2020年10月1日放送のテレビ東京系「主治医が見つかる診療所」に出演した麒麟・川島明さんは、当時、肝臓についてかなり厳しい指摘を受けたことを、後に2026年10月5日放送のテレビ朝日系「耳の穴かっぽじって聞け!」で振り返っています。
川島さん本人の振り返りによると、当時は「肝臓悪いランキング」でベテラン芸能人が多数いる中でダントツ1位。「100点満点で8点みたいな」「肝臓爆発寸前」といった表現で紹介され、スタジオの照明まで真っ赤になるほどだったそうです。
具体的な血液検査の数値(AST/GOT、ALT/GPT、γ-GTPなど)の公表値については確認できませんが、番組終了後には医師たちから飲酒をやめるよう強く勧められ、「肝硬変の一歩手前」と指摘されたことを川島さん自身が振り返っています。
当時はコロナ禍で、自宅で一人で多量のお酒を飲む生活が続いていた時期だったそうで、番組出演が生活を見直す一つのきっかけになったようです。
では、ここでちょっと気になることがあります。
肝臓がそこまで悪くなるまで、自分では気づかないものなのでしょうか?
■肝臓は悪くなっても気づきにくい?
肝臓について「沈黙の臓器」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
肝臓には大きな予備能力があるため、異常があっても自覚症状だけでは気づきにくい場合があります。
つまり、
「特に体調は悪くないから、肝臓も問題ないだろう」
とは必ずしも言えないわけです。
そこで重要になってくるのが、健康診断などで行われる血液検査です。
■健康診断のAST・ALT・γ-GTPって何?
健康診断の結果を見ると、
などの項目があります。
名前は見たことがあっても、
「結局、何を表しているの?」
と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
ASTやALTは、肝臓をはじめとする細胞が障害を受けたときに血液中で増えることがある酵素です。
特にALTは主に肝臓に存在するため、肝臓の状態を知るための重要な手がかりの一つになります。
一方、γ-GTPは飲酒との関係で知られることの多い検査項目で、肝臓や胆道の状態をみる際の手がかりになります。
ただし、これらの数値一つだけで「肝臓病である」「肝硬変である」と判断できるものではありません。
検査値に異常がある場合には、ほかの検査結果や飲酒習慣、肥満、服用している薬なども含めて医療機関で判断することが大切です。
■「お酒を飲まないから大丈夫」とは限らない
川島さんのエピソードを読むと、
「たくさんお酒を飲んでいたから肝臓が悪くなったんでしょう?」
と思うかもしれません。
しかし、ここでこの記事を終わらせてしまうのはもったいありません。
肝臓の問題は飲酒だけに関係するものではないからです。
近年よく知られるようになっているのが、脂肪肝です。
脂肪肝には飲酒が関係するものだけでなく、肥満や食生活、運動不足、糖尿病などの代謝異常と関連するものもあります。
そのため、
「私はお酒を飲まないから肝臓は大丈夫」
と安心するのではなく、健康診断で肝機能の数値に異常を指摘されていないか確認することが大切です。
■脂肪肝を放置していいわけではない
脂肪肝というと、
「肝臓にちょっと脂肪がついているだけ」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、一部では肝臓の炎症や線維化が進み、さらに肝硬変などへ進行する場合があります。
もちろん、脂肪肝の人すべてが肝硬変になるわけではありません。
だからこそ大切なのは、自分で「大丈夫」「危険」と判断するのではなく、健康診断などで異常を指摘されたら、その原因や現在の状態を確認することです。
→ 肝硬変 について詳しくはこちら
■川島明さんのエピソードから私たちが学べること
川島明さんの話で本当に注目したいのは、
「芸能人が肝臓の数値を指摘された」
という話そのものではないのかもしれません。
それよりも、
自分では大丈夫だと思っていても、健康診断や血液検査をきっかけに生活習慣を見直すことがある
という点です。
健康診断の結果を受け取ったものの、
「そういえば去年ASTやALTが高かった気がする」
「γ-GTPに印が付いていたけど、そのままにしていた」
という人はいないでしょうか。
症状がないからといって、健康診断の結果まで放置していいとは限りません。
川島さんにとってテレビ番組での検査が生活を振り返るきっかけになったように、私たちにとっては年に一度の健康診断が、自分の生活習慣や肝臓の状態について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
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