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Wikipediaの病気についてのページは、90%が間違い:米医師調べ
(2014/6/10、WIRED)
■10のうち9のケースに、間違いや欠陥があった
結果としてわかったのは、「脳しんとう」についての記述のみが、正確で満足のいくものだったということだ。一方、糖尿病、高血圧、腰痛、虚血性心疾患、肺ガン、脂質異常症、鬱病、慢性閉塞性肺疾患、変形性膝関節症に関する記事は、主要なマニュアルや最新の科学的発見と比較すると、重大な不一致があることが明らかになった。
アメリカの医師のグループがWikipediaに掲載されている治療や診断に費用のかかる10の病気について調べてみたところ、10のうち9の記事に主要なマニュアルや最新の科学的発見と比較すると誤りがあることがわかったそうです。
これは当たり前と言ったら当たり前なのですが、医学・健康に関する情報は少し前まで常識だったことが非常識になるということがあります。
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また、どんなに興味深い論文であっても、その研究・実験の仕方に問題がある場合もあって、後々の調査によって、そうした説が覆されることもあります。
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だからこそ、常に医学・健康に関する情報はアップデートしていく必要があります。
Wikipediaに書き込んでいる方は誰かの役に立ちたいという気持ちで書いているのだと思いますが、常に最新の情報をアップし続けるほどのモチベーションを維持し続けるのは大変なことです。
ですから、あくまでWikipediaは情報の大枠を知る材料にするというのが良い距離感なのだと思います。
実際、最近のある調査では、アメリカの本職の医師の47%と医学生の70%が、仕事上の(つまり、医療行為に関する)問題について、折にふれWikipediaを参照していると言われているのだ
記事によれば、医師や医学生の多くもWikipediaを参照しているようです。
また、人によっては、ひとつの症状から自己判断して悪い病気だと思い込むサイバーコンドリア(心気症の一種で、病状をネットで調べて自己診断してしまう症状のこと)の人もいます。
情報との良い距離感を持っていきたいですね。
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