by Karen Neoh(画像:Creative Commons)
(2012/6/14、Gow!Magazine)
ビールのミラクルな健康成分を発見したのは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者。その成分は、ニコチンアミドリボシド(NR)と呼ばれる小さな分子です。
これを受け、アメリカのワイル・コーネル薬学大学はマウスによる10週間の実験を行いました。その結果、高カロリー食を与えたあとにNRを投与されたマウスは、NRを投与されなかったマウスよりも、体重が60%も軽くなることが分かったのです。
しかも、高カロリー食のせいで他のマウスが糖尿病の兆候を示していたにも関わらず、NRを投与したマウスにはそれが見られませんでした。さらに、筋肉も発達し、少しマッチョになったことも分かったそうです。
ビールの中に含まれるニコチンアミドリボシド(NR)という成分を高カロリー食を与えられたマウスに投与すると次のような結果が出たそうです。
- NRを投与されたマウスは、NRを投与されなかったマウスよりも、体重が60%も軽くなった
- 他のマウスが糖尿病の兆候を示していたにも関わらず、NRを投与したマウスには糖尿病の兆候は見られなかった
- 筋肉が発達していた
このような結果が生まれたのは、NRにどのような効果があったからなのでしょうか。
それは、NRが代謝を上げて寿命を延ばすサーチュイン遺伝子を活性化させるからだそうです。そのため、高カロリー食を摂取しても、活性化したサーチュイン遺伝子のおかげで脂肪燃焼が高まり、肥満が予防されたのです。
さらなる研究で、NRが体内の老化を進めるミトコンドリアの動きを抑制することが分かり、長寿効果も期待できるそうですよ。
NRにはサーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあり、サーチュイン遺伝子が活性化することで脂肪燃焼が高まり、肥満予防に繋がるようです。
また、NRには、体内の老化を進めるミトコンドリアの動きを抑制することがわかったそうで、長寿効果も期待できるようです。
このNRは牛乳からも見つかっており、その他一部の食品にも存在すると考えられます。しかも、NRには副作用はないそうです。
NRはビールの他に牛乳からも見つかっているそうです。
NRは非常に小さいため、物質からNRだけ取り出すことが難しいのです。しかも、合成しようにもとても高額になってしまうため、いまのところNRが含まれている物質ごと摂取するしかありません。
<中略>
スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者であるAuwerx氏は、「分子が非常に小さいため、現時点では私たちも物質に含まれているNRの濃度を測定することはできません。ですので、どれくらいビールを飲めば効果が出るのかは不明です」
NRに対する期待が高まりますが、NRは非常に小さい分子であることから、
1.物質からNRだけを取り出すことが難しい
2.合成しようにもとても高額になってしまう
3.分子が非常に小さいため、物質に含まれているNRの濃度を測定することができない
といった問題があるようです。
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