by Jessica Fiess-Hill(画像:Creative Commons)
(2012/3/5、Menjoy)
■SNSに依存すると脳が退化する?
持続的にコンピューターやインターネットを使用することで、「脳が再配線される可能性がある」と考えているのは、神経科学者でオックスフォード大学教授のスーザン・グリーンフィールド氏です。
<中略>
その“再配線”は、集中力の低減とその場限りの満足感を促進し、共感能力の欠如を引き起こすなど、悪い方に配線が変化するというのです。
オックスフォード大学のスーザン・グリーンフィールド教授によれば、持続的にコンピューターやインターネットを使用することで、「脳が再配線される可能性がある」そうです。
その再配線とは、SNSに依存しすぎると、集中力の低減とその場限りの満足感を促進し、共感能力の欠如を引き起こすようになる可能性があるということです。
また、アメリカのタフツ大学の認知神経科学者メアリーアン・ウルフ氏は、長時間のコンピューター使用によって損われる可能性があるのは、読書をすることや読んだことについて考えることで磨かれる“脳の回路”であるとコメントしています。
「ある情報について深く考えるには、時間がかかるものです。それなのにネット上では、さっさと気晴らしから気晴らしへと飛んでいくことができます。
これでは大人でも、じっくり読み深く考える脳の回路が退化してしまいかねません。そして子どもの場合は、脳の回路がきちんと発達しない可能性があります」
タフツ大学の認知神経科学者メアリーアン・ウルフさんによれば、長時間コンピューターを使用していると、読書をすることや読んだことなど、じっくりと物事について考える脳の回路(能力)が退化してしまう可能性があるようです。
次々と新しい情報に移っていくということは、物事を深く考える機会をなくしてしまう可能性があるということです。
つながっていても孤独?|つながりすぎることで失ったものとは何か?で紹介した「マリアビートル」(著:伊坂幸太郎)にはこう書かれています。
「本を読み、内容を噛み砕く事で、語彙が増え、知識が増え、いっそう読解力が増した。本を読む事は、人の感情や抽象的な概念を言語化する力に繋がり、複雑な、客観的な思考を可能にした。」
本を読むことを通じて、他人の感情を慮ることや自分にはこんな感情があるんだということに気づき、そして、著者が経験したことから学ぶこともできます。
「魔王」(著:伊坂幸太郎)の中にはこういう台詞もあります。
『おまえ達のやっていることは検索であって、思索ではない-。』
この台詞を読んだ後、何かわからないことがあったらすぐに検索してしまい、その情報が本当にあっているのかどうか考えることなく、わかったような気になっているなと思わされました。
情報を仕入れることは大事ですが、それを自分の考えにするのには、長い時間がかかります。
静かに横たわって、のんびりして、待っていること、しんぼうすること―だが、それこそ、考えるということではないか!
ニーチェ(ドイツ)
静かに横たわって、のんびりして、待っている時間は決して無駄な時間ではなく、考えるための必要な時間ともいえるのではないでしょうか。
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