばあちゃんの料理教室のライブ配信では一人でできるだけ長くできるようにサポートすることを選択しています。
料理を頭と体のリハビリだと捉えて、どんな献立を考えて、どんな食材を買い、段取りを考え、下ごしらえをして、料理をして、美味しい見た目に盛り付けることは頭を使うことですし、1時間台所に立つ体力を維持することは大事だと思っています。
ライブ配信の裏側をお話しすると、ライブ配信前には、できるだけ短時間でできる体に負担がかからない料理を選び、段取りを考えて、食材や調理器具を出しておき、安全な作り方を確認して、「こっちの方が安全だからこういうふうにしよう」という段取りを行なっています。
もちろんばあちゃん(母)は忘れることがよくあり、配信途中で「次の段取りどうだったっけ?」と質問されます(笑)
これはやったことがある人ではないとわからないと思いますが、全てを自分でする方が実は簡単で、それを一人で任せて周りでサポートする方が大変なんです。
よくある例え話で言えば、魚を毎日届けるか、釣り方を教えて一人で生きていく方法を教えるかがありますが、私は自分の頭で考えて、自分の体を自在に動かす自由をできるだけ長く持ってほしいと思っています。
そのように”ばあちゃん(母)”からは習ってきたと思っています。
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P.S.
あるおばあちゃんは亡くなった旦那さんの仏壇が2階にあるので毎日昇り降りをしていたことにより足腰が鍛えられたことで長生きできているそうです。
ユニバーサルデザインの考えでいれば、できるだけ段差がなく、負担がないようにしていきますよね。
負担がかからない≒筋肉に負荷がかからないということで老化を早めてしまうことにつながりかねません。
やさしいようで本当にやさしいのか悩ましい問題です。
P.P.S.
サッカー漫画「アオアシ」ではコーチと選手の関係で同じようなことがあります。
選手がぶつかっている壁があって、コーチはその答えを知っている。
しかしそれを簡単に教えてしまっては選手が試合中に困ったときに自分で考える選手にはならない。
教えてしまうのはコーチとしての怠慢であり、自分が楽になりたいだけなのです。
自分で考えさせることに意義がある。
「自分で掴んだ答えは一生忘れない」